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23話

 2人はこの日、ワーグの群れの討伐を受けた。ワーグは一匹だけなら魔物の中ではそこそこの強さだが、群れを組んだ時の連携に長けており、数によっては自身より強力なグリズリーベアを狩る事さえある。そんな群れを相手に2人が挑んだのは、自分たちが本当に冒険者のパーティとして連携が取れている事を証明するためであった。

「おらぁ!」

 元々アンジーは軽装な事を活かして先鋒を務め、早い内から魔物に大打撃を与える役目だ。今まではミックの魔法を利用してカウンターを取る戦い方をしていたが、これが本来の彼女の戦い方だった。

「キャイン!」

「ガァルル!」

 突然の奇襲に驚くワーグの群れだが、すぐに敵を取り囲もうと左右に散って数匹が動き出す。

「転ばし!」

 ミックは自分から見て左側の回りこもうとする、先頭のワーグに魔法を放った。一番前を走っていた魔物は走り込んだ勢いのまま転倒して、後続の数匹がつんのめった。

「アンジーさん、左の奴を狙って下さい!」

「言われなくても、わかってるよ!」

 アンジーはすぐに武器を持って渋滞になっている左の群れに飛び掛かった。素早い一撃で、まとめて2匹に攻撃を与える。

「グアッ!」

 取り囲む陣形が崩された残りの魔物たちは、すぐに狙う敵をミックに変えた。知能が高いワーグの群れは補助をする魔法使いを優先して狙いやすい。転ばしの魔法を使うミックも例外ではなかった。

「ガアア!」

 ミックを狙って2匹が襲い掛かる。流石のアンジーでも、まだ残った魔物を倒すので追い付かない。

「何とか気張りなガキンチョ!」

 彼女が声をかけるまでもなく、ミックはわーの群れに身構える。今までアンジーが全て攻撃を受ける形で戦っていたが、今度はそうはいかない。戦いは素人、しかも子供のミックがどうやってワーグと戦うのだろうか。

「転ばし!」

 すぐに向かってくる内の1匹に魔法を放つ。ワーグは駆けるスピードが速く、こういう魔物の方がバランスを崩しやすい。だが、残ったもう1匹が魔法をかける間もなく、ミックに近づいている。

咄嗟に、ミックは荷物の中から何かを取り出して向かってくる1匹に向かってばら撒いた。

「毒花粉!」

 冒険者たちが使う薬品。刺激性のある植物を粉末にした物で、狩人やスカウトが主に使う。さほど珍しい物でもなく、毒性も弱いが目や傷口に入ればその刺激で、暫くは行動不可能になる。舐めるとものすごく辛いそうだ。

「ギャヒン!」

 しかし、その効力は冒険者たちの折り紙付き。ワーグの視界を封じ、鼻も使い物にならなくなった。自分の魔法より効果あるんじゃないかと思うとミックは少し悔しい。

「よくやったよガキンチョ!」

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