表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『茨の王国記 ―森番の息子と三人の魔女―』

最終エピソード掲載日:2025/11/11
かつてこの森は、人と共に生きていた。
 だが、人間の強欲が森を切り裂いたとき、森は三人の魔女を生み出した。
 彼女たちは森を守るために呪いを放ち、やがて人々から“災厄”と呼ばれるようになる。

 森番の老夫婦に拾われ育った少年・レオン。
 彼は森と共に生き、森を愛していたが、村人たちは魔女を恐れ、森を忌んだ。
 ある日、村長は宣言する――
 「魔女を倒した者には、富と栄誉、そして娘との結婚を与える」と。

 森を救い、両親を守るために、レオンは旅立つ。
 その手に握られているのは、両親が託した“森の心”と呼ばれる琥珀のチャーム。

 旅の途中、彼は三つの影と出会う。

 盲目の猟犬――視覚を失った代わりに、真実の匂いを嗅ぎ分ける獣。
 言葉を話す鴉――かつて人間であり、魔女の呪いに囚われた知者。
 傷ついた山猫――恐怖を抱えながらも、戦いに怯えることを知らぬ戦士。

 だが彼らの“救い”には、代償が必要だった。
 レオンは仲間を助けるたびに、自らの“五感と感情”を失っていく。

 そして、たどり着いた“茨の城”。
 そこにいた三人の魔女は、恐ろしい怪物ではなく、
 かつて森と村のために祈りを捧げた“守護者”の姉妹だった。

 真実を知ったとき、レオンは剣を捨てる。
 だが、村長は彼を裏切り、魔女たちを滅ぼそうと兵を差し向けた。

 仲間たちは一人また一人と散っていき、
 森は再び血と火に包まれる。

 残されたのは、森の呪いと、赦しを信じた青年の心。
 彼は最後の祈りを胸に、魔女たちと共に森の奥へと消えていく。

「英雄の名を刻むのは、人の言葉ではない。森の記憶だ。」

――茨に覆われたこの地で、今も語り継がれる。
それが、《茨の王国記》。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ