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~幼少期~

まだだ!まだ終わらんよ!

生まれ変わるならオウムとかの鳥が良かったとか思ったりもしたが、殺処分される肉牛とか家畜じゃなくて良かったとその点は喜ぶべきだろう。


美味しく頂かれようが何だろうが死ぬのは御免だ。


あと競走馬。


あれも過酷な上に成績悪ければ馬刺し確定という過酷な世界なのだ。


現実(リアル)でマ○バオーの世界は原作のグリム童話並に色々怖かったりする。


(先ずは大きく頑丈に育たねば)


そんな事を思いながら、俺は目の前のセント・バーナードの乳を吸い尽くさん勢いで吸っている。


無論、乳腺を刺激することを忘れない。


これによって、乳の出る量が多くなるのだ。


一番初めに目覚めたので初乳を飲めたのも僥倖と言えよう。


ちなみに初乳とは分娩後数日間出される乳汁で、母犬の持っている免疫力が含まれている乳だ。


仔犬は病原に対し抵抗をほとんど持っていないので、初乳を飲む飲まないで生存率が大きく変わるのだ。


右横には二匹の俺以外の仔犬が並んでいる。


どうやら、今世の俺の兄弟らしい。


それぞれオスとメス。


兄なのか弟なのか、姉なのか妹なのかは分からん。


知りようがないし、別段どうでもいいことである。


ただ、同時期に生まれただけだ。


兄弟は両方共セント・バーナードで、俺もご多分なく同種の犬種だ。


目の前の巨犬は俺の今世の母親ということになる。


のったりとした顔にも現れているように基本的にセント・バーナードは温厚で愛情深い犬種だ。


授乳拒否とかされずに済んで良かった。


(ん?俺は何か大事なことを忘れているような気がする)


腹が乳でチャポチャポになり、満腹になった辺りでそんな事を思う。


腹が満たって幸せな気分なせいかそれが何か思い出せない。


グイ。


母犬の乳から口を離して暫すると、母犬の前足が伸びてきて俺の向きを反転させる。


そして、淀みのない動作で頭を寄せ……


ベロン。


尻を、否肛門を舐められた。


(そうだ!これがあったんだった!!)


何を忘れていたかを思い出した。


仔犬は生まれて間もない頃は自力で排泄出来ないのだ。


故に母犬が肛門や尿道周りをマッサージして排泄を促すのだが……


(AF(ア○ルフ○ック)とか!したことはあるけど、やられたことはないのに!ちょ……やめ……アッー……!!)


そうして俺はある意味尊厳を失ったのだった。


豆知識だが、人が行う場合、肛門を濡らしたガーゼやオリーブオイル塗った指などでマッサージすると良い。


(中に突っ込まれてないからセーフ。中に突っ込まれてないからセーフ。中にt……)


排泄後、尊厳を失いたくない俺は念仏の如く頭の中で繰り返し、気がついたら眠りに落ちていた。


仔犬に生まれ変わっていきなりの洗礼を受けました。

もうお嫁には行けない(笑)

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