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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の冬

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初日の出は遅れてやってくる

「巡ちゃんあけおめことよろー!」


「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」


 東西を岩場で隔てた半島状の浜辺に着くと、既に沙希ちゃん、つぐみちゃん、まどかちゃん、武道くん、自由電子くんは集まっていた。私がラスト。6時50分、みんなで年始の挨拶をして日の出を待つ。


「いや曇っとるやん……」


 波打ち際は人でぎっしり。しかし東の空には雲がかかっていて、とても日の出を見られそうにない。あきらめて帰ってゆく人もちらほら。


「まあまあ、最高の瞬間は待つ人だけに訪れる」


「何を某高級アイスクリームのCMみたいなことを」


「古いネタなのによく覚えてるね」


「沙希ちゃんもね」


「だけど、どのくらい経てば出るんだろうな」


 腕を組み、雲を見つめる武道くん。時刻は6時53分。日の出時刻は過ぎている。


 しかし、あきらめずに居残っている人は存外に多い。風が弱く寒さを感じにくいのもあるかもしれない。


 退屈なので岩場を越えて、西側から富士山を撮影。朝焼けに染まっている。ということは、上のほうでは陽光が露出している。


「気付いたね巡ちゃん」


 沙希ちゃんがなぜかムフフとしている。この人大概意味わからんからそこはスルーしておく。


「気付いちゃった」


「勘のいい子は嫌われるよ」


 つぐみちゃんがにこにこと、わかる人にはわかるネタを振ってきた。


 雲の高さから推測してそろそろ日が出そうなので東側の浜に戻ると、


「わー! 出た出たー! すごいキラキラしてる!」


 雲間からあふれる温かくてまぶしい光が遠い水平線の先から私たちの立つ波打ち際まで一直線に貫き、ざぶん、ざぶんと寄せては返す波は、引き際に光の粒となって海へと溶けてゆく。


「待ってて良かったじゃん」


 微笑むまどかちゃん。この「じゃん」は標準語だと「ね」の方言なんだと思う。


「うん、まあ、こういう初日の出も、あり、かな」


 初日の出を見終えたら、なぜか私の家に集まってコンビニで買ったおにぎりやサンドイッチ、カフェマシンで淹れるタイプのホットミルクやコーヒーを飲みながらニューイヤー駅伝の鑑賞会が始まった。


 何もかもが新鮮なお正月だった。

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