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ルミナスフィールドでの戦闘-1

こんにちは。関俊彦です。


今回から、征人と「争いの使徒 カオス・プロセッサー」との本格的な戦いが始まります。

そして新たに登場するのが、ガーディアン会社「CROSS社」の三人のルミナス・マニフェスターズです。

これまで登場してきたSMB社やNEXT社とはまた違う戦い方をする戦士たちですが、彼らもまた武具亜との戦いを生き抜いてきた実力者です。

また、前回までの物語で神子を失い、制人も消え、征人は精神的にも追い詰められていました。

そんな彼を支える存在として、神子が残したAI「M1」も少しずつ活躍し始めます。

今回のテーマは「圧倒的な力との遭遇」。

征人たちは、災厄の使徒がどれほど危険な存在なのかを改めて知ることになります。

それでは、第8話「ルミナスフィールドでの戦闘-1」をお楽しみください。

「何をしているんだ! ルール違反は分かっているな!」

藍色の戦士――蒼牙ヴァリアントが征人の胸倉を掴む。

「悪い。だが、あいつが襲ってきたんだ。この空間に引きずり込むしかなかった」

「何を言っている。どこにそんな奴がいるんだ」

金茶色の戦士――雷爆インパクターが征人を押し返す。

「重大な規約違反です。協会への報告は避けられません」

黒柿色の戦士――黒峡バスティオンが冷静に告げる。

その時だった。

『征人さん。二時方向から高エネルギー反応です』

M1の声が頭に響く。

「気をつけろ! 二時方向から来る!」

反射的に黒峡バスティオンが盾を地面へ突き立てる。

「黒城鉄壁フォートレスドミネイト!」

城壁のような黒い防御障壁が展開された直後。

ドォォォォォン!!

巨大な砲撃が直撃した。

障壁全体が震える。

「なっ!?」

「これを防ぐか」

丘の上から声が響く。

そこに立っていたのは全身武装の怪人。

そして、その横には青いルミナスギアを纏う男。

「黄瀬……?」

蒼牙ヴァリアントが息を呑む。

カオス・プロセッサーは芝居がかった仕草で一礼した。

「私は争いの使徒、カオス・プロセッサー。この世界を消去するために来た」

巨大な武装の群れが身体からせり出す。

「悲しみの使徒グリーフ・ミラーを倒した閃光ナイト。まずはお前を消去する」

「争いの使徒?」

「世界を消去?」

理解が追いつかない三人。

すると青い黄瀬が嘲笑した。

「本当に脳筋ですね。説明されても理解できないんですか」

その姿が消える。

蒼い雷光。

「ぐっ!」

雷爆インパクターがハンマーで受け止める。

黄瀬のダガーが火花を散らした。

「黄瀬! 何があった!」

「私は生まれ変わった」

青い瞳が歪む。

「人類を消去する快感を知った」

「ふざけるな!」

雷爆インパクターが怒鳴る。

「お前はそんな奴じゃなかった!」

「そう思っていたのは人間だけです」

黄瀬が笑う。

「今の私は堕天戦士・青閃ブリッツです」

一方。

征人はカオス・プロセッサーと対峙していた。

「お前は何者なんだ」

「俺か?」

カオスは楽しそうに笑う。

「争いそのものだ」

右腕が変形する。

バルカン砲。

「怒り」

ダダダダダダダ!!

無数の弾丸。

征人は剣で弾く。

肩が変形。

ミサイルランチャー。

「憎しみ」

爆炎がフィールドを覆う。

背中が開く。

巨大砲門。

「闘争」

轟音。

大地が抉れる。

「人間は争いを捨てられない」

カオスが嗤う。

「だから俺は生まれた」

『征人さん。右四十五度下。そこが死角です』

「それまでどうする!」

『根性で避けてください』

「相変わらず無茶を言う!」

征人が飛ぶ。

レールガンが空気を裂く。

バズーカが爆発する。

バルカンが追尾する。

その全てを紙一重で回避。

そして。

爆煙を利用して突撃。

「白煌終断ディバインブレイカー!」

白い閃光。

カオスの肩を深く斬り裂く。

ズバァァッ!!

初めて。

カオスの身体が裂けた。

「やった!」

征人が叫ぶ。

しかし。

切断面からノイズが溢れ出し。

瞬く間に再生した。

「面白いな」

カオスが笑う。

「確かに当たった」

「だが、足りない」

征人の顔が曇る。

『分析完了』

M1が告げる。

『敵は武装そのものです』

『武器を破壊しても本体が再構築します』

「つまり倒せないってことか」

『現状では』

その時。

黄瀬側で状況が動いた。

「二人とも!」

蒼牙ヴァリアントが叫ぶ。

「今だ!」

蒼星槍アストラスピアが回転する。

「蒼星絶断アストラルブレイク!」

巨大な蒼い斬撃。

同時に。

「雷轟殲滅ギガインパクト!」

地面が爆裂。

黄瀬の足元が吹き飛ぶ。

さらに。

「黒城鉄壁フォートレスドミネイト!」

防御壁が閉じる。

黄瀬を閉じ込めた。

「やった!」

三人の連携。

しかし。

閉じ込められた防御壁が震える。

一筋。

二筋。

三筋。

蒼い斬撃が走る。

「まさか!」

防御壁が切り刻まれる。

黄瀬が現れた。

全身を蒼雷が包む。

「遅い」

姿が消える。

三人の背後。

「黄閃瞬撃ブリッツインパクト」

閃光。

そして爆発。

三人が吹き飛ばされる。

それでも。

蒼牙ヴァリアントが立ち上がる。

「まだだ!」

雷爆インパクターも。

黒峡バスティオンも。

立ち上がる。

征人は驚いた。

彼らは弱くない。

むしろ強い。

だが。

相手が異常なのだ。

「気に入った」 カオスが笑う。

「なら終わらせてやる」

全身の武装が一斉展開。 レールガン。 ミサイル。 バルカン。 バズーカ。 無数の砲門。

「争いは最高だ!」

全砲門が火を吹く。

蒼牙ヴァリアント達を守るため。 征人は飛び出した。

「やめろ!」

しかし。 遅かった。

轟音。 閃光。 爆炎。 空間ごと削り取る暴力。

そして。  静寂。

煙の向こう。 地面には、倒れ伏すCROSS社の三人。

装甲が、紫黒のノイズに侵食されている。 輪郭が溶けていく。

「……あ……」 蒼牙ヴァリアントが手を伸ばす。 その手から、粒子となって消えていく。

皮膚も。 骨も。 データの塵へ。 絶叫すら残さない。

三人の存在が、フィールドから完全に消去された。

「なっ……!」 征人の拳が震える。

「お前……!」

「これで邪魔者はいなくなった」

カオス・プロセッサーは両腰のバスター砲を収納する。

その顔は心底楽しそうだった。

「さて、青閃ブリッツ」 カオスが黄瀬を振り返る。

「トレイター・コードからの命令だ。お前は一度引け」

「了解いたしました」 蒼い黄瀬が静かに頷く。

征人を見ることすらしない。

その足元に、紫黒の渦が生まれる。 転送門。 ゲート。

「黄瀬! 待て!」

征人の声は届かない。

黄瀬の身体が、無機質にノイズの中へ沈んでいく。

完全に。 跡形もなく。

仲間だった男は、裏切りの闇へと消えた。

「さあ、閃光ナイト」

巨大な武装が、一斉に征人へ向く。

「第二ラウンドだ」

征人は剣を構える。

M1の声が静かに響く。

『征人さん』

『ここからが本番です』

仲間を失った、荒れ果てたフィールド。

二人の殺気が、激しくぶつかり合った。

第8話を読んでいただき、ありがとうございました。

今回はCROSS社の三人、

・蒼牙ヴァリアント

・雷爆インパクター

・黒峡バスティオン

が初登場しました。

作者としては、彼らは決して弱い戦士ではありません。

むしろ一般的なルミナス・マニフェスターズの中ではかなり上位に入る実力者です。

しかし、それでも災厄の使徒や堕天戦士となった青閃ブリッツの前では圧倒されてしまいました。

この回で描きたかったのは、

「人類側の戦士が弱いのではない」

「敵が異常なほど強い」

ということです。

また、カオス・プロセッサーは単なる武装怪人ではなく、「争い」そのものを体現した存在として描いています。

怒り、憎しみ、闘争。

人が抱く負の感情を力へ変える存在です。

そんな相手に対し、征人はどう戦うのか。

そしてM1はどこまで征人を支えられるのか。

次回はいよいよカオス・プロセッサーとの本格的な一騎打ちへ突入します。

新技や征人自身の変化にも注目していただけると嬉しいです。

63歳の会社員が仕事の合間に少しずつ書いている物語ですが、感想やコメントをいただけると本当に励みになります。

本作は基本的に毎週日曜日更新を予定しております。

次回も、征人たちの戦いを見届けていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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