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日付が回ってからの更新分を早めにアップ。書籍化刊行日決定記念更新です。


 ダークサークルで強化されたゴムボートに乗り込んで、急いでオールを漕ぎ出す。


「トモガラ、スキル使うなよ。沈む」


 ただでさえリバーフロッグの革は丈夫とは言えない。

 セレクの技術によって完璧な縫い目だとは思うが、念には念を入れてである。


「てめーオールじゃなくて、船外機出せや魔導エンジン。あんだろーが小型のが」


「倉庫に戻せんからダメだ」


 スキルマックスボーナスがまだついていない。

 で、あるからして、アポートのようにストレージ指定した場所から引き寄せることはできても。

 逆に倉庫に戻すことは不可能。


「ケチってんじゃねーよ、事態は一刻を争うんじゃねーのか?」


「うーんたしかにそうだが、お金くれ」


 上からは洞窟ムカデたちが穴の壁をざわざわと未だに走って来ていた。

 大行進の音は未だ響き渡るのでもう億劫になる。

 しつこいよな。


 さらに下からはゴポゴポゴポと気泡の音がする。

 誰も潜っていないのに。

 何かが水中奥深くでうごめいていた。


 何もいないただの地底湖ってことはないだろう。

 絶対に強大な敵がいるはずだ。

 できることなら俺だってエンジン出したい。

 ファンタジー版船外機、小型魔導エンジンを使えば手っ取り早いだろう。


 だが、町の修繕費もろもろ。

 色々とお金がかかるというか……。


 ニシトモとトンスキオーネあたりに資産投げて転がさせてるから、もうちょっと実入りの良い狩りをしなければショートする可能性がなきにしもあらず。


 いや、ニシトモの話だと、それは無いと言ってるんだがね?


「しゃーねーみんなでカンパすっぞ」


 よっしゃ、なら請求はニシトモに出させておこう。

 魔導小型エンジン。

 ゴムボートが船外機と化す。


 ──ゴボッボッ! ボッボッボッボ!

 前方から水を吸って、後方に吐き出すことで推進力を得る。

 エネルギー源は魔石もしくは漁師スキルにある操船を持ったプレイヤーの魔力。

 今回は魔石を利用する。


「魔石はサービスだ」


「ったりめぇだよこんちくしょうが」


 何言ってんだ、ガソリン代バカにならないんだぞ。

 ツクヨイに渡しながらもコソコソ集めといた魔石を大解放スペシャル。




生産スキルツリー▽

【操船】Lv7

【漁具】Lv14

【潜水】Lv10

【採取】Lv12

【工作】Lv13

【木工】Lv1

【石工】Lv1

【解体】Lv27

【鑑定】Lv20




 あまり育っていない生産スキルツリー。

 そう言えば漁師ってもうないんだったな。

 操船レベルがすごく低い。

 故にあまり精密なコントロールができない可能性が出た。


「すまん、俺の操船スキルちょっと低すぎるからぶつかったら各自なんとかしてくれ」


「えええ、ってかローレントさんそもそも見えてないでしょう? 私がナビしますから! ──二秒後右です!」


「助かる」


 ボートの後ろで船外機を操作する俺の膝に座ってツクヨイが指示を出してくれる。

 ってか、なんか洞窟に入ってから距離が近くないかこの娘。


 トモガラは船首にてスキルを用い。

 スピードの出し過ぎによってゴムボートの船首がウイリーしないようにしてくれている。

 モナカは「船楽しいですね!」って言いながら船横から水に手を突っ込んで遊んでいた。


「モナカ」


「はいなんでしょう?」


「手、食われても知らないぞ?」


 意外と魚って手とか突っ込むと食らいついて来る。

 特に餌をあまり与えられていないマハタとか。

 人が近づくと餌を期待して水面へと浮上して来る。

 懐かしきフィッシャーガーのようにな。

 そして、指でも入れてみろ。

 ちぎれはしないがへし折られる。


「ぴっ!?」


 バシャと水音がした。

 同時にモナカの驚く声。


「あーあ」


「も、モナカさんの手が食われた!?」


「いや、ついてますよ……☆」


 そうか、ついてたかよかったな。

 とりあえず変なもんおびき寄せて来やがって、どうすんだ。


「キシャアアアア!」


「お、おい! 変な音が上から聞こえっけどこれまさか──」


「ふぇ?」


 トモガラの声に反応して、俺の肩をさりげなく抱いたツクヨイが上を見た。

 ケイブセンチピード・ジュニアを引き連れて、さらに巨大化して人の大きさとなったケイブセンチピードが姿を現していた。


「──ぴぎゃああああああああ!!!!!」


「ええいうっとおしい!!」


 顔に胸を押し付けられていたら船外機の操作もおぼつかない。

 っていうか、前を見ろ前を。

 先導するって言った奴が前を見ずに、操船手の顔を覆ってどうすんだ。


「おい! ツクヨイやっぱりいんのか!? いるんだなデケェのが! どの位置を鑑定すりゃいい! 音がうるさすぎてもうワカンねぇぜ!」


「みなさん! それより私の手を食べようとした何かが下にいるのを忘れていませんか! 上ばっかり注目していては下のやつが……」


 ──パンッ!


 衝突の衝撃。

 そして何かがはじける音の後、浮遊感が押し寄せた。


 ああ、ケツの感覚が消えた。

 ツクヨイの胸の感覚は顔面ゼロ距離だが、尻の下にあったものが弾けて消えた。


 そう、上からムカデが降って来たとか。

 下から魚に突かれたとか。

 敵に攻撃を受けたわけではない。


 単純に洞窟の鋭い岩にゴムボートをぶつけてしまった可能性が、微粒子レベルで存在する。

 いや、微粒子どころじゃないなあ。





あれ、最近、ツクヨイ。

積極的ですね? むむむ。



※※※重要資料※※※

レイラ、D

サイゼ、B

セレク、C

ミアン、C

ツクヨイ、A

十六夜、D

アルジャーノ、AA

アンジェリック、F

ブリアン、DD(アメリカ表記)

※※※※※※※※※※


誤字脱字、ボロッカスに言われてるので頑張って見直しますね。

1話〜の分はご指摘感想になんとか対応してたんですけど。

対応間に合わず、そして感想が流れてしまった場合、全くできてないです。

ここもいつかなんとかします。いつか。




あとがき小話(飛ばしてオッケー!)

気分転換に料理大会にいって白身魚のパイ包み作りました。

超絶美味。

気になる方はツイッターに画像あげてます。

パイを食べたので、パイの重要資料っていうギャグでした。

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