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英雄、やります(仮)  作者: 星長晶人
アンドゥー教編
13/85

アンドゥー教

勢いで書けてしまったので三話連続投稿します。


矛盾点も多いと思いますが、よろしくです。

『ご主人様。家を買ったので見に来ていただけますか?』


 家具店で物色していたら、アーティアから念話が入った。


 早いな。今家具選んでるから中で待っててくれるか?


 俺はアーティアを思い浮かべながら心で念じる。


 俺は念話が出来るヤツが一人じゃないから、相手の顔を思い浮かべないとちゃんと伝わらないらしい。


『わかりました。そちらに合流しましょうか? 金額は安く済んだので余ってます。返そうかと思うのですが』


 わかった。じゃあ、三人共こっちに合流してくれ。場所はアーティアの言ってた家具店だからな。


『わかりました』


 アーティア達はもう買ったのか。早いな。家って結構悩むもんじゃないのか?


 ▼△▼△▼△▼△


「ご主人様」


 おっ? 家買いに行ってた三人がこっちに合流した。


「よっ。いい家買えたか?」


「「「……」」」


 何故か三人は目を逸らした。


「……おい。ボロい家だとかじゃねえよな」


「……いえ。そういうことではないのですが」


 じゃあ何が言いづらいんだよ?


「十分な広さと大きさで、私達七人が暮らしても余りある木造の三階建ての家ですよ」


「おぉ! ……じゃあ何で悪いんだよ? あれか? よくある曰く付きの物件とかそういうことか?」


 前の住人が自殺したとか。


「「「ギクッ」」」


 ……ギクッっつったぞ。


「……話せ」


「……はい。その家は女の子の幽霊が出るとか。しかも二人ですよ。その家に住んだ今までの人は不慮の事故で死んでるとか何とか」


 ディメスが渋々説明してくれる。


「……幽霊か」


 それはそれは。


「や、やっぱりダメですよね? 幽霊が出る家なんて。ご主人様の安全のために止めた方が良かったですよね?」


 アーティアが焦ったように言う。


「……何言ってんだよ。幽霊とか、別にいいだろ。むしろ、ちょっと会ってみたいな」


「えっ? あっ、いや、住んだ人は死んでしまうらしいですし、ご主人様の安全のためにも止めた方が……」


 アーティアはやっぱり焦ってるみたいだ。


「何だ? アーティアは怖いのか?」


 俺はニヤニヤしながらアーティアに聞く。


「こ、ここ怖くなんてありません」


 ……明らかに動揺しちゃって。


「……ご主人様。言っとくけど、ご主人様のいた世界とは違うかもしれないけど、こっちの幽霊は質が悪いのよ? その場で呪い殺される場合だってあるのよ」


 フィネアは住むのが反対らしいな。


「何だよ? 最強の魔物のフィネアまで幽霊が怖いのか?」


 俺はニヤニヤを止めないで言う。


「……バカ言わないで欲しいわね。私に怖いモノなんてないわよ」


「じゃあいいだろ? んじゃ、とりあえずその家行って家具とか置こうぜ。途中食材とか買って」


「「「……はぁ」」」


 何故か、グラン除く五人にため息をつかれた。


 ▼△▼△▼△▼△


「……へぇ。結構でかい家だな」


 俺は買った家を見上げて呟いた。


「……そう古くもないわね。ホントに幽霊が出るのかも怪しいわ」


 人を寄り付けないためのデマ、とか?


「……あと、気になる情報を得ましたので、報告しておきます」


 そう言って、アーティアは家を買った時にあった事を話した。


「……アンドゥー教?」


 何だそりゃ? ヒンドゥー教なら知ってるが。


「知らないのですか? かなり広範囲に広まっている大宗教ですよ?」


「俺は異世界から来たからこっちのことを全然知らねえけどな。どういう宗教なんだ?」


「……身分差別が基本です。王族皇族、貴族、騎士、商人、民、奴隷、そして魔物の順に身分を確立し、貴族中心に政治、世を進めていこうという方針ですよ」


 どっかで聞いたことあるような宗教だな。


「……はっ。俺らなんか、全く地位ねえじゃんかよ」


 自嘲気味に笑う。……国は民がいてこそ、だろうが。


「はい。アンドゥー教徒に知られると厄介ですね。確実に『神聖鶏騎士団』によって狙われ、捕らえられて性奴隷として一生、壊れるまで使われるでしょうね」


 ……最悪だな。俺は殺されるか虐げられるかのどっちかだろうか?


「ちなみに、ご主人様もですよ? 性欲有り余った貴婦人達の性奴隷にされるでしょうね」


「……男の性奴隷なんて俺は知らないぞ?」


「一般は女性の方が知られてますけど、貴族の主人に相手をされなくなった婦人が買うことも少なくはありません」


 ……それはそれで地獄かもな。俺は熟女好きじゃないから。好き勝手されるわけだし。


「または、元性奴隷で男が欲しくて仕方がない女性など、ですね」


「性奴隷って壊れるまで使われるんじゃないのか?」


「まあ、罰としてはそうですが。一般的には歳をとると解放されます。……それまでに快楽の虜になると男の性奴隷を買うんですが」


「……なるほど」


 まあ、若い娘がいい男は多いしな。


「……話が逸れました。ご主人様は魔物を好き好んで傍に置いとくわけですから。それに、奴隷でもありません。確実に『神聖鶏騎士団』に狙われるいいカモです」


 ……宗教って面倒が多いんだよな。理不尽が多くて反発すると後が怖い。そんなんばっかだ。


「民の中でも騎士と商人の方がいい身分なのは、騎士は自分を守る仕事をしてくれる、商人は自分にいい利益を与えてくれる、という貴族や王族などが中心の考え方だからです」


「この国はあんまり布教してないみたいだな。俺と同じ異世界人は魔物をパートナーにしてるから、狙われる可能性は高いんだが」


「どんな人なのですか? 私、この国のことはかなり頭に入れてありますけど」


「一人は彼氏にして毎日をエロエロで過ごしてるらしい」


「……もしかしたら、あの二人ですか?」


 アーティアは家の前を歩いていたカップルを指差す。


 腕組んで、ニコニコしながら、彼氏が片手に食べ物がいっぱい入った袋を五つ持っている。彼女は彼氏の腕にくっついてのろけてる。


 バカップルだった。


「……リア充死ね」


 小声で呪っておく。


「あ? 何だお前ら。俺とハニーの邪魔しようってのか? 殺すぞ?」


 ……彼氏の方が物凄い顔で睨んできた。


 彼氏は黒髪黒目だ。髪は長い方で、背が高くかなりのイケメンだ。


 彼女はセミロングの茶髪に茶色い目。背が低く、ちょっと幼い感じがするが、体型だけはよくて、ボリューミーだ。彼女も顔がいい。


 ……いや、ハニーって何だよ。

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