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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の日常2

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よっこい湘南浪漫

「ふは〜あ、よっこい湘南浪漫」


 アラーム鳴る前に起きちゃったよ6時半。きょうも大学に行かなくて良い日。


 きのうの疲れに引っ張られた瞼は、1日の4分の1が終わった現在も、きょうという未来を受け入れられない。


 どうせきょうも誰かが死んで、誰かが生まれる。そんな変わり映えない地球のサイクルの繰り返し。


 パチパチパチ。重たい腰を上げ洗面台へのっそり向かい、洗眼液で眼を洗って洗口液で口を濯ぐ。それが済んだらもふもふな泡で洗顔。


 洗顔を終えて軽く化粧水を塗ったらキッチンへ。パインアップルとミカンとチェリーの缶詰をツユごとボウルに開け炭酸水を注ぐ。これがフルーツの香りがする夢のような女子の所以。


 食べ終わったら自転車に跨って朝の江ノ島へレッツゴー。観光じゃないよ買い出しだよ。ヘルメットも忘れずに。


 海風に向かってラチエン通りを進み、134号線、通称エボシラインの横断歩道を渡って菱沼海岸からサイクリングロードに乗り入れ右斜め前に浮かぶ江ノ島へ一直線。


 ランニングやサイクリング、犬の散歩などでそれなりに人通りがある朝7時。ときどき路上に堆積した砂に乗り上げ、周りに人がいなければ変速機を1にして転倒覚悟で全力で漕いで駆け抜ける。それでも砂でスリップして時速10キロほど。ギアなし自転車での挑戦は危険だよ。転んで頭に砂が付くとストレスだよ。浜辺の砂は塩付きで更にストレスだよ。


 打ちどころが悪いと首の骨を折ったり死んだりするから気を付けてね。


 しばらく走ると茅ヶ崎から江ノ島までの海岸を一望できるウッドデッキに到達。ずっと向こうには伊豆半島と伊豆大島、三浦半島と房総半島も見える。サイクリングに併設されていて段差がなく、自転車で乗り入れられる。ときどきテントを張ってデッキに紐を括り付けて通せんぼ&占拠する迷惑キャンパーがいるから要注意。


 今朝はテントはなく、木製の手すりに沿って自転車を停め、ヘルメットを脱いで南風を浴びる。


 ウェットスーツを纏ったサーファーがちらほら。波音は風に掻き消され、ほとんど聞こえない。


 部活で走り込んでいたときは憂鬱でしかなかったこのコースも、プライベートだと少し愛おしい。


 少し休んだらヘルメットを被り、そのまま前進してサイクリングロードに合流。辻堂海浜公園付近、国道134号に合流して新江ノ島水族館前を通過。片瀬川に架かる橋と江ノ島に架かる弁天橋を渡れば江ノ島に上陸。早朝は観光客の姿がほとんどなく、家から江ノ島にまで30分で着いた。


 少しだけ散歩して帰ろうかな。


 後で行く予定の早朝からシラスを売っている店の前を通り過ぎて駐輪場に自転車を停め、私はとぼとぼと、トビ鳴く朝の江ノ島を歩き出した。

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