聖女様達とご対面ですわ
お部屋の前にはお父様とお兄様、ミカエル様が立っていました。
「終わったのかい?何か変な事はされなかったか?どこか触られた?」
そんな事を口走りながらお兄様が物凄い速さで私に抱きつこうとしてきましたわ。それをお父様は簡単に首根っこを掴んで阻止しました。
やはりお父様は頼りになりますわ。
「......本当にアイラ聖女の事が好きなのですね」
私の隣でユーリン様がドン引きしていますわ。
神官様もですが私のお兄様も気持ち悪くてごめんなさい。ユーリン様はドン引きしながらも私に説明してくれましたわ。
「朝食はアイラ聖女当番の聖騎士様が迎えに来るので食堂まで一緒に来て下さいね。聖騎士団長様、今日する事は終わりましたので後はお願いしても?」
「はい」
お父様がお返事をするとユーリン様は
「では、アイラ聖女、また明日食堂でお会いしましよう」
と言って軽くお辞儀をしてから歩いて行きました。
「先程キャシー先生から聞いたのだがアイラはやはり大聖女様だと決定したようだよ。アザの事も勿論だが他に聖力も申し分無いそうだ」
「そうですか。あ、立ち話もなんですので私のお部屋に.....」
私は3人にどうぞと言ってお部屋の扉を開けましたわ。
「私達聖騎士は聖女様の部屋には入ってはいけないのだよ。緊急の時は別だがね。アイラ聖女が来る前に不審物などないかは全てチェック済みだから安心しなさい」
お父様が説明してくれましたわ。聖女様の事は追々分かるとしてユーリン様からは聖騎士様の事については説明が無かったのでお父様やミカエル様に訊いた方が良さそうですね。
「そうなのですね。分かりましたわ」
少しだけ聖騎士様のお仕事内容を話してくれて3人は持ち場に戻ると言って帰って行きましたわ。
聖騎士様達はその月ごとに持ち場が変わり教会内を巡回したり先程ユーリン様が言っていた朝食時と夕食時に食堂まで聖女様を送る護衛や夜勤、その他細かいお仕事があるそうですわ。
因みに昼食は聖女様達が授業と授業の間なので3人の聖騎士様が聖女様を食堂まで送るそうです。
教会の中ですのにかなり厳重な警備なのに驚きましたわ。
私はお部屋に入り一息つく為に紅茶を淹れました。基本的に食事は食堂で食べますがお部屋にはお茶が飲めるように小さなキッチンがありますの。大丈夫だと思いますが念のため茶っぱや水などに毒や異物が混入されていないかを聖力を使って調べます。
お風呂、トイレも備えてあります。
ここでは自分の事は全て自分でする規則になっていますの。どんなに位の高い令嬢でもですわ。侍女や執事などを連れて来るのは駄目なのです。
紅茶を飲みそのあと入浴してベッドに入りました。どんな聖女様達が居るのでしょうか?柄にもなく少しドキドキしながら眠りに付きました。
次の日の朝、準備が整うと見計らったようなタイミングで扉がノックされましたわ。
「はい」
「おはようございます。本日アイラ聖女様を担当いたします、聖騎士のアレイと申します」
私は扉を開けました。
そこにはお父様ぐらい身長の高い美丈夫が立っていましたわ。宝石のようなキラキラしたエメラルドグリーンの瞳に紅茶色の髪、全体的にカッコ良いオーラが出まくっています。
「おはようございます。初めまして。アイラです。よろしくお願いします」
私はお部屋から出てご挨拶をしましたわ。するとアレイさんは私の耳元で囁きました。
「王太子様から密命を受けています。密かにアイラ聖女様を守らせて頂きます」
私はアレイさんのお顔を見てゆっくり頷きました。そして小さな声でよろしくお願いしますと言いましたわ。
アレイさんに案内されて食堂に行きました。そんなに広くはないですが朝日が入り清潔感があって良い食堂ですわ。そのまま私指定のテーブルへ案内されました。
そのテーブルには既に3人分の朝食が用意されていました。そしてお2人の聖女様も座っていましたわ。そのお2人が椅子から立ち上がり私に挨拶をしてきました。
「初めまして!私エミリー聖女と申します!大聖女様候補のアイラ聖女様とこれからご一緒出来ることが嬉しいです!」
最初に挨拶したのは綺麗な金色の髪にピンクの瞳が可愛いエミリー聖女様でしたわ。
「は、は、初めまして。私はサフィー聖女と申します。よろしくお願いします」
濃い茶色の髪に薄い紫の瞳のサフィー聖女様が控えめに挨拶してくれましたわ。
「初めまして。私、アイラ聖女と申します。お2人より少し年上の13歳ですの。でもここでは私が後輩ですので色々教えて頂きたいです。どうぞよろしくお願いします」
私もそう挨拶をして頭を深々と下げました。
「きゃー!そんな、大聖女様候補が私達に頭など下げないで下さい!」
エミリー聖女様が叫びます。
サフィー聖女様もオロオロしていますわ。
「大聖女様候補は一旦忘れて頂けると嬉しいです。私もお2人と一緒の聖女様として仲良くして欲しいのですわ」
と、私がにっこり微笑むとお2人は勿論食堂に居た全ての人達からため息が聞こえましたわ。
「綺麗......」
「私達とはやはり全然違うわ」
「性格も良いなんて!既に信者になりそうです」
食堂内がザワザワとしてしまいましたわ。初日から注目を浴びてしまいました......。教会に入ったら目立たなく暮らす予定が......。
「と、兎に角、座りましょうか」
私はお2人にそう言って席につきました。
すると神官様とルカさんが奥の廊下から歩いて食堂に入って来ましたわ。あのお2人は聖女様が住んでいる棟とは違う棟にお部屋があるそうですわ。
ルカさんは私を見つけると笑顔で手を振りました。私も小さく手を振ってみましたわ。




