砂まじりのさんぽ道
アトラクションがいっぱいの東京下町めぐりから少し経って、日に日に日が延びてゆく、浜昼顔が咲くころ。日照時間が長くなるとテンション上がりますなあ!
でもやることがあり過ぎて何もする気が起きない!
とりあえず腹が減っては戦はできぬので、家の近くのラチエン通りにあるお肉屋さん『香川屋分店』で名物のメンチを買い、その場でソースをかけさせてもらって食べた。
よし、元気は出た! でもやる気は出ない!
そもそも私は何をすべきなのか。
作詞作曲これはマスト。
巡ちゃんがやってるVTuber『うつくしまももか』のプロデュース。
福島もいいところだぞい! 桃がうまい! 『あかつき』は食べたけど、今度は『まどか』っていう桃を食べてみたい!
大学のあれこれ。
これもやらなアカン。留年したら学費が嵩む。生活にクリティカルヒット。
食後のぽかぽか陽が差す昼下がり、小さな緑地の常緑樹がさらさら擦れあうラチエン通りは、きょうもどこか静かでのんびりしている。通り過ぎる人の多くは半袖短パン。クルマが速度を落としてすれ違う、歩道のない細めの道。
国道134号線、通称『エボシライン』が近づいてくると、その向こうの松林の間に烏帽子岩が見える。ここから見る烏帽子岩は、浜辺で見るより少しだけ大きく見える。
横断歩道を渡って松林を抜け、きらめく海からひょっこり顔を出す烏帽子岩は、やっぱり豆粒みたいにちっちゃい。
はて、西と東、どちらへ行きますかな。
なんとなく、きょうは東の江ノ島方面へ歩こう。
あんまり人がいない平日の、江ノ島へ続く砂を被ったサイクリングロード。道路と砂浜を隔てるガードパイプに掴まって、ひとりぼんやり海のほうを眺める半袖短パン、ゴム草履のおっちゃんがぽつりぽつり。
「うーん! ふは〜あ」
のびのびーっと両手を組んで空へ伸ばす。砂まじりの潮風も、慣れれば少し気持ちいい。
成果とか将来やりたいこととか、いろいろと求められる日々のなかの、な〜んの成果も進展もない一日。
伸びてみたはいいけど歩くのもちょっとめんどいから、きょうはお家に帰っておひるねしよう。




