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エリスと心が読める不思議なアメ  作者: あいら


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4-1 3つ目の飴

それからというのも、エリックは自分の事を、

素直に話してくれるようになった。


とは言っても、いきなり全てとはいかず、

私の様子を探りながらといった所だが、

飴を手に入れる前のお茶会からすると、

すごい進歩である。


本当は苦いコーヒーは苦手で、

普段は3ばいもお砂糖を入れると知った時は、

そこまでしてかっこつけたかったかと思ったが、

これも、全て私に好意を持ってもらいと思って、

一生懸命してくれたと思うと、キュンとなる。


飴を2つ使ってから3ヵ月がたった。

2つの飴を使って、もう安心したし、

これからは、お互いの努力だしと思って、

何となく使っていない。


そんな時、不安に襲われる事が襲った。


買い物に出かけている時、

エリックを見かけて声をかけようとしたら、

美人(胸も大きい)女性と2人で、

楽しそうに話して、ジュエリー店に入って入ったのだ。


私はショックを受けて、

その日はそのまま帰り、

次のお茶会の日に、何をしていたの?と聞いた。

すると、エリックは「仕事」と言ったのだ。


嘘を付かれている。


私はそれ以上追及する気持ちにならず、

何となく気まずいままお茶会を終えた。


ベッドにうつ伏せになり、

もんもんと考える。


エリックはだいぶ話してくれるようになった、

結婚まで後3ヵ月、

今更浮気とか考えにくい、というか考えたくない。


すると夜のお姉さんなのだろうか?

私の体には魅力を感じず、

綺麗なお姉さんに慰めてもらっているとか?


エリックの事は信じている。


でも、不安は消えない・・・


むくりとベッドから降りる。


久しぶりに飴の入った瓶を手にする。


こんな事に使うって、本当にいい事なのだろうか?

エリックの事信じてるって思っていても、

結局の所、信じてないのでは?


胸にぐるぐる思いがよぎる。


このまま何も知らない方が幸せかもしれない、

エリックにも知られたくない事もあるだろうし、

それを一方的に暴くのは、

婚約者として良くない。


いろいろ自分に言い訳をして、

それでも、結局耐え切れなかった。





それから40分後。


エリックが女性と入ったジュエリーの店の前にいる。


えいや!と思って店に入る。


「いらっしゃいませ」


綺麗な女性の声がする。


そして、その顔を見てドキンとする、

エリックが話していた女性だ!


ここで店番をしているという事は、

夜のお店の人ではないのかしら?


店内を見る振りをして、ちらちらと女性を見る。


何度見ても、魅力的で綺麗な人だ。


エリックがこの人の方がいいと思っても、

仕方ないかな・・・


心がずんと重くなく。


「何かお探しですか?」


優しく声をかけてもらって。


「えっと・・・」


と口ごもる。


あ、怪しいかも・・・


そう思うも、笑顔のままで、


「気になる商品があればお呼びください」


とそれ以上何も言わず、

カウンターの中に戻っていく。


なんか・・・凄くいい人・・・


自分がみじめに思えてくる。


だめ、だめ、だめ、

そう思うも、どうしても抑えきれない。


私は飴を1つ口に含む。


「あの、すみません」


「はい、何でしょう」


『ご覧になりたい商品が決まったのかしら?』


「エリック・ランドルフってご存じですか?」


「ええ、存じていますが」


『え?どうしてこのお客様が?』


「前、一緒にいる所を見たんです」


『あ?この方、婚約者さん?』


いきなり正体を当てられ、ドキンとする。


下を向いて、手を握りしめて、

何とか口にする。


「私、金属アレルギーなんです、

 なので、アクセサリーはつけられない・・・

 なのに、エリックがこの店に入って行くのをみて・・・」


最後は涙声になっていく。


『あら、どうしましょう、秘密の約束なんだけど・・・』


秘密の約束?


『婚約者さんには秘密でプレゼントを用意していたのね、

 でもその事を私が言う訳にはいかないし』


秘密のプレゼント?


気持ちが急上昇する中、お姉さんが話を続ける。


「この店では金属アレルギーの方の為に、

 チタンという最新の素材を使った

 アクセサリーを取り扱っているんです。

 それと、私は結婚していて、子供もいますよ」


そう言って髪を上げてピアスを見せてくれる。


未婚者はイヤリング、既婚者はピアスをするのが普通だ。

ピアスをしているという事は、

既婚者で間違いないだろう。


『彼女、本当にエリックさんの事が好きなのね、

 エリックさん上手くいくといいわね』


その心の声に、ああ私エリックの事が好きなんだと自覚する。


だから、こんなに不安になったし、

今は、こんなに安心している。


「変な事聞いてごめんなさい、

 私この店来なかった事にします、

 エリックと貴女がいた所も見ていない、

 

 多分、またエリックと一緒に店に来ます、

 その時は、初めて来た人の対応してもらえますか?」


「もちろんですよ」


『いい婚約者のようね、安心だわ』


そんな心の声を聴きながら、

店に入った時とはうって変わって、

軽い気持ちで家へと帰った。





その週のお茶会。


「これ、プレゼント」


エリックから長方形の箱が渡される。


「ありがとう、開けても?」


「もちろん」


綺麗にラッピングされて、開けるのがもったいない

ぐらなので、できるだけ破かないように開けていく。


箱を開けると、クロスに石が付いて、

装飾が施された繊細なネックレスが入っていた。


「このネックレスは金属アレルギーでも

 大丈夫な特別な素材でできている。


 アクセサリーができる女性が羨ましいと言って

 いただろう」


「うん!ありがとう!

 そうだ!エリックつけて」


「え?」


「私見えないもん」


エリックは立ち上がり、ネックレスを手にする。


「じゃあ、つけるぞ」


「うん」


エリックの少し冷たい手が、ひやりと首筋にかかる、

少し震えているようで、カチャカチャと、

すぐにはつきそうにはない。


私はじっとして、どきどきしならが、

ネックレスをつけてくれるのを待っていた。


「ついたぞ」


明らかにほっとした声がする。


「一生の宝物にするね」


「おおげさだな、これから増えるばかりだよ」


「宝物部屋、必要かもね」


そう言って2人で笑い合う。


ああ、私この人が好きだ。


好きな人が好きでいてくれて、結婚できる。


本当に幸せ・・・


ネックレスを手に、心から感じていた。

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