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ノスタルジック・ダンジョン ~おかしな仲間たちと行くコント仕立てのダンジョン攻略~  作者: 敷知遠江守
第3章 魔法少女プルシェリア③

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第12話 ステータスが見たい

夢野真穂(魔法少女プルシェリア)

クラス:魔法使い +使い魔イルカの「フリッツ」

 どっから聞こえたの、今の?


「ねえ、キュイ。なんかレベルが上がったって言われたけど何の事だろう?」

「僕の名前は」

「「『フリッツ』キュイ!」」

「で、何の事?」


 自分の発言に被せられた事でキュイは不快さを醸し、すぐには返答しなかった。こちらを見たまま、無言の抗議をしてきた。だが自分の役割を果たさねばと思ったのだろう。少し低めのトーンで話し始めた。


「今のスライムを倒した事で、プルシェリアのレベルが上がったんだキュイ」

「へえ。ゲームみたいじゃん。じゃあさ、ゲームみたいに私のステータスが見れたりとかしちゃうのかな?」


 いつもならポンポンと答えを返してくれるキュイが、こちらをじっと見たまま黙ってしまった。ちょっと台詞を被せただけで、そんなに怒らなくたって良いのに。


「……魔法を唱えれば見る事はできるんだキュイ。でも、お薦めはしないキュイ」

「なんで? 何か危険な事でもあるの?」

「プルシェリアは自分のステータスが見れて平気なのかキュイ?」

「え? それどういう事?」


 そんなにまでして言い渋るような事なの? 単純に自分のステータスが見れるだけなんじゃないの? もしかしてステータス表示に何かあるの?


「その……赤裸々に出ちゃうキュイよ? 体力が無いとか、どんくさいとか、不器用とか、頭の回転が悪いとか、運が悪いとか、堪え性が無いとか……」

「をい! こらこらこら! ちょっと待ちなさいよ! いくらなんでも酷くない? それ、純粋に私に対する悪口じゃん!」

「全部事実キュイ」


 はあ? 何こいつ!

 言って良い事と悪い事っていうものがあるでしょ! 今のは絶対言ってはいけない部類の事じゃん!


「ふ・ざ・け・ん・な! あんたに何がわかるっていうのよ!」

「僕は使い魔だから、ステータスがわかるんだキュイ」


 ……何ですと?

 つまり何ですか。キュイは私のステータスを知った上で、見ない方が良いって言ってくれたって事? あまりの酷さに同情されて、気を使われたってこと?

 どんだけ壊滅的なのよ、私のステータス……


「そうキュイね。確かに冷静に自分の現実と向き合う事は大切な事かもしれないキュイ。さあ、いつものように魔法を唱えるんだキュイ!」

「……ううん、良い。そんな悲しい事実、知りたくない」

「でも、自分の事を知る事で、今後の対策が練れるかもしれないし、もしかしたら新たな発見があるかも――」

「無いよ、そんなの。あなただって私のステータス知ってるんでしょ? 自分でも、見ちゃったら立ち直れなくなるだけだって思うもん」


 キュイがじっとこちらを見つめて言葉を探っている。その同情的な眼差しが、何とも心に突き刺さるようで辛い。


「……そうキュイね。それが良いかもしれないキュイ」

「ねえ、これからも私の事、見捨てないでね……」

「安心するキュイ! 僕は使い魔だからいつでもプルシェリアを補佐するんだキュイ!」


 まあ、考えてみれば私にはマジカルスティッキがあるんだし、ステータスなんて壊滅的だって問題無いのよ。言ってみれば、ファイア〇エムブ〇ムのマムク〇トみたいなもん。私の真価はステータス以外にある。


「さあ、気を取り直して新たな水源を探しに行こう!」

「それは良いけど、素っ裸でいたら風邪ひくキュイよ。さっさと服を着た方が良いキュイ」


 そうでした。温泉に入ってたんでした。スライムのせいで、すっかり湯冷めしちゃったわ。


「ねえ、もう一回温泉に入って温まり直したいって言ったら怒る?」

「怒りはしないけど、呆れはするキュイ。止めた方が良いと警告もしておくキュイ」


 ですよね。


 ◇◇◇


 川に魔法で蛇口を付け、水を大量に汲み、マジカルポシェットにポイポイ放り込んでいく。これだけあれば、当分の飲料水には困らないだろう。なんなら魔法でウィルキ〇ソンにもできるし、大好きなヱ〇スビールにもできる。なんなら夢のレミ〇マルタンにだって。

 キュイは実際には単なる水だって言うけど、こういうのは雰囲気と味が本物ならそれで良いのよ。今日の晩酌は何にしようかなあ。

 そうだ! 今日はロマネコ〇ティにしよう! つまみは何にしようかなあ。チーズ盛り合わせも良いし、生ハムも良いよね。本格ソーセージに粒マスタードを付けて、ポキッなんて音を立てて食べるのも良いかも。


「どうしたキュイ? 何やら嬉しそうなんだキュイ」

「内緒!」

「何があったのかは知らないけど、元気が出た事は喜ばしい事なんだキュイ!」


 ……言えるわけないじゃない。酒とつまみの事を考えてただけだなんて。言ったらまたアホの子扱いされるに決まってるもん。


 ん? 行き止まり?

 でも案内星はこの行き止まりの先を示してる。どういう事なんだろう?


「ねえ、この案内星ってさ、道じゃないところを示す事ってある?」

「無いキュイ。仮にこの上から抜けれるとしたら、ちゃんと上の方向を指し示すキュイ」


 つまりこの壁のどこかに出口があるはずと。

 ううむ。前回みたいに実は扉でしたって事も無さそうね。

 指でノックしてみると、横の壁と前の壁で音が違う。という事は、やはり案内星の指し示す方向、つまりこの壁の先に空洞がある。

 私、脱出ゲームとか苦手なのよね……


「恐らくどこかに仕掛けがあるんだキュイ。だから――」

「ミラクル マジカル ラララララ! 壁に穴を開けて!」


 マジカルスティッキの先の星の飾りがクルクル回り、そこから小さな星が飛んで行き、扉の前で円を描く。徐々に穴が開いていき、ぽっかりと穴が開いた。


「……ま、まさかの力業キュイ」


 何とでも言え。


 うお! ちょっと待って! なにこれ!?

 凄い広い空間なんですけど!

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