side ルネ・エバンズ
学園に居た私に家族が何者かに襲われたと連絡がきた。直ぐに実家に戻ってみると父上は傷だらけで母上は重症で意識がなくベッドに横たわり悪魔は放心状態だった。
私の愛しのアイラは?
アイラはどうしたのだ!?
「父上、アイラは?」
震える声で訊ねた。
「あぁぁルネか?しばらく会わない間に大きくなったな。もう少しで私の身長と同じくらいになるのだな......」
聖騎士学園から駆けつけた私を見て少し驚き静かに
「アイラは......行方不明だ......」
と、力無く言った。
私は金縛りにあったように体が動かない。
「何があったのですか?」
父上は母上が意識を無くす前に語ってくれた経緯を私に話してくれた。オレットというあの女。
幼い頃何度か見かけた事があった。
母上の友人だと聞いていたが。
そのような過去があったとは。
「アイラは母上達の因縁に巻き込まれて逆恨みされたと?」
「すまない......私達の天使を守れなくて......本当にすまなかった......」
歴代の聖騎士の中でもダントツ強くいつでも凛として輝いていた父上が今にも死にそうな声で呟いた。
父上もかなりの怪我をしている。
アイラ達を助けようと必死だったに違いない。そんな父上を責める事などしたくない。
私は部屋の隅の方で壁に向かって座っている悪魔に叫んだ。
「おい。悪魔。お前は何をしていたのだ?アイラと契約しておきながら助けられないとは何事だ!!!」
放心状態の悪魔は宙を見つめてブツブツ言っている。
「あの男。あの男が作った札さえなければ......。無理矢理契約解除されるなんて。解除。解除。解除。俺のアイラに何をした?何をしたんだぁぁぁ!?あ!?」
私の質問は届いてないらしい。
どうやら悪魔というものは契約した相手以外から契約を解除されると少し頭がおかしくなるようだ。
あの男とは先程の父上の話の中に出てきた3歳のアイラを串刺しにした男のことか?
そいつにまた拉致されたのだろうか?
いや、先程の父上の話だとオレットが何処遠くへ飛ばしたと言っていたな。
「父上、オレットは今何処に?」
「分からない。オレットは行方不明なのだ。私達を襲撃したのもオレットの宗教団体の者達だったが誰も居場所を知らない」
「オレットには娘がいましたよね?その娘なら知っているのでは?」
「シャーロットも行方不明になっている。王城で侍女をしていたのだが私達が襲撃された日から姿を消したようだ」
娘も仲間なのか!?
なんと言う事だ!
アイラへ繋がる手掛かりが一つも無いではないか!
変な男の元に飛ばされていないのか?
何処か奴隷として売られたとか?
あんなに可愛いくて綺麗なのだ。
変態野郎がワサワサと集まってくる。
まだ10歳だからこそ変態が......。
アイラの最初の男は私と決まっているのだ。変態の餌食にはさせん。
まずはオレット本人も探しながら娘も探し同時に謎の男の行方も追わなくてはならない。
アイラ。私の最愛の人よ。待っていてくれ。必ず探し出す。見つけたならばそれからはもうずっと一緒だ。もうこの様な事ならないようアイラの側にずっと居るよ。アイラを外には絶対に出さない。一生屋敷の中で2人きり。誰にも邪魔はさせない。私達だけで幸せになるんだ。




