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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の秋

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レンガのお店、青春の1ページ

「フン」


「居場所をつくってくれた神に感謝」


「うちのところに来てくれたみんな、ありがとう」


 景品ゲットならず不服そうなまどかちゃん、居場所ができて神に感謝するつぐピヨ、ゲットした景品たちに感謝する巡ちゃん。景品獲得率はオタク度に比例していて、順当な成果な気がしている私。


 クレーンゲームのプレイ回数はほどほどにしておいたほうが良いと頭では理解していながらも、まどかちゃんと巡ちゃんはガッツリ遊んで散財。巡ちゃんは景品たくさんゲットできて良かったね。


 負けず嫌いのまどかちゃんは帰ったらクレーンゲームのテクニック動画を見るなどするだろう。


 ふと隣の店舗に視線が行った。なんとなく覗いてみる流れになった。


「ここは靴屋さん?」


 巡ちゃんがプレイしていた筐体付近の出入口から入ると、棚にはスニーカーや運動靴がずらり並んでいた。


「あっちにはゴルフクラブがある」


 店内左奥を覗いたまどかちゃんが言った。そちらへ向かうとゴルフバッグやクラブがずらり。更に奥には電動ドリル。


「リサイクルショップだね」


 つぐピヨが少し年季の入った電動ドリルをまじまじと見上げながら言った。電動ドリルはネジの着脱、ブラシを装着すれば汚れ落としにもなる。使い方次第では泡だて器にもなるらしいけど中古品ではやめたほうが良さそう。


「あれ? 巡ちゃんどこ行った?」


 いつの間にか姿を消した巡ちゃん。こういうときは大体興味のあるものに惹き込まれている。


 店内を見て回ると、巡ちゃんはすぐに見つかった。


「ぅおっ、ほーっ……」


 感嘆を嗚咽に変換する巡ちゃんの前後の棚には、たくさんのフィギュア。美少女フィギュアと少年漫画のキャラクターとで棚が分かれている。


 美少女キャラクターを舐め回すように見回す巡ちゃんの隣ではサッポロ軒の店主が少年漫画のキャラクターが入った箱を手に取っては戻している。彼は『薬屋のひとりごと』のフィギュアの箱を左腕で抱えているけれど、これはゲーセンの景品。


 リサイクルショップでは巡ちゃんが少年漫画のフィギュアを2点購入。いずれも同じ美少女キャラクター。


 このフロア、サブカル好きは大喜びだね。


「ねえねえ、最後にプリ撮ろうよ!」


 ……。


 なぜかみな沈黙。


「え、なに、シカト?」


「プリ、撮ったことない」


 ふむふむ。そういえば猪苗代いなわしろではプリ機見なかったな。本質は別のところにあるというツッコミはしない。


「プリ? なにそれ美味しいの? ブリのほうが美味しくない?」


「ブリックスでブリを買って帰ろう」


 心底イヤそうにボケをかますまどかちゃんと、駄洒落に走ったつぐピヨ。


「まあまあ、お代は私が出すから、証明写真を撮るみたいな感じで」


 半ば強引に、クレーンゲームコーナーより奥にあるプリ機に入った。


「おっ、ふぉおおおっ、こ、これがプリ……!」


 巡ちゃんは初めての白い空間にキョロキョロと興奮気味。


 ほか二人もなんやかんやポーズを取ってくれて、つぐピヨはキュートに、まどかちゃんはカッコよくセクシーに撮れた。私と巡ちゃんは笑顔でピースピース!


 高校生のときにはやらなかった、青春の1ページを刻んだ。

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