7話
タクト達はゴブリンの運んでいた死体を調べていた。血が乾いており時間が経っていると判断出来たがゴブリン達によってつけられた傷は目を背けたくなる程酷い状態だった。彼の遺品はスマホ、ライター、煙草だけだった。スマホは画面に大きなヒビが蜘蛛の巣のように入っており起動出来なかった。ライターは最新式でギャップを外すと丸い金属板が出てハンドルを回すと中で発電し、 電熱により金属板が加熱され着火出来る優れものだった。
ライターだけ拝借し、先を急いだ。黙々と進んでいると次第に光の量が増えていき遂に森から抜けれたのである。森から出た其処は広大な平原だった。左手には森から激流の川が流れておりその先にある湖に合流していた。そこから3本の小さな川に分かれ右手の方に緩やかに流れている。湖に向かい歩いていると川の向こう岸に鹿の様な草食動物がいた。湖の畔には巨大な岩や流木が流れ着いていた。水は綺麗だったが水深はかなり有るようだ。タクト達は湖から40メートル程離れた木の下で野宿する事にした。今日は雲が多く雨宿りでき、水量が増えると危険なので少し離れたこの場所を選んだのだ。タクトは火を起こす事にし、カグヤは水を汲みに行く事にした。枯れ木や枯れ草等集めたり燃え広がらないよう工夫するタクトに対し、カグヤは水をペットボトルに汲むだけなのですぐに終わってしまった。
「魚が捕れないか見てくる」
と言い残し再び畔を歩いていた。夕日で赤く染まった湖はルビーみたいにとても綺麗で(タクトと二人で水遊びしたいなぁ)などと考えていたが
(水遊び…水着かぁ…)
カグヤは自分の胸に手を当てると大きなため息をついた。




