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【絵本】鈴を着けた少女 La petite aux grelots  作者: フランス説話 エピナル版画工房/萩原 學 訳
8/10

7. 翼ある蛇La couleuvre ailée

元より読者の持つ「妖精」観念には合っていないと思うが、いよいよ女妖が悪役らしく手段を選ばなくなる。惜しむらくは妖精のくせに「悪役令嬢」のような美貌を持たないことで、当時は 悪者=醜悪 と判り易さが優先されたのであろう。そう考えると、『白雪姫』の悪役は、時代を先取りしたかの観がある。

挿絵(By みてみん)

翌日、ベル・オランジュは父親に会いに向かいました。しかし、今度は待ち伏せていた赤毛の妖精が再び彼女を不意討ち、炎を吐く大いなる翼ある蛇に後を追わせました。

Le lendemain Belle-Orange revint voir son père ; mais cette fois la fée Rousse qui la guettait la surprit encore et envoya à sa poursuite une grande couleuvre ailée qui vomissait des flammes.

哀れなツバメは焼かれようとしたとき、またしても、お父様!と三度(みたび)呼ばわる。途端に、雷に打たれた大蛇は、邪竜と同じように死んでしまいました。

La pauvre hirondelle allait être brûlée lorsqu’elle appela encore trois fois son père ! la couleuvre foudroyée à l’instant mourut comme le dragon.

挿絵(By みてみん)

すると邪悪な妖精は、自分の策略や復讐の手段が役に立たないと思い知り、50里も撃てる騎兵銃(カービン)で待ち伏せ攻撃を仕掛けました。

Alors la méchante fée voyant que ses artifices et ses moyens de vengeance étaient inutiles s’embusqua elle-même avec une carabine qui portait à cinquante lieues.

残酷な女は、ツバメを見つけるや、(まさ)に撃とうとしたそのとき、今度はベル・オランジュが岩石を足につかんで、空の高みから水晶の塔に落としました。

La cruelle, apercevant l’hirondelle, allait tirer, lorsque Belle-Orange, qui avait cette fois pris une pierre dans ses pattes, la laissa tomber du haut des airs sur la tour de cristal.

脚注

carabine: 騎兵銃(カービン)は、騎乗して携行できるよう短銃身に設計されたマスケットで、狙撃できる銃ではなかった。これを携行する騎兵を竜騎兵(ドラグーン)と呼んだ


lieues: 英語leagueに相当。1リュー≒4km≒1里であるから「射程200km」と称している訳で、戦艦大和の45cm砲が射程40kmであったから、非現実的という他はない。その割に描かれた絵はマスケットの銃身に、スコープどころか照星もなく、先端は(散弾銃の元になった)ラッパ銃の形と、御伽噺とはいえ絵師が火器に詳しくなかった可能性が高い


tomber du haut des airs: 質量兵器の概念はなかったから、攻城兵器の投石機などから想像したものであろう


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