引っ越し準備開始!何を持っていけばいいの?
そこでは、木工職人と竹職人たちが、完成した換気口を運び込んでいた。
前に試作品を作り、風の通り方や雨の吹き込みを確かめたものだ。
もちろん、そのまま取り付けるわけではない。
建物の大きさや壁の位置に合わせて、細かな調整が必要になる。
「こちらは倉庫部分の空気の取り入れ口です」
職人が壁の下側を指さした。
「ここから空気を取り入れ、反対側の上部から抜けるようにします」
「なるほど。倉庫全体に風が通るようにするんですね」
「ええ。ただ、棚を置いたときに空気の通り道を塞がないようにせねばなりません」
おお。そこまで考えてくれているのか。
私は感心しながら、取り付け作業を見守った。
木材で作った枠に、竹を組み合わせた換気口。
外側には雨が入りにくいように工夫が施されている。
さらに、上部には竹の筒を取り付け、空気が抜けやすいようにしていた。
「竹の筒は、試作品より少し高くしてあります」
「どうしてですか?」
「屋根の近くは風の流れが変わることがありますからな。いくつか試した結果、この高さがよさそうだと判断しました」
「なるほど!」
もちろん、これで完璧というわけではない。
実際に使ってみて、風の通りが悪ければ調整する必要もある。
それでも、職人たちは試作品で得た経験を生かし、建物に合わせて工夫してくれていた。
私が資料を渡しただけなのに、ここまで考えてくれるとは。
本当に頼もしい。
「次は、棚の位置を決めましょう」
今度は倉庫の中へ移動した。
建物の骨組みはできあがり、床も張られている。
壁や屋根の工事も進み、以前よりずっと建物らしくなっていた。
倉庫部分には、木材や竹製品、乾燥食品、完成した商品などを保管する予定だ。
ただ、何でも好きな場所に置けばいいというわけではない。
「重いものは下に、軽いものは上に置くようにしましょう」
私が言うと、職人たちが頷いた。
「その方が取り出しやすいですな」
「棚も、何を置くかによって高さを変えた方がよさそうだ」
「竹製品は大きさが違いますから、仕切りを作るのもよいかもしれません」
次々と意見が出てくる。
私は資料を取り出し、棚の配置について描かれたページを見せた。
「それから、換気口の前には物を置かないようにしたいです」
「そうでしたな。空気の通り道を塞いでは意味がありませんからな」
倉庫の壁際に棚を並べるだけでは、空気が流れにくくなる場所もある。
棚と壁の間に隙間を設けたり、荷物を詰め込みすぎないようにしたり。
そういった工夫も必要だ。
「乾燥食品は、木材とは分けて保管しましょう。湿気の影響も違いますから」
「では、乾燥食品を置く場所には、専用の棚を用意しましょう」
「完成した商品も、材料とは別にした方が管理しやすいですね」
「そうです。材料と売り物が混ざったら、何がどれだけあるのか分からなくなりますから」
以前、商人に商品を売ったときにも思ったけれど、物が増えてくると管理が大切になる。
作るだけでは駄目なのだ。
何を作り、何を保管し、何を売るのか。
それが分からなければ、せっかくの商売も上手くいかなくなってしまう。
「棚の配置だけでなく、保管する品物の一覧も作った方がよさそうですね」
私が言うと、村長が頷いた。
「確かに。倉庫ができたら、何をどこに置いたか記録する必要がありますな」
「はい。商品を売ったときにも、数が分かるようにしておきたいです」
「それも、皆で相談して仕組みを考えましょう」
よし。管理についても、村の人たちが自分たちで考えてくれそうだ。
続いて、店の部分を確認することになった。
こちらは村の品物を並べたり、商人との取引をしたり、必要な物資を受け取ったりする場所だ。
倉庫とは違い、商品を見やすく並べる必要がある。
「店の棚は、こちらの壁際に置く予定です」
職人が図面を指さした。
「竹籠や木工品は、棚に並べて見せられるようにします。大きな品物は床に置く場所も必要でしょう」
「いいですね!」
「それから、商品を受け渡す場所も作っておきたいですな」
「商人が来たときに、商品を確認する場所ですね」
「そうです。倉庫から品物を運び出すときも、こちらを通せば管理しやすくなります」




