表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の秋

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/298

昔の味に戻ったサッポロ軒

 曇り空の雄三通り。スーパーマーケットたまやの正面に佇む小さな北海道ラーメン専門店、サッポロ軒に入った私たち4人。いつもそれなりに客入りのあるこの店だが、この日はほかの客はいなかった。


 混雑時は4人ずつ詰めて座るL字型のカウンター席。しかし本日は材料切れで私たちを最後に閉店するとのことで、奥から南側に私、まどかちゃん、東側につぐピヨ、巡ちゃんの順に1席ずつ空けて座った。材料切れということは、先ほどまで混雑していたのだろう。


 店内には国民的大御所シンガーソングライター、桑田さんのポスターがいくつか貼ってある。店主の趣味ではなく、客からもらったものだという。


 桑田さんは私たち3人にとっては中学校の先輩、店主にとっては高校の先輩。


「君たち、ブリックスはもう行った?」


 各々ラーメンなどを注文して無言で着丼を待っていると、60代の中肉中背の店主が私たちに問うてきた。


「めちゃくちゃ混んでました。ラーメン食べたらもう1回行きます」


 私は語気を強め、芝居がかった口調で答えた。


「へえ、俺も後で行こうかな。クレーンゲーム得意だからさ」


 この店主、世の中の遊びという遊びはおおよそ経験しているらしく、学生時代にやった、いまやったら大問題なイタズラの話や、年内に複数回東北地方を旅行した話をしていた。猪苗代や飯坂温泉にも行ったらしい。


 程なくしてラーメンの出来上がり。私は味噌ラーメンにのりとメンマをトッピング。まどかちゃんは醤油ラーメン、つぐピヨは塩ラーメンの小盛、巡ちゃんは味噌つけ麺。つけ麺はスープが少なめで味濃いめ。それ以外は通常のラーメンと同様の量と具材。麺がスープに浸っておらず、通常のラーメンと比べて温度が低いため、猫舌や少食の人でも食べやすい。猫舌ではない少食の人には小盛がおすすめ。


 すりおろしニンニクがちょっぴり溶け込み、ラードの膜が張ったアツアツのスープ。黄色いもちもちの麺、砂糖醤油に漬けたメンマ、タレに漬けて煮込んだチャーシュー、がっつり茹でられた玉子、食感を整えるモヤシと、千切りのネギ。


 レンゲでスープを吸い込み、舌を慣らしてから具材や麺に手をつける。


 1964年、第1回東京オリンピックや東海道新幹線が開業した時代の味に戻したノスタルジックな茅ヶ崎の味にホッとしつつ、エネルギーを蓄えた私たちは、再びブリックスへと繰り出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=50222365&si

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ