2024年問題A
ゴクゴクゴク
「ぷはぁ~~~!!」
仕事終わり、明日、明後日、休み!!
となれば、飲む!飲む!飲む!!食う!!
夜の居酒屋で中年の男が2人
「いやぁ~、今月は疲れたなぁ。蓮山部長!」
「そうですね、山口部長。27日ぶりの休みと連休です」
サラッと怖い事を言いながら、お疲れ様をする部長の2名。気の合う社畜同士、馬鹿共の面倒を見ては仕事の手伝い、尻拭い、謝罪、営業……。
今月も色々やってきた。
「祝日は何事もなくやれよな、ホント」
「荷物を落失したら出勤ですからね。いやぁ、やってられません。……山口部長、今は仕事を忘れて飲んで食べて、不満を吐きましょうよ」
「そうだな!まったく、部下共の世話にはいつも参るぜ!俺を毎日現場に出しやがって」
「いや、あなたは結構勝手に現場行くじゃないですか……」
山口部長と蓮山部長は、配達関係のお仕事をしているところの部長さんである。
蓮山部長は現場には行く事はない(管理・営業)タイプの部長である。
山口部長は現場に出てくる(配達・指揮)タイプの部長である。
どっちのタイプが良いとか、優れているかは決められないが。お互いに部長として認めていて、優れているのは確かである。そして、気が合う理由には、
「息子さんもしっかりしましたね。たまに、現場にいた頃の自分と重ねるのでは?」
「あんな馬鹿息子と俺が似るわけないだろ。まだまだ、全然だ。それより、蓮山さんの息子は漫画家になったんでしょ?」
「決して褒められるような雑誌でもないですし、結局は自分しか考えてない息子ですよ。ホントに大人になったら泣きつくので、私が働いておきます。友達の多い義娘なら心配はないんですが」
元ではあるが、大きい息子達がニートをしていたという家族関係というのもある。息子がダメだと、父親としてはとてもとても心配である。
会社では信頼される実力、凄い権力を有していても、家族の事になるとサッパリ分からんで、妻とかに放置しがち。その結果を……2人は知っているから、……。
ホントに息子達が働いているのなら父親として、ホッとはするものだ。
そんな家族の話を含めて、会社・職場への色んな不満や愚痴を言いながら
「あーーーーっ!!しまったっ!!再配依頼してたの忘れてた!!」
「えーーっ?ナニソレー?別に置き配してくれるんじゃね?」
「いや、俺ん家はオートロックだから玄関前に置いてくれねぇーんだよぉぉっ!!あーっ、悪い事したなぁ~……昼には使いたいから、朝一で持って来てくれねぇかな?」
店内で一人の男性客が飲みに来たというのに、再配依頼をしていた事を思い出したらしい。
そんな言葉を後ろで聞いてた、山口部長と蓮山部長は。
「まぁ、気にしなくていいだろ」
「そうですね。……とはいえ、心配になります」
早く家に戻って受け取れ!とか、何してんだテメェ!とか。そーいう悪口は出ない。そりゃあ、お伺いする配達員さんは空振り喰らって、ムカつくな~ぐらいには思うだろうが。
連休前ってくれば、急ぎの仕事の多さやこーいう急な飲み会もあるってもんだと思う。
人のミスって誰にでもあるって、社会に出てれば嫌でも分かるし、そこをやれ
「2024年問題と言って、大きく叫ぶ必要はないと思いますね」
「関係ないとは言ってないけどな」
「じゃあ、実くんや木下さん。あと、ライバル会社の黒井さんや若草さんも呼んで、2024年問題やら再配問題に関する、日ごろの愚痴を言い合いません?彼等も明日は休みでしょ?」
「え~~~っ、実と木下はいいけど、黒井と若草は別企業じゃねぇか。俺、あの2人嫌いなんだけど」
配達員達・その他による、物流現場から話す愚痴大会が始まるのであった。