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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第三章

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お祝いなど要りませんわ

「お祝いなど要りませんことよ?迷惑ですわ。貴方なのでしょう?神官様を使って嘘の神託を伝えたのは」


目の前で宙に浮いている男に向かって私は言いましたわ。あら?この男、おじさんだったはずでは?


「若返ってます?」


前はグレーヘアーに髭があって見るからにおじさんって感じでしたのに今は綺麗なサラサラの金髪にかなりの美青年なんですけれど?


「あ、これね。こっちが本当の俺。前までは色々と姿変えてた。だからお前と最初に会った時、2回目会った時、3回目と全部違う姿だったけど!?まさかその違いに気が付いてなかったとかないよな?今回はさ、教会にお邪魔するからきちんと正装しないとなって事で本来の俺で来たわけ」


「えっと......。今回の違いしか分かりませんでしたわ。だって後は全て同じおじさんに見えてましたもの」


「えー!マジかよ!微妙に違うおやじ加減で楽しんでたのにお前には伝わってなかったのかよー!」


別に私に伝わらなくともよくないですか?


「ま、俺の見目はどーでもいいや。お前の方こそやっぱりこっちの見目の方が数倍良いね。美しい方が痛ぶりがいがあるというものだねぇ。聖力も元に戻って溢れんばかりだ!この調子でいくと16歳辺りで儀式をしちゃってもOKだ」


「儀式......?」


アレイ様が呟きました。あ、そうでした。私だけでなくアレイ様もミカエル様も一緒でしたわ。


「そう、そう。あの神託ね。嘘じゃなくて俺の計画だ。あの時さー。神子のヤローとお前が並んでるの見たら無性にイライラしたからさ。お前がバルトカピ様になって神子と戦ったら面白いだろうなって閃いたわけ。で、黙ってるのも悪いし神子と大聖女絡みだからちょっとだけ馬鹿神官の口を借りてみた。いいだろう?お前の未来が神託で語られるなんてよ。そういうの人間って好きだろう?」


まるで感謝しろと言わんばかりに笑っていますわ。


「悪いけれど私の未来ではありません。バルにはなりませんわ。ですのでルカさんとも戦いません」


やはり名前覚えられませんの。


「はぁ~?今、お前今、何つーた?バルだと!?バルトカピ様にそんな愛称みたいなのを勝手につけるな!そして何回も言うが様をつけろ!」


「あ〜?愛称なんかじゃないよ!何回聞いても覚えられないんだよ!もっと短い名前にしとけ!」


私、キレましたわ。


「あはは!いいぞ!やはりお前は大聖女だな!歴代の大聖女も口が悪かったぞ~?」


「バルトカピ!?」


アレイ様の顔色が青くなっていますわ。

バルの事を知っているようですね。しかもきちんと名前を言えますのね。素晴らしいですわ!


宙に浮いている男は魔力で剣を作り出し一気に私に斬りかかって来ました。シールドも切り裂かれ私達3人はバラバラに飛びその場を離れましたわ。


私も聖力で剣を作り出し構えます。

男は楽しそうに私にまた斬りかかって来ました。アレイ様とミカエル様が同時に私の前へ出て庇い男と戦いになっていますわ。


「アイラ!」


お父様の声ですわ!

食堂の入り口の方を見るとお父様やお兄様、その他の聖騎士達が立っています。

どうやら男がシールドを張り誰も入ってこれないようにしているみたいです。


その間も男とアレイ様、ミカエル様は死闘を繰り返していました。

アレイ様が右の足を切られ動けなくなりました。私はアレイ様に素早く聖力治療をしようとしましたが男の魔力によって邪魔をされ彼に近づけません。ならばとアレイ様を光のシールドで包み込み男の攻撃を受けないよう保護しました。私自身は近づけませんが聖力は男の魔力を突破できましたわ!


男とミカエル様が向かい合って立っています。じーと男がミカエル様を見てから言いましたわ。


「あはは!まさかとは思ったけど本物のミカエルだったんだな。こんな所まで俺を抹殺しに来たとはご苦労なこった!お前をこの世界に送り出すのにあのオッサン大変な状態になっちまったんじゃねーのか?」


男がニヤニヤしながらミカエル様に話しかけていますわ。あらあらあら?まさかのお知り合いですの!?ちょっと驚きなのですが!!


「お前がこっちの世界を壊そうとしてるのが分かったのにあの方が放っておくと思うのか?いつかは刺客が来ると思ってただろう?」


男とミカエル様は魔力と聖力で戦いながらお話をしていますわ。2人の力が強いので食堂がどんどん破壊されていきますの。男は何だか楽しそうにミカエル様に攻撃しています。

私も聖力で剣を出したので戦いたいのですが2人のレベルが高すぎて少し引き気味なんですの。


これは私が居なくても良いのではないかしら?男のシールド破って食堂から出ちゃいましょうか。

そう思って歩き出した時ですわ。


「あ、こら!お前!逃げるなよ!」


男の声が上から聞こえて来ました。

上を見上げると真上に男が立っていましたわ。あら?いつの間に?


私はその場から少し離れた所に移動して宙に浮きました。隣では男とミカエル様が戦っていますわ。

って事は?


「分身ですの?」


「ああ。そうだ。本来ならお前と戦いに来たんだ。ミカエルに邪魔されたらかなわん。お前の聖力を見極めに来たのだからな」


そうでしたのね。


「ですが、何も教会で見極めなくても......」


「ここでお前の力を皆が見れば直ぐにでも大聖女にしたがると思ってな。お前の事だ。力を小出しにしてあわよくば聖女で終わろうとするだろう?」


バレバレですのね......。

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