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エロゲーは当倍速で  作者: 美海秋


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ギミックは簡単には見つからない

「なんとかなったな」

「そうね」

「あれで倒せたかは分からないけどな」

「落ちたから大丈夫じゃないの?」

「どうだかな」


 なんとなく、完全に倒さない限りは、また戦うことになるのではと考えている。

 とはいえ、今は次を考えるだけだ。


 ようやく進めるようになったのだ。

 こうなったら、いけるところまでいく。


 次に待ち受けているのが何なのかを、考えないといけない。


 こんな場所など全く知らない。

 だからということもあるが、ここから何が起こるかの予想はできそうでできない。


 進んだ先に、本当にリーヤとチカが待っているのかについてもわかっていない。

 てがかりなどないからだ。


「まずは行くか」


 俺がそう言ったところで、ナオが手をくいくいと動かして俺を近くまでこさせる。


「どうかしたのか?」

「後ろの二人は役にたつわけ?」

「俺にそのことを聞くのか?」

「当たり前じゃない。あんたの相手でしょ?」

「相手ってなんだよ、違うからな」


 俺は否定する。

 ゲームではそうなのかもしれないが、今は決してそんなものではない。


 困っている俺を見て、ナオは笑っている。

 だから言ってやる。


「ナオだって、その対象じゃないのか?」

「はあ?私は違うでしょ」

「どうだろうな」

「違うわよね。ねえ」


 慌てて俺に確認をしてくるが、このゲームの主人公は一応俺のはずだ。

 だったら、こういうときは無駄に答えないで困らせておくのが、一番いい。

 あまりやりすぎると思い切り殴られそうだが……言われっぱなしも嫌だ。


「こんなところで言い争ってても一緒だし、行くぞ」

「な!」

「使えるか使えないかはともかくとして、ここに放置する理由もないだろ?」

「そうだけど」

「だったら行くぞ」

「わかったわよ」


 ようやくナオも納得してくれたようで、離れる。

 そして、俺たちは四人で進んで行く。

 何かが起こってもいいように、順番は前から俺、カナ、ヤン、ナオだ。


 進み始めてすぐに後ろにいたカナが話しかけてくる。


「あなた、いいか?」

「どうした?」

「拙者はこの武器だ。戦うことができないが、このままでいいのか?」


 カナは、心配そうに話しかけてくるが、俺はなんと言っていいかわからない。

 ゲームのときには、攻撃をよく外すのがストレスに感じたりもしたが、今ではむしろそれが当たり前なのではと思ってしまうほどの動きをしている。


 武器があっても戦力になるかわからないしな……

 なんてことはさすがに面と向かっては言えない。

 だけど使える武器と言われても、ないのが正直なところだ。


「誰も変わりの武器を持っていないからな」

「そうか……」

「ああ……むしろ、カナは他には何か持ってないのか?」

「ふむ、そうだな……あるのは、これくらいだ」


 カナがその言葉の後に取り出したのは、木刀だ。


「鍛えるのに愛用している。拙者の一番よく使う剣だな」

「お、おう」


 刃のついていない剣というか武器に、どれだけの威力を期待していいのかわからないため、さすがに返事は戸惑ったものになる。

 そんなタイミングで、モンスターたちが現れたりするが、マンティコアのように目を使えなくされているわけではないので、俺が使う明かりによっていつものように狂乱というべきか眩しさで悶えている。


「楽ね」

「ま、変なやつが出てこない限りな」


 さすがというべきか、悶えたモンスターたちはすぐにナオが処理をしてくれる。

 楽ではあるものの、ヤンとカナの二人が何もできていないのはいつものことで片付けていいものか……

 魔法を外して大惨事を起こしそうなヤンはともかくとして、木刀がどれだけの威力になるのかを見ておいたほうがいいのではと考えたが、そのタイミングでこの地下の終わりであろう場所が見えた。


「でかいな」


 現れたのは、かなり大きな扉だ。

 俺はそれをぐっと押す。

 何も起こらない。


「何やってんのよ」

「何って、開かないんだよ」

「はあ?」


 ナオは俺のことを疑うように、扉を押す。

 だけど、俺の時と同じように扉は開かない。


「何よこれ、まちゃくちゃ重たいじゃない」

「だから言ってるだろ?」


 俺は少しだけ勝ち誇ったように言うが、決していいことではない。

 こういうときに開かないということは、何かしらのギミックがあるのが、このゲームのあるあるだからだ。


 このエロティックタワーの地下に入るための何かはそもそも開いていたことを考えると、ここを開くために必要なことがあるはずだ。

 俺は扉をペタペタと触っていく。


「何やってんのよ」

「こういうところは何かギミックがあるから、それを探してるんだ」

「ふーん……」

「興味がなさそうだな。一緒に探してくれるとかないのか?」

「探してほしいわけ?」

「できるならな」

「しょうがないわね」


 ナオは俺と離れて、何かないかと探し始める。


(ギミックって何よ)

 ナオはあなたとリーヤによって進んだ物語のことを知らないため、言われたところでわかっていない。

 ぼーっと開かない壁を触りながら、ナオはゆっくりと探すような感じで歩くが、考えることは違うことだ。


(はあ……こうやってても、わかんないのよ……そういえば、ヤンが私と同じだってことを言うべき?急にモンスターと戦ったりして忘れてたけど)

 ナオはそのことを思い出すと、あなたに話しかけようとする。


「ねえ、ガコン……ん?」


 だけど、ナオは話しかけたタイミングで何かに手をかけたようで、音とともに視界が真っ暗になる。

 完全に予想外だったせいで、受け身も何もとれない。


「ちょ、待ってええええ」


 ナオはそんな声を出しながら、何かギミックに巻き込まれる。

 俺たちは、ナオがいなくなったのに気づいて、不思議に思う。


「見たか?」

「拙者は見ていない」

「わたくしもですわ」


 わかってはいたが、ポンコツだ。

 一人は木刀を振っており、一人は杖を掲げているところを見ると、捜索すらもちゃんとしていなかったのだろう。


 俺はナオが探していた辺りを探索するのだが、それを二人は気にしながら見るのだった。


 ※


 降りたというべきか、落ちたというべきなのか、その先ではすでに先客がいた。

 ナオは動かない先客たちを見る。


 動かないというのか、動けない理由をナオはわかっていた。


(早く来なさいよ!)


 そう思うが、あなたはなかなか来ないのはいうまでもなかった。

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