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ノスタルジック・ダンジョン ~おかしな仲間たちと行くコント仕立てのダンジョン攻略~  作者: 敷知遠江守
第4章 洞窟掃除屋①

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第17話 連携を試そう

夢野真穂(魔法少女プルシェリア)

クラス:魔法使い +使い魔イルカの「フリッツ」

HP:普通、MP:高い、STR:貧弱、VIT:根性無し、DEX:不器用、INT:低め、AGT:どんくさい


佐伯瑠

クラス:狩人 +レッドホーク357マグナム

HP:高め、MP:低い、STR:高め、VIT:高い、DEX:凄腕、INT:低め、AGT:素早い

 佐伯が先ほどから顔をニヤニヤさせながら銃の砲身を擦っている。その行為に何となく嫌悪感を覚えるのはどうしてなのだろう?


「佐伯さんって、この世界に来た時って、銃を一丁渡されただけなんですよね?」

「正確に言うとちょっと違うな。貰ったのはこの革のホルダーだけなんだ。『あなたには爆炎と金属を扱えるようにしてあげます』ってわけのわからない事を言われてね」


 そう言うと佐伯はジャケットをめくって左脇に吊っている革のホルダーを見せた。そして拳銃を指でクルクルと回し革のホルダーにしまう。すると拳銃はふっと消えてしまったのだった。


「最初意味がわからなくてね。素っ裸でこの世界に放り出されて、空のホルダーだけ身に着けてるんだぜ?」


 「完全に変質者スタイル」と突っ込みたいんだけど、多分ここで茶々を入れると話が先に進まなくなってしまうと思う。


「真っ暗でどうにもならないからさ、今いる部屋の広さを把握しようと指をパチンと鳴らしてみたんだ。すると人差し指で一瞬だけ小さな炎が灯ったんだよ。もしかしてと思ってホルダーに手をかけてみたらさ、感触があるんだよ、銃の」


 佐伯が右手の人差し指を曲げてをホルダーに手を当てた。すると先ほどの何とか言う銃が実体化して、手を引くとちゃんと銃が手に握られている。まるでそういう手品を見せられているかのような錯覚を覚える。


「ところがさ、トリガーを引いても弾が出ないわけよ。銃の重さからして恐らく弾が入ってないんだろうけど、真っ暗で見えないんだ。散々悩んで、もしかしてと思い目を覆ってみたんだ。そうしたら案の定、暗視スコープが出るわけよ」


 再度銃をホルダーにしまい、両手を丸めて遠眼鏡のようにして両目に当てる佐伯。すると水中ゴーグルのようなへんな眼鏡が顔に装着されていた。しかし、その装着した顔、最高にダサい。


「暗闇でも見えるようになったら後は簡単さ。その銃がエアライト・キットガンだってわかれば、それに合わせて22エルアールを作り出すだけだからな」


 やば……専門用語が出てきたから完全に話を見失っちゃった。一つだけわかったのは、素っ裸で変なゴーグル付けて銃に弾を込めていたんだろうって事くらい。完全に変態スタイルじゃん。どっからどう見ても変質者じゃん。


「あの、服はどうされたんですか?」

「ん? ゴブリンから奪った。俺、寝る時は裸で寝るからさ、地面に寝るとなると小石が痛いんだよね」

「食事はどうされたんですか?」

「オークの子供かな。これならなんとか食えるかなって思って、火薬が出せたから、ゴブリンを火種にして丸焼きにしたんだよ」


 つまり、私がキュイと口喧嘩しながらここまでやってきた事と、ほぼ同じような事をして生き延びたって事なのか。やっぱ男の人って凄いな。私なんて真っ暗っていうだけでパニックになっていたのに。



 しばらく歩くと、佐伯はここに小部屋があると言って入って行き、背中に背負った小さな鞄から松明の木を取り出した。


「あ、明かりなら私が点けれますので」


 いつものように魔法を唱えると、マジカルスティッキの先端の大きな星がクルクルと回転し、白く輝く大きな星がふわふわと舞い上がって周囲を照らし出した。


「へえ、便利なもんだね、魔法ってのは。さっき鉄格子を消してたけど、他にはどんな事ができるんだい?」

「さあ、まだよくわからないんですよね。物質を変換できるってキュイは教えてくれたんですけど」

「キュイ?」


 隣で「僕の名前は『フリッツ』キュイ!」と抗議しているが、とりあえず話がややこしくなるので今は無視。


「実はここに使い魔がいるんです。どうやら私にしか見えないみたいなんですけど。青い変なイルカがここに浮いてるんですよ」


 指差すと、キュイに「僕は変なイルカじゃないキュイ!」と抗議されてしまった。頭が混乱するので少し黙ってて欲しい。


「この辺なのかな? 特に何かに触れている感触みたいなのは無いんだね」

「そうなんですよ。私も触る事ができないんです。生意気な奴だから一発叩いてやりたいんですけどね」


 「酷いキュイ!」なんてキュイが喚いているけど、今は無視。


「物質を変換できる能力か……それってさ、もしかして俺とカリーノちゃんが組めば最強だったりしないのかな?」

「え? どういう事ですか?」

「カリーノちゃんが敵の足元に枷を作って転ばせて、俺が転んだ敵に銃弾を叩き込む。そうすれば大抵の敵は易々と倒せるんじゃないのかな?」


 虎挟みのような罠に足を噛ませてしまう、チェーンをばら撒きそれに足を絡ませてしまう、数十センチの板を向かってくる敵の足元に立て掛けるだけでも、恐らく敵は派手に転ぶはず。転んで立ち上がろうとするところに銃弾を撃ち込めば、銃弾が効く相手ならばそれで倒す事ができるはず、というのが佐伯の説明だった。



 試しに先ほどから広間を巡回している邪魔なホブゴブリンを始末してみようという事になり、光を消して広間に戻った。


「来たぜカリーノちゃん。俺が合図したら魔法であいつを転ばせるんだ」


 佐伯が小さな石を投げて、ホブゴブリンの注意を引いた。ホブゴブリンはこちらに気付き、ドスンドスンと大きな足音を響かせてこちらに走ってくる。


「今だ!」

「ミラクル マジカル ラララララ! 低い柵よ現れろ!」


 マジカルスティッキの先の星の飾りがクルクル回り、そこから小さな星が噴出。小さな星が平面状になって地面に整列。その直後に地面にホブゴブリンの膝くらいの高さの柵が現れた。……唱えた時にホブゴブリンがいた場所に。


「おい! どこに作ってるんだよ! ノーコンかよ!」

「すっ、すみません! もう一回やってみます!」

「もう遅い! すぐそこに作れ! 作ったら下がるぞ!」


 再度、同様に魔法を唱え、足下に同じような柵を作った。ふと隣を見ると佐伯がいない。佐伯はかなり後ろで待っており、ここまで来いと叫んでいる。

 ホブゴブリンが追ってくるという恐怖に膝が笑ってしまっている。そのせいで少し走っただけで足がもつれて転んでしまった。


「カリーノちゃんが転んでどうするんだよ!」


 馬鹿野郎と叫びながら全力で駆けてきた佐伯がホブゴブリンに向けて銃を構えた。あんなに頑張って作った柵だったのに、ホブゴブリンは足を引っかける事なく、避けてこちらに迫っている。


「レッドホーク、その実力のほどを見せてくれよ」


 バン!


 破裂音が以前のものとは全然違う。あきらかに威力が上がっているというのが、その破裂音だけでもわかる。放たれた弾丸は真っ直ぐホブゴブリンの顔面に目がけて飛んで行き、右耳の少し上をかすっていった。


「反動が凄いな。ならば……」


 先ほどは右手を伸ばして射撃した佐伯が、持ち手に左手を添えて、口から涎を垂らしながら棍棒を振り回して近寄ってくるホブゴブリンに狙いを定めている。


 バン! バン!


 一発は眉間に、もう一発は胸の中央付近に。命中したところから青黒い液体を噴き出して、ホブゴブリンは膝を折った。そして棍棒を手から離し、ゆっくりと前に倒れたのだった。

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