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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の冬

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ももかのゲーム配信

 土日の夜、ゲーム配信の視聴者が集まりやすい日。私、廻谷めぐりやめぐる扮するVTuber『うつくしまももか』は土日を中心に30分前後の生配信を行っている。それ以外の日は雑談を15分くらい。


 土曜19時、近所の牛丼チェーンで牛丼大盛ネギ玉、チーズトッピング、あさり汁を食べ、エネルギーチャージをしたらすぐに帰ってゲーム配信の始まりはじまり〜。



 ◇◇◇



「はーい皆さんおはこんにちばんはー! うつくしまももかでーす。きょうはパチモン臭いと話題のゲーム『禿げ散れ どうぶつにもり』をプレイしようと思いまーす。尺はだいたい30分、どこまで進められるかな?」


 小さな蒸気機関車に引かれる小さな1両の木造客車。昭和か大正レトロなボックス席。乗客は自分だけ。ゲームはそこから始まる。


 ギギギギギギーッ!!


「おいおい、開始早々電車止まったぞ」


・動物語の音声と字幕『線路にいつもの酔っ払いタヌキが寝てるから急停車したぜ! 悪かったな!』


「車掌か機関士か知らないけど放送が入りました。それにしても随分と荒っぽい口調ですねぇ。いやはやどんなゲームなのか。ここでこの『禿げ散れ! どうぶつに盛』のパッケージに記されているゲームの概要を読み上げますね。


 木造の小さな商店を経営するタヌキオヤジが土下座や値引きなど、とにかく村民に媚びまくる商売をし、功を奏してコンビニやスーパーマーケットを経てデパートへと発展してゆくが、日々のストレスで毛髪が抜けまくっていた。カツラや植毛は試したが、やはり地毛が良いと、海藻を摂取したりバカンスを満喫したりしながら再生への道を歩んでゆく壮大なストーリー。


 ということです。


 あれ? これ日常ものちゃうん? 毛を生やすための壮大な物語なのかな。まあプレイしていけばそのうちわかるよね。線路に酔っ払いタヌキが寝てる時点で不穏な予感しかしないけど、続きをやってみましょう。


 鉄道トラブルはあったものの無事、村に到着。役場で住民登録。ここでアバター形成やプレイヤーネームを設定するんですね。『ももか』にしましょう。それにしても受付係の犬のお姉さん可愛いですねぇ、犬相手にヨダレが出ちゃうハァハァハァ……。おっと、銀行口座の開設も忘れずに」


 役場の外に出て深呼吸。


・ももか『ん? なんだか臭い。朝の不忍池しのばずのいけ付近みたいな臭いがする』


「朝の不忍池付近ってなんやねん。上野の大きい池だよね」


・タヌキオヤジ『タスケテ……タスケテ……アッ、タチサラナイデ……』


「スルーしたら呼び止められましたね。この倒れたタヌキに構わないとゲームが進まないみたい」


 タヌキオヤジのそばには木造のボロい商店が建っている。ここに引きずり込めばいいのかな。ということで引きずり込んでみた。


・タヌキオヤジ『ありがとう、だポン。お礼に家を、安く貸してあげるんだポン』


 第1章『商店が潰れかけて円形脱毛! 月極つきぎめ20万ペイでタヌキを救え!』


 毛を生やすための壮大な物語が、いよいよ始まる___。


「たっか! ちっとも安くねぇじゃねえかクソが! よほど豪邸なんだろうな?」

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