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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
遠州・豊橋の旅

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241/277

新曲『またいつかはじめまして』

 博物館に続いて動物園エリアでサーバルキャットと見つめ合ったり、トラやライオンと招き猫ポーズでコミュニケーションを試みたり、水槽越しにアザラシと見つめ合うなどした後、メリーゴーラウンドでひゃっほいした。


 そしてシメの乗り物といえば……。


「ジェットコースター! はないから観覧車!」


 観覧車の前で大きく手を広げ深呼吸!


「ジェットコースターがあってもシメは観覧車じゃない?」


「細かいねまどかちゃん! そういえば中学のころみんなで東京ドームシティ行ったときもシメは観覧車だったね!」


 ということで、いざ観覧車に乗車! 待ち時間ゼロで前後を見ても近くのゴンドラに人の姿なし! 三人とも並ぶの好きじゃないから素晴らしい!


「風に吹かれてゆっさゆっさ揺れるゴンドラから、豊橋の街を見渡していまーす!」


 観覧車といえば動画撮影。座ったまま後ろを向くと隣のゴンドラも180度向こう側のゴンドラも見える。


「うーん、豊橋の街を代表する景色って、ここなのかなぁ」


「うむうむつぐピヨ、確かに。豊橋って確か、新幹線の駅あるよね。修学旅行の団体新幹線で停まった覚えがある。駅前はけっこうビルが建ってるイメージ」


 対してこの観覧車から臨む景色は住宅地と緑生い茂る山々。これはこれで見晴らしがいい。自然が豊かでハッピー。


「えーと、マップによると、あっちが豊橋市街、あっちの山のあるほうがミニ尾瀬おぜと呼ばれる葦毛湿原いもうしつげん、あっちが浜松」


 形容し難いけど、あっちと言った方面は住宅地。


 茅ヶ崎に住む私たちにとって観覧車といえば東京ドームシティや、横浜のみなとみらいにあるコスモワールド。コスモワールドではランドマークタワーやパシフィコ横浜などのビルが建ち並ぶ街を一望できる。そんな景色を見慣れているからか、住宅地の中にある観覧車は新鮮だった。


 観覧車を降りた後、私は近くの自販機で缶コーヒーを買い、スマホでポチポチとこの施設の感想と日ごろから思っていることを織り交ぜを詩として打ち込んでみた。飲み終えたら先ほど通りかかって最後に気になったスポットに戻り、きょうは使われていないコンクリート製の常設ステージの前。音が響くようビートを形成された屋根がある立派なステージだ。上がるとまずそうなので、ステージの縁を背にして立ってみた。客席も段階式になっていて、百人くらいの聴衆は集められそう。休日にはヒーローショーや合奏でもるのかもしれない。


「周りに動物いない、ヒトもいない。よし、これならっても問題ないね、無観客ライブというよりはできたてホヤホヤほぼ即興の新曲を初めて歌ってみる会」



 ◇◇◇



『またいつかはじめまして』

 作詞、作曲∶白浜沙希


 毎日に退屈していたり

 特になんでもない平穏な日々に

 ふと衝動に駆られ会いたくなるんだ

 ワンダフルでハッピーくれるみんなに


 純真無垢な花たちも

 表情豊かに動き回るキミたちも

 遥か彼方の昔から繋がれてきた

 地球ここに在るべき小さな命


 生きていれば俯く日もある

 むしろそれを知るために生まれるまである


 ズルいアイツはいつも幸せそうなのに

 私といえば1センチ先の指さえ見えない


 いくら考えても答えは出ないけど

 立ち止まるだけじゃ落ち着かなくて

 辿り着いた先にみんながいたんだ


 かわいい大きい小さい会えてうれしい

 そんなみんなといっしょにいられるこの場所が

 どうも私は好きになっていたようだ



 毎日とても忙しくて

 退屈だなんて言葉が贅沢に思える日々にも

 やっぱり変わらず会いたくなるんだ

 ハッピーをくれるいつものみんなに


 観覧車に座って一休み

 ぐるぐる回るメリーゴーラウンド

 おなか空いたねごはん食べよう

 ここにあるのはささやかな幸せ


 出会いがあれば別れのときが来る

 この前会ったばかりのあの子はもう空の彼方


 ズルいアイツはのうのうと生きているのに

 やさしいあの子はもう地球ここにはいない


 いくら足掻いたって必定は変わらないけど

 受け入れるだけではいられなくて

 切り拓いた先に私たちの幸せ


 哀しい淋しいいつかまた会いたい

 いつかみんなといっしょにいられなくなっても

 ずっと変わらず大好きなままなんだ


 いまはもう姿の見えないあの子とも


 きっとまたいつか

 はじめまして

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