第328話 飛翔スキルランク3
主人公は、ゲームで何時もクリアしていたクエストの報告に行きました。
目の前で嗚咽する老婆。
ゲームとは違ったのでしょう。
「帰って来てくれた」
そう言って骨壺を抱きしめ、しばらく依頼主の嗚咽が続く。
しばらく黙って待っていると落ち着いたのか、依頼主は「ちょっと待っていて」と家の奥に行き小さな宝箱を持ってくる。
「旦那があの崖で見つけた宝箱だけど、身内に罠解除スキルを持つ者が出たら開けようって言って、そのままになっていた物なんだ。
子供にも孫にも斥候系の才能持ちは居なかったから、これを報酬として渡すよ」
「良いんですか。当たりが出たら10億GAZU以上のモノが入っている事もあるらしいですけど」
「いや。あんな所に湧く宝箱にそれ程良い物は入っていないだろうって話をしていたんだ。
それでも、他人に開けるのを頼むのも怖くてね」
「俺がここで開けて、貴方に返したり、適当な値段で買う事も出来ますが」
「いや。もういい。ここでは開けずに持って行っておくれ」
「はい。では、埋葬を御願いしますね」
「頼まれるまでも無い。あんたは、泣かすんじゃないよ」
「そのつもりで頑張っています」
「ああ。だけど……。いや。いい。悔いを残さないようにね」
そう言って依頼主は、マドリーン達4人を優しい目で見てから俺達を送り出してくれた。
依頼の達成報告の為、依頼を受けたガラル市へと走っている俺達。
皆は、今回のクエストで14年間も旦那さんを待っていた奥さんを見て微妙な感じなのかな。
そう思っていると、皆を代表した感じでマドリーンが聞いて来る。
「ヨシマサちゃんは、お告げで知っていたんだよね。今回のクエストの内容」
「ああ」
「……、あんな感じのクエストがイッパイあるの?」と、マドリーンは少し険しい顔で聞いて来る。
「あるよ」
「それを一つ一つクリアしていくんだ」と、マドリーンは落ち込んだ感じで聞いて来るが。。
「いや。スキル追加の宝玉を得る効率なら隠されたダンジョンで宝箱を回収する方が良いでしょ。
今回は、飛翔スキルの宝玉が欲しかったから、あの人の依頼を受けた訳だけど」
ゲームだと、自分が生まれた国以外の始まりのダンジョンには入れなかったから、各種スキルを強化する為には、大陸中及び世界中のこう言ったクエストをクリアし、自分や仲間を強化したんだけどね。
今回確認したんだけど、ゲームではあったクエストクリアによる経験値取得とかも無いし。
そんな風にゲームを思い出していると「そっか。他にもあるの?」とマドリーンが確認して来た。
「あるけど、火魔法とか鑑定とか格納箱と言った手に入り易い宝玉が殆どだから」
俺がそう言うと「世間一般では手に入り易くはないんだけどね。そっか。宝箱を空けて飛翔スキルを取得しないの?」と、納得した後催促する感じでマドリーンが言って来る。
「そうだね。移動途中だけど、監視の目も感じないし、ここでやっておくか」
そう言ってバッグから宝箱を出し、罠解除スキルで罠と鍵を解除して宝箱を開けると、中から宝玉が出て来る。
鑑定をしてみると、ゲームと同じ飛翔スキルの宝玉だ。
皆に「使うね」と断りを入れてから使用し、飛翔スキルをランク2から3にする。
そして、飛翔スキルを使い、地表近くを飛び回ってみる。
うん。
慣性の法則で、どうしても思い通りに飛べなかったのが、急発進急ブレーキも可能になり、スピードも100キロ程度は出せるようになり、消費MPも減って、やっと実用的な空を飛ぶためのスキルとなったか。
「す、すごいですね」とクラリッサがスキルの力に驚いている。
俺は地表近くに浮いている状態を止め地面に降りて「ランク3にしないと、この力にならないんだけどね。これで空を飛んで移動も出来る様になったけど、そうすると消費MPが心配か。地上を走っても同程度のスピードで移動できるしね」
「そうですか。でも、大河とかも飛翔で渡れそうですけど」とクラリッサは言って来るが。
「あ~。空で空飛ぶ魔物に襲われることも考えると、MPの回復手段は必要そうだけどね」と俺が懸念事項を指摘する。
「そう言えば、魔飛行船が飛ぶのも決まったルートで、それ以外だと強力な空飛ぶ魔物が居るんでしたね。
なかなか自由に空を飛ぶって出来ないのか」と言ってクラリッサが考え込む。
「まあ、それでも移動や回避の手段が増えたのは助かるけどね。
これなら空中戦も出来そうだけど……、ああ、空中での戦闘について飛翔スキルからの支援は有るのね」
そんな確認をしてから、依頼を受けたガラル市へと到着した。
主人公は、王女救出イベントに必要そうな力を一つ手に入れました。




