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ほほえみ社長  作者: とみた伊那
52/54

52.それから・前編

私はABCを退職した翌日から、先日面接をした次の会社で働き始めた。


面接で会った中くらい部長は、入社してからもなぜか私を気に入って盛り立ててくれた。本来は薬局長だけが出席する会議も

「○○について意見を聞きたいから」

と参加させてくれた。


またある時、チェーン店の他の店の薬局長のMさんが

「敬子さんに○○のことを聞きたい」

と私が勤務している店にやってきたことがあった。しばらく仕事について話をした後

「いやぁ、敬子さんは素晴らしい考え方を持って仕事をしている」

と、実際以上に高く評価されたこともあった。

しかしそんな日々も最初のうちだけだった。


新しい会社に入社して一年くらいたった頃から、急にそれらの人たちからの音沙汰が無くなった。

もとより私は、人より抜きんでた仕事をしたい訳ではない。ただ目の前の仕事を安定してコツコツとやることができれば、それでいい。あまり気にしていなかった。


そんなある日、職場に見慣れぬ男がやってきた。痩せて細長い身体に、顔もまた細長く、太い黒ブチのメガネだけが目立っていた。

   『桃屋のごはんですよ』(海苔の佃煮)

まさに、あのラベルそっくりだった。

「今度、本社の仕事をいろいろします」

と挨拶をした。

本社で事務の仕事をする人を増やすのか。そんなに人手は不足していないはず。ちょっと不思議だった。

他の人から聞いた話によると、その『ごはんですよ』は、ちょっと雑用のようなことを頼むと

「僕は本当は、こんなことをやるために来たんじゃない」

と言いながらイヤイヤやるので、評判が良くないらしい。

何のためにやってきたのか。



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