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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
地方都市イルワにて 八歳〜

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出荷したのでお役目完了

そのまま3時過ぎまで熟睡した。身体が若いので回復が早い。

洗濯は諦めて、芋を蒸かして夜食の弁当にする。チーズも少し持っていっていいよね?

給食袋から出てきたのは食パンだったので、ジャムもバターもつけて食べる。

戸締まりをしっかり確認して、野営用品をランドセルに詰めて出発する。

途中オーバンさんの店で、荒物屋奥様推奨乾物とかりんとうっぽい菓子を少し購入する。


日暮れ前に林の際にまた結界石を置きながら「ここから先に来てはいけない」と結界を張る。

ポツンポツンと石を置いていると

6歳児がひょこひょこと現われる。

「おい。おまえ」

「妹尾だ」

「テオさぁ、なにやってんの?それでウサギ捕れるの?」

「分かんないな。畑を荒らしに来なくなるのがいいって思ってる」

「その石なに?」

「これからこっちに来てはダメ、だ。罠を仕掛ける。ケガをしたらお母さんが困るだろう?仕掛けは秘密だ。帰れ」

「テオ、俺より小さいくせに生意気!なんだよそれ!」

「兄さん。ここに菓子がある。今日も疲れただろう?家に戻ってお母さんと食べとけ。

あとこれは干し茸。水と一緒に湧かすとスープの出汁になって美味しいから。朝ご飯のお礼だってちゃんと言えよ」

乾物とかりんとうの小袋を渡すと中を見てちょっといい顔になるのが可愛い。

「家に帰ったらちゃんと手を洗ってから食べろよ」


駄菓子に騙される6歳、可愛い。飴くれるって言われてもついて行っちゃダメなんだぞ。


昨日とは違う出口に隙間を作る。落とし穴に水を張る。

昨日のあぜ道にテントを設営すると道幅いっぱいになってしまう。この先林しか無いし林に行き交う人はなかったので今夜はここに野営する。

犬が恐いのでちゃんと結界を張ってから、芋とチーズの夜食を取りつつ畑を眺める。見ている分には何もでてこない。仮眠を取る。


明け方また猫のわめき声で目覚める。

あの猫に違いない。学ばない猫っている。実家の猫も毎回風呂場に突入してきては足を滑らせていた。

水を飲んでいないか心配だ。夜明け前まだ月が美しいあぜ道を焦りながら駆付ける。

ハチワレのサバ白。また、おまえだ。

今日もガチギレしているので距離を取って結界から出す。まるでわたしが悪いかのように威嚇音を出しながら身体をふるって水を飛ばすと駆け去って行った。

濡れているがケガもないようだ。

罠にはネズミが落ちている。芋畑だとネズミの被害はほんとうに多くてムカつく。絶許。ネズミ出ると蛇も来たりするからそれもイヤ。


あの駄猫が暴れるせいでウサギがかからないんじゃないかな。


いっそあの猫がこの畑の守護をしてくれればいいんだけど。


「というわけで今日はハクビシンでした。あとネズミ」

結界を解除し、落とし穴もテントも撤去して締めた獲物をぶら下げて日の出と共に報告に行く。

農家の朝はやること目白押しなので邪魔にならないようにさっさと退散する。


7日通ってウサギは3羽。ハクビシンの他はウサギほどの小さい鹿っぽいのが1頭。あとネズミ。駄猫。

駄猫はあの後もう1回かかった。風邪を引くから止めて欲しい。

「今日収穫が終わるから、助かった」

いよいよ出荷のタイミングで作物を荒らされるのはお約束とはいえ業腹なので、案山子として頑張れてよかった。

でもこれで報酬が銀貨4枚なので不人気なのも納得。

ただ、農作物の売価を考えるとこれ以上言いにくいのもある。

「それで、テオは野菜たくさん食べるらしいから、虫食いとか傷ありのを持っていくか?」

「やった!嬉しい!新鮮野菜!」

間引き菜とか爆ぜてしまったナスとか先割れしまくった人参とか虫食いの芋とか今日中に丁寧に処理しないと調理出来ないものを貰った。

現物支給でホクホクしながらフレッドさんちに帰り、井戸端で間引き菜を洗ったり芋の泥を落とした。

菜っ葉は茹でて、ナスは揚げてマリネした。残りはそのまま保管。


ギルドに完了の報告を済ませ、受け取った報酬をもってオーバンさんちで菓子を買う。

溜めた洗濯物は明後日だ。掃除も明後日。今日は1週間連勤だったから寝る。

お付き合いありがとうございます

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