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エピローグ

例の女刑事さんに事情を説明すると


「おお!さすがだねぇ君たち!

君たちの姿が見えた瞬間、あっ、これ犯人終わったわって思ってたよ!うんうん!」


と相変わらずのノリだった。


刑事さん立ち会いの下、お姉ちゃんが焼却炉を調べたが、やはり推理通りの物が、推理通りの順番で捨ててあり、田辺さんが着ていたレインコートの背には榊さんの衣服の繊維が、右肩には麻ロープの繊維が付着していた上、田辺さんのYシャツの右肩部分にあった繊維の擦れとレインコートの右肩の擦れた位置が完全に一致した。


これで一件落着である。


その後、全員の軽い事情聴取が済み、洋館を出る頃には、辺りは真っ暗になっていた。


「今日は本当にありがとうございました!

月代さん達のお陰で助かりました!

帰りも私がお送りさせていただきます!」


奥田さんが申し出てくれた。


なんか妙に元気だ。


「いえ、そんな...大変でしたね色々...」


私がそう言うと


「いやぁ運命ってあるんですね!

僕の為に怒ってくれた下山さんの姿を見て、雷に撃たれた様な衝撃を受けました!

これからは下山さ...いえ、多恵姐さんについて行きます!!」


奥田さんが目を輝かせながら言った。

うん、なんというかこの人は大丈夫だ。


「じゃあ、先にバスで待ってます!」


奥田さんは元気良く駆け出して行った。


「いやぁ参ったわ。まさかこんな事になるとは...」


今の場面を見てたのか、後ろからやって来た多恵さんが苦笑した。


「まぁ、元気が出たみたいで良かったかな!

それより、今日は本当にありがとね!

華凛ちゃん達に出会えて良かった」


多恵さんが飛びきりの笑顔で言う。


「私が自分の店持てるようになったら、絶対食べに来てよね!

華凛ちゃん!華澄ちゃん!」


「はい!絶対に!」

「はい!」


私とお姉ちゃんが笑顔でそう答えると、多恵さんは手を振って、じぶんの車に乗り込んだ。



「ああ、華凛ちゃん、華澄ちゃん!

まだ行ってなくて良かったぁ」


海藤さんが洋館から小走りで近付いてくる。


「今日は本当にありがとう。

君たちが犯人を見つけてくれてなかったから、多分ずっと心の中がモヤモヤしてたと思うんだ。

君たちは榊くんと僕を救ってくれたんだよ」


「いえ、私達だけでは証拠を集められませんでした。

海藤さんがスイッチを切ってくれていたお陰で、田辺さん達を追い詰める事が出来たんです。

私達の方こそありがとうございました」


「ありがとう...!

...実はね、心のどこかでは、こうなるんじゃないかなって嫌な感じがしてたんだ。

それで、どうしてあの時もっと榊くんと一緒に行動してなかったのかなって、凄く後悔しててね。

だから、そう言ってもらえて、榊くんの敵討ちって訳じゃないけど、彼の為に一矢報いる事が出来たのかなって思えて嬉しかったよ」


海藤さんが微笑む。


「また会おうね。名探偵さんたち」


海藤さんが手を振り、自分の車に向かった。


「そう言えばね、華凛ちゃん」


お姉ちゃんが突然切り出した。


「私、車の鍵を海藤さんに届けた時、海藤さんの手に触れたんだけど...」


やっぱりそうだったのか。


という事は、お姉ちゃんのデータベースに、海藤さんのデータが登録されたはずだ。


「あの洋館を調査した時にね、海藤さんと一致するDNAが無かったの......

というか、海藤さんの名前が表示されなかったって言った方が正しいかな」


「えっ?それってつまり...」


「うん。考えられるのは、海藤新は偽名だったという事だね」


「大学に通ってたり、友達もいるのに?

一体何者なんだろうあの人?」


「うーん、それは分からないけど......

良い人だった...よね」


「うん、確かに」


彼が何者であろうと、あの時自分の友達の為に流した涙に、後悔に、嘘は無かったように感じる。


「そろそろ行こうか、華凛ちゃん?」


「うん」


私達は、奥田さんが運転するマイクロバスに乗った。


通り過ぎる夜の森を見ながら今日の事を振り返る。


多恵さんの料理美味しかったなぁ~


お姉ちゃんの料理もめちゃめちゃ美味しいんだけど、それとはまた違った異次元の美味しさだった。


ああ、早くレストラン開店してくれないかな、多恵さん...


あっ!そういえばあのゲームの続きがプレイしたい。

帰ったらちょっと探してみよう。


そんな事を考えている内に、私達の家の近くまでバスが辿り着いた。


奥田さんが気を利かせて、私達の家まで送ってくれると言ってくれたから、近くまで行ってもらったのだ。


奥田さんは再び私達に感謝していたが、私達も奥田さんにお礼を言ってバスを降りた。



家に帰ってきた。


丸一日も経ってないのに、なんか久し振りの我が家という感じがする。


両親は海外に長期出張のため、家には私とお姉ちゃんしかいない。


「遅くなっちゃったね。なんか頼もうか?」


お姉ちゃんが聞いてくれた。


お腹が大分空いている。


「じゃあ私ピザが良いな!

マルゲリータと、パイナップルが載ってるやつ!」


「分かった!届いたら呼ぶね」


「うん、ありがとう」


私は冷蔵庫から、黒い炭酸飲料のペットボトルを取り出し、自分の部屋に行く。


部屋に着くなり、先ずいつものフード付きの部屋着に着替え、ペットボトルを開け中身を飲む。

喉ごしと甘さが脳に染みる。


「ぷは~~っ!!!うんまい!!!」


叫びつつ私は、ゲーミングpcであのゲームがないか調べてみた......あった。


早速買ってやってみる。


雰囲気を味わうため、アーケードスティックを使う事にした。


筐体でプレイする感じには、ちょっと及ばないけど、間違いなくあの横スクロールアクションゲームだった。


はぁ、面白いけどやっぱ難しいな、このゲーム。


でも、攻略法はしっかり頭に入っていたので、あの時お姉ちゃんに代わってもらった3面まで難なく来た。


嫌らしい敵の配置、ギリギリを狙うジャンプ、狭い足場などなど...


3面って言ったらまだ中盤よね?と思わず確認したくなる程の構成のエグさに、私は一瞬、茫然自失となった。


これをお姉ちゃんはあの短時間でクリアしたの!?

普段ゲームやってないのに凄すぎでしょお姉ちゃん...


とはいえ、BGMが相変わらず良くて、ずっと聞いていられるし、例えゲームオーバーになっても、オプションで幾らでもコンティニュー出来るよう設定出来るため、1面からやり直す必要が無いのが唯一の救いだろうか。


一機失っては進み、失っては進みを繰り返して数々の難所を潜り抜け、3面のボスまでたどり着いた...


...が、そのボスがやたらと強くて、またステージの最初に戻された。


バンッ!


私は思わず台パンした。



~了~

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