第209話 田んぼで眠っている男
前回の疑問、黒川検事長事件について元新聞記者の伯父に聞いてみた。
そうすると、朝日新聞と産経新聞の記者が麻雀卓を囲むことなど、いくらでもあるとのことだった。
ついでに伯父の現役時代は、半荘のそのまた半分、つまり東風戦で四半荘ごとに精算していたのだとか。
呆れたことに警察の記者クラブでやっていたそうだ。
「産経新聞にも左翼はいくらでもいるし、朝日新聞の中にも日の丸が好きな奴もいるぞ」
伯父の言葉にオレは驚いた。
「だいたい、朝日新聞の社旗なんて旭日旗そっくりじゃないか」
言われてみればその通り。
それに、記者クラブでは朝日と産経の記者は普通に付き合っていたそうだ。
むしろ同じ新聞社でも社会部と政治部でキャラが違っている。
社会部が「一を聞いて十を書く」のに対し、政治部は「十を聞いて一を書く」らしい。
他にオレが従兄弟たちから聞いたビックリ新聞記者物語としては、こんなのがある。
・出勤時刻が恐ろしく不規則で、手に鞄を持っていない。
・いつも夜中に酔っぱらって帰ってきて伯母と喧嘩していた。
・新聞記者共通の丸っこい文字で小さな黒い手帳にメモする。
・会社の帰りに田んぼの中で寝ていた。
・書いた記事が過激派の怒りを買い、よく地方に単身赴任になる。
・基本的に人を尊敬しない。どんなに社会的地位の高い人でも伯父にかかったらボロクソ。
・いつも原稿の締め切り時間を気にしている
まあ昭和のサラリーマンというと、皆、こんな感じなのかもしれない。
「書く」というのは血筋なのか、従兄弟、甥っ子や姪っ子たちも本業の他にブログやメルマガを書いたりしている。
実際、オレも医者をしながら原稿を書いているんだけど。




