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第七章(11) アリーナの行きそうな心当たり By ハロルド・レイルズ
「・・・・なあ」
俺は手紙を呼んで泣きそうにしている女中に声をかけたが、思っているよりも低い声が自分から発せられていて、驚いた。
「アリーナの行きそうな場所に心当たりは?」
「え・・・・」
「探しに行く。どこか、心当たりはないのかっ?!」
「え、えっと・・・・」
俺は何をしているのだろう?
この女中も今回のことに驚き、悲しんでいる人なのに。もう少し冷静に、人に話す余裕が、自分にはなかったなんて。それどころか、これでは怒鳴っているようではないか。
「か、カフェです!」
「カフェか」
カフェといえば、この間まで働いていたあのカフェだろう。だが、何故アリーナがいるのがそこだと絞り切ることができる?
「アリーナ様が個人的に面識のある人はそこにしかおられないかと・・・・」
「連絡はつくか?」
「さ、さあ・・・・連絡は入れたことがないので」
今現在、どこか遠くに連絡できる手段があったとしても、お店にあるとは限らないし、それをお店の外部に知らせているかもわからない。
「わかった。すぐに行くぞ!早く支度しろ!」
女中にそう指示を出し、俺は一人先に屋敷を出た。
アリーナ、今までごめん。
話がしたい。
俺はそう、心の中で呟いた。




