38.晴海は圭吾と登校する
「ん……ふわ…」
んー、まだ6時かあ。
「休みの日くらいもっと寝よー……zzz」
******
ポーン……ピンポーン!!
「ん?ふわぁ…。全くだぁれぇ?人がせっかく気持ち良く寝てたのに」
まあいいや、さっさと追っ払ってまたすぐ寝ちゃえばいっか。
あれ?ゆうと?なんで悠斗がこんな朝早くに?まあいいやさっさと要件聞いたちゃお。
「悠斗どしたの?」
『おい、海都!お前いつまで準備したんだよ。ずっと待ってんのに…』
「準備?どっか行く約束してたっけ?」
『何寝ぼけたこと言ってんだ。今日から学校だぞー!』
え、ええええええ!!!!
そうだ!昨日で夏休みは終わりだった!!
今の時間は⁉︎げ、8時⁉︎
なんの準備もしてない、急がなくちゃ!
「悠斗は先に行ってて、時間かかりそうだから!」
『そうか、遅刻すんなよ!』
やばい後5分くらいで準備しないと確実に遅刻だ!い、急がなくちゃ!!!
******
「はあっ…はあっ……」
つ、疲れたー……。
どうにか間に合った……。
この電車乗ってれば25分には駅に着くはずだからそこからまたダッシュすれば遅刻はなさそう……とりあえずよかったー。
うう…でもまさか初日からこんな目にあうなんてついてないのかなぁ。
全く、初日から遅刻なんてみんなに笑われちゃうよ。
そういえば悠斗はもうついたかな?
なんか悪いことしちゃったかなあ。
「学校で会ったら誤っとかないとね」
そのとき車掌さんがスピーカーから『まもなく大倉駅』と言っているのが聞こえた。
さてさて、電車から降りたらまたダッシュだ!
夏休み運動サボってたし、ちょうどいい運動になるかもしれないしね。
「ん?あれは……」
前を走っているのは筒井君?
「おーい筒井くーん!」
「あ、相良じゃん。久しぶり」
「うん!久しぶり!元気だった?」
確か筒井君と最後にあったのは肝試し………の時かな。
「おう、俺はよっぽどのことがない限り元気だよ」
「そっかあ、元気でよかったよ!」
そういえば筒井君と二人きりで話すのって最初に会った時以来かなあ。
懐かしいなあ……。
「ねえそういえば筒井君と二人きりでいるのって最初に会った時以来だよね?」
「そういえば確かにそうかも。どんな感じで有ったんだっけか」
「えーっと、確かあの時は下駄箱で筒井君に声かけてもらって……ほら!」
「あ、そのジュース!」
僕が鞄から出したのはあの時筒井君が買ってきてくれたジュース!
すっごい美味しいんだよ!これ!
「うん!すっかりはまっちゃって、美味しいよ」
そういいながら僕は缶ジュースの蓋をあけて飲む。
やっぱし美味しいなあ。
「そっかー、俺はあんまり飲んでないなあ」
「じゃあ飲む?」
「え?いいのか?」
「うん、いいよ!」
「……」
どしたの?筒井君。
早く飲んじゃえばいいのに。
なんか今日の筒井君いつもと違うなあ。
みんなと一緒の時とか学校とかじゃもっとはっちゃけてるっていうのかな?そんな感じなのに………。
ん?
あ……学校。
「筒井君今何時⁉︎」
「え!ああ!もう8時半すぎてる!」
ありゃりゃ……筒井君と話すのに夢中で時間のこと忘れてた……。
「私達初日から遅刻しちゃったね」
うーん、僕が筒井君に声かけなければ2人とも間に合ってたかも。
でも友達がいるのに無視するってのもなあ。
あーあ、悠斗にも迷惑かけちゃったし、どうしよう………。
「とりあえずダッシュしよっか!」
そーれ、よーい……
「なあ、相良」
「ん?どしたの?」
「どうせもう遅刻決定なんだし、なんか話しながら歩いていかない?」
そりゃまあ確かにもう遅刻してるけどのんびり歩いて行くのはまずいんじゃ…。
でも確かに早く行っても遅く行っても結局は遅刻なんだし、それにもう着くしたまにはいいかなっ。
「うん、そうだね!」
「おう!あ、あとさ俺たちもう知り合って結構たつんだし」
「うん、結構たったよねえ」
「おう。だからその俺たち名前で呼び合わないか?」
別に断る理由もないし、僕は全然オッケーだし、
「そうだね!よろしくね圭吾君♪」
「ああ、よろしく。晴海!」