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ギルド対抗戦

 ギルド対抗戦当日。

 ギルド対抗戦はコロシアムで行われる。ギャラリーには人がぎっしりだ。

 やばい。緊張してきた。

「大丈夫ですよ。ウロナさん。私が付いてます」

 緊張で震える手をエリーが優しく握ってくれる。

「私もいるっつーの」

 もう片方の手をカノンが力強く握ってくれる。

 僕は幸せ者だ。カノンに握られている方の手はちょっと痛いけど。

「おいおいおい。ウロナ。自分の無能をそんなブスどもに埋めてもらってんのか?」

 そう高らかに言いながら出場者の待合室に現れたのはあいつだ。バビロンだ。金色を髪に、憎たらしいぐらいのイケメンフェイスは相変わらずだ。

 僕はそんな彼を睨んだ。

「あ? 何だその目?」

 僕に睨まれたのが気にくわなかったのか、バビロンも睨み返してくる。

「謝れよ。この子たちに」

「はは。くだらねぇ。女なんて道具だろ? あいつ以外は」

「……」

「足だけは引っ張んないでくれよ。俺はこの対抗戦で俺の実力をギルドマスターに知らしめて、A級冒険者になるんだ。十七人目のな」

 バビロンはそう言い残して去っていった。彼の狙いは僕らと同じらしい。

 バフの効果時間はだいたい一週間。バビロンと別れて一週間は経過しているが、あの様子だとまだ 僕が彼にかけたバフは消えていないようだ。

 重要なところで消えなきゃいいけど。

 そんなこんなで開会式が始まった。

 司会の女性が対抗戦のルールを語る。褐色の肌に、美しい銀髪が特徴的な女性だ。堀の深い顔立ちからはパワフルな印象を受ける。

 女性が語ったルールの中で最低限理解しなければならないのは勝敗の決め方だ。試合はどちらかが降参するか、審判が試合続行不可能だと判断するまで終わらない。もちろん殺しはアウト。また乱入者が現れた場合は無効試合となり、その乱入者がどちらかの勢力に加担していた場合はその勢力の負けとなる。

 スキルは使い放題。ゴクギの使用も可。

 また原則として予め決めたオーダーの順番で試合に出ること。

 え? 決めたっけ?

 それから最後にとんでもない情報が語られる。ま、僕は知ってるんだけど。

「勝者ギルドには魔王の右腕が与えられます!」


 選手待機所に帰ると、ミラが「ごめんなさい。見せるの忘れてました」とオーダー用紙を見せてきた。

 決めてくれたのはありがたいけど、もうちょっと早く見せてくださいね。

 先鋒、カノン・ミレーネ。

 次鋒、バビロン・キング。

 中堅、ミラ・シレーネ。

 副将、エリー・キュウイ。

 大将、ウロナ・ポーン。

「え! なんで僕が大将なの!」

 思わず大声を出してしまう。

「なんとなくです。大丈夫。最終試合は盛り上がりますし、アピールしほうだいですよ」

 ミラが笑顔で言ってくるが、全く安心できない。

「でも気をつけてください。恐らく向こうのギルドの大将はS級に最も近い男と呼ばれている人物です」

 全然大丈夫じゃないじゃん!


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