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書籍化刊行決定記念更新特別期間回(
「座礁した。あとは各自頑張れ」
「んなっ、──座礁どころじゃねぇよ!」
「空気、入れすぎてましたかね? こんなに破裂します? 普通」
再び入水するトモガラとモナカに座礁を告げると。
二人は各々そんなことを言いながら水中にザブン。
「──わっきゃあああああ!!!!」
ツクヨイはそのまま俺に胸擦り付けながら一緒にダイブ。
もちろんローヴォもだ。
ボトボトと落ちて来るケイブセンチピード・ジュニア。
だがケイブセンチピード自体は洞窟側面を走りながら着水を尻込みしている。
【ケイブセンチピード】Lv18
洞窟に潜むムカデの魔物。クラス3。
レベルとともに大きくなる。
ジュニア・ベビーを従える。
レベルもクラス3にしてはそこそこ高めだと思うのだがなぜ降りてこないのだろうか?
なるほど、泳げないのか。
尻込みしている様子を見て、そう思った。
──魚の魔物が天敵とか?
「ゴパアアアアアア!!!!」
そう思った時、ちょうど真横から巨大な牙を持ったデカイ魚が飛び上がった。
水に落ちたケイブセンチピード・ジュニアをまとめて口に入れている。
……こ、この魚影。
バンパイア・フィッシュじゃないか?
南米のガイアナ共和国あたりにあるコロナの滝の下流。
確かそこで釣れたって情報があったはずだ。
いやもう本当にこのゲームは巨大魚好きだなあ。
バンパイア・フィッシュはその長く鋭い牙が特徴的で。
ピアイアなどの魚を牙で突き刺して食べる淡水魚。
大きさはアリゲーターガーと同じくらいだったはずだが。
「ゴパアアアアアアア──!!」
やっぱりサイズが何倍にも増して大きくなってる。
これ、噛み付かれたら死ぬだろ。
【ケイブスタブ】Lv10
巨大な牙を持った洞窟の淡水魚。クラス4。
鋭い牙で相手を噛み殺す。
わずかな音、血の匂いに反応する。
クラス4。
そして、レベル10。
ローヴォのレベルはなんだと思う?
契約モンスター▽
【ローヴォ】バッドラックウルフ:Lv9
特殊能力:悪運の瞳
装備:合わせ翅と翡翠の首輪
バッドラックウルフは希少だが、まだレベル9だ。
魔人の後、この雪山でもちょこちょこレベルを上げたんだが。
まさかそれを上回るレベルだとは……。
これは色々と考えなければならんな。
「ロ、ロロロロ──!!」
「なんだ? ちょっと落ち着いてくれ」
まともに名前すら言えんようになっとるのか?
「ローレントさん! ざ、ざかなあ!! ざがながあああ!!!」
「あーもう、知ってるから。知ってるから落ち着けって」
とりあえずツクヨイが離れないように腰を持って引き寄せとく。
ローヴォはどこだ?
うむ、潜水してこっちに来てるな。
でも狼は人と違って泳ぎが上手いタイプではないから前足を掴んで俺の背中に回す。
「よし、捕まっとけ。援護は瞳で十分だ」
「わあう」
俺の言葉を理解したローヴォはしっかりと背中にしがみついていた。
トモガラとモナカには手を焼いてる暇がない。
「ツクヨイもしっかり捕まっとけ」
「はあい」
左半身にひしっ。と抱きつくツクヨイ。
足絡めんな動きづらい。
ちなみにこれが今の俺のレベルだ。
プレイヤーネーム:ローレント
レベル:59
信用度:140
職業欄▽
[中級魔術師(無)]
[漁師]
[契約魔法師]
残存SP:12
ボーナスパラメーター▽
効果値:30
消費値:10
速度値:0
詠唱値:50
熟練値:30
見識値:30
スキルツリー▽
【スラッシュ】Lv10
【スティング】Lv10
【マジックブースト】Lv8
【魔闘】Lv49
【エナジーブラスト】Lv8
【マジックエッジ】Lv6
【マナバースト】Lv8
【スペル・インパクト(P)】Lv45
【ナート・エクステンション】Lv35
【ナート・イクイップメント】Lv35
【アポート】LvMAX
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【アスポート】Lv49
【契約魔法】Lv5
・空き契約数0
・[ローヴォ:バッドラックウルフ]
・[ノーチェ:ナイトメア]
・[ルビー:クリムゾンコニー]
・[コーサー:ボス]
・[トンスキオーネ:アンダーボス]
【投擲】Lv30
【掴み】Lv30
ノーチェがテイムクリスタルに入り、食いつぶされていた経験値にやや空きができて少しレベルが上がっている。
スキルの使った分の経験値がなかなか上手いこと上がってくれないのが難儀なもんだ。
ちなみにトモガラ、モナカは70でした。
……夢の三次転職してるんだよなあ、あいつら。
俺の方がマフィアとか、プレイヤーキラーとかと戦ってるのに。
何故なんだ、なんでなんだ。
まあ詳しくはまた今度だ。
とりあえずケイブスタブは水面に浮かぶムカデたちをあらかた食い終わると、ついに俺に目を向けた。
何故俺?
二人と一匹で固まってるからか?
「はわわ! 来ますってローレントさんっ!」
「エナジーブラスト!」
水中ではやはり魚に地の利がある。
エナジーブラストの直線的照射を大きく躱していた。
「目が見えてないのによく狙えますね」
「……気配だな」
危ない危ない、体裁はあくまで目が見えてないってやつだな。
「ひええ、水中でもとんでもないですね」
「視線とか、女なら感じるときあるだろ?」
「はい」
「それを突き詰めれば同じことができる」
ちなみにコミュ障の十六夜は目が良く、相手をチラ見することに長けているので、同じようにチラ見されたり気配を感じ取ることに長けている。
「十六夜さん……」
俺の話を聞いていたツクヨイがそんな十六夜の地味な残念ハイスペック話を聞いて顔を歪めていた。
「ゴパアアアアア!」
「くっ! マナバースト!」
相手の攻撃を絶対弾くマンを使用する。
ローヴォの不幸補正によってマナバーストの弾き効果が当たらない可能性が落ちている。
相対的に俺のは当たる。
そういう寸法だ。
「ゴパッ!?」
「死ね」
片手が塞がっていても問題ない。
得物を持つこと自体はアポートを使ってできる。
転移抜刀を使用した俺は悪鬼ノ刀を怯んだケイブスタブの腹に突き込む。
「ゴパッ!」
「チッ」
腹ビレを少し傷つけるだけか。
手応えなし。
未だケイブスタブはピンピンしている。
HPは?
うーん、急所を狙った物理攻撃じゃないと減りづらいかな。
できるならエラをむしり取りたい。
そして魚の肛門に槍突っ込んで内臓を傷つける。
よし、その戦法でいこう。
「……ローレントさんって、戦ってるときの目つきがすごく怖いですよね。いつもの五倍です」
「……サポートしろよ……」
何冷静に俺の顔見てんだよ。
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