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第1話 危うく轢くとこだったわまじ危ねぇよ!


やっほー長門ちゃんでーす!!!

頑張って書いてるから応援!よろしくなぁ!


遠くの山々まで見渡せる晴れ空が広がり羊雲とのコントラストが美しく映え港の岸壁へ打ち付ける穏やかな波が静かに時を刻んでいる。


【おう!あんちゃん今日もよろしくな!】


そんな荷主の声に元気に返事をして俺は相棒の大型トラックに魚介類を満載し母港を出発した。


(ふ〜んふん〜♪ シンデレラ・ハネムーン〜♪)


いつもより30分近く積み込みが早く終わり、心にも時間にも余裕ができたことで、ご機嫌に鼻歌を歌いながら漁港前の細い道を抜け、国道へとつながる角が見えてきた、まさにその時――。


目の前に、突如として一人の女性が姿を現した。


「マジかよ!?」


慌ててブレーキをめいっぱい踏み込む。

魚を満載した相棒は重みでなかなか止まらない。タイヤのスキール音と車体が滑る感覚が心臓の鼓動を速め頭の中に激しく響き渡り、額からブワッと冷や汗が吹き出す。

トラックが完全に停止するまでの数秒間が嘘のように長く感じられ、視界が白くぼやけていく。


――止まった。なんとか、ギリギリで止まってくれた。


安堵と恐怖で胸がキュッと締め付けられる。俺は荒い息を吐きながら、慌てて運転席から飛び降りた。


「おい! 馬鹿野郎!」


ブチ切れながら飛び降りた俺が目にしたのは、見たこともないほど派手な真っ赤なドレスに身を包んだ美しい女性だった。

彼女の浮世離れた顔立ちに怒りを忘れ見つめてしまう、彼女は驚いて路上に尻餅をついたまま、こちらを鋭い目つきで睨みつけている。


『※※・#m※※※twmem#j@gtn,t""padm/db4…==_///!@§@!』


少なくとも、これまで聞いたこともない言語でブチ切れていることだけは分かった。


先程まで誰もいなかったはずの道路に突然現れた不気味な現状と聞いた事が無い言語に鳥肌が立つ。


轢かなかった安心感で、こっちまで腰が抜けそうになる。

猛烈にこちらを睨みつけ怒っている女性を放っておくわけにもいかず、恐る恐る声をかけた。


「おい、怪我ないか? 立てるか?」


『…… 危ないじゃないの!』


「日本語喋れるなら最初から喋れよ……!」


思わず脳内でツッコミを入れる。飛び出してきたのはそっちなのに勝手に逆ギレされて、頭に血が上る。


「飛び出してきたのはそっちだろ! 気をつけろ!」


『Jagtmjat!※※※※……チッ、まぁいいわ!』


「何が『まぁいいわ』だ! 危ねぇだろ!」


『そんな見たこともないデカい馬車に乗ってる方が悪いのよ!』


「馬車ぁ? 何言ってんだ?間一髪で止まった俺の相棒に感謝しろ!」


『あら、その鉄の塊が相棒なんですの? お可哀想にお友達がいらっしゃらないのね。これならまだ量産型の剣の方がマシですわ!』


言い返す言葉のセンスにバカバカしくなり頭に上った血で頭が痛くなってきた。


「あーもういいわ! 気をつけてとっとと帰りな!」


立ち去ろうと運転席へ戻ろうとすると、ドレスの女が起き上がって寄ってきた。


『ちょっと待ちなさいよ! ここはどこなの!? 教えなさい! 』


「あんた、ふざけるのもいい加減にしろよ。何処なのってここは夕霧町だよ!」


『聞いたことないわ!? じゃあ、ここがどこの国なのか言いなさいよ!』


「どこから来たのか知らんが、日本だよ! 覚えておけ!」


『え……聞いたこともないわ』


「ったくじゃあ何処から来たんだこの女はは…じゃあな! もう二度と道路に飛び出すんじゃねぇぞ!」


『ちょっと、助けなさいよ! 私は※※※の娘よ! 助けられることを名誉に思いなさい!』


「はあ!? どこかのお嬢様だか知らんが、お前みたいな生意気な小娘助けて何が名誉だふざけるな!」


言い合いをしながら、ふと腕の時計に目をやった俺は固まった。


「って、おい! ふざけんな、もう15分も経ってんじゃねぇか! せっかく早めに出発できたのに! 時間に間に合わなかったらどうすんだ!」


慌ててトラックのドアを開ける。


『ちょっと待ちなさいってば! ここから何処に行けば良いの!?』


「さっきから『ここどこ』って、今どき誰だって携帯持ってんだから地図見れば分かるだろ!」


『携帯? 何よそれ、そんなもの持ってるわけないでしょ!』


あー、クソっ! こんなところで余計な道草を食っていたら、荷降ろしのに間に合わなくなってしまう!


「あーもう、分かったから家まで送ってってやるから乗れ! 早く!」


『ふん! 最初からそうしなさいね!※※※の名は伊達じゃないわね。すぐにお城に向けて出してちょうだい! ……って、どこから乗るのよ!?』


「ドアも見えねぇのか、このアホンダラ!」


『アホンダラ!? どういう意味よ、絶対にバカにしてるでしょ!』


埒が明かないので運転席から降り、クソ生意気な女をひょいと抱きかかえて助手席へ放り込んだ。


『ひゃあっ!? 触らないでよ、ちょっとやめ……何するのよ!』


「変な声出すな! 通報でもされたらどうすんだ!」


◇


――時は少し遡る、数時間前。


『ちょっとお父様、どういうことですの!? 私が婚約するなんて聞いてませんわ!』


【いい加減に諦めなさい! いつになったらお前はまともな婚約者のひとりでも連れてくるんだ!】


『だって仕方ないじゃない! どいつもこいつも口だけで、まともに剣の相手すらできないんですもの!』


【もうよい! 今日のノアーツ城の夜会に行って、誰か良い男を見繕ってきなさい!】


『私は嫌ですわ……夜会なんて!』


【さっさと支度して行ってきなさい!】


お父様ったら本当に嫌な人! 顔を合わせるたびにあーでもないこーでもないと……まだ16歳になったばかりですのよ? もう少し自由に過ごしたっていいじゃない。

……仕方がないわね。今回だけ顔を出して、適当な隙を見て抜け出してやりましょう!


そう企んでいたはずだった。

それなのに――パーティを抜け出し、城の庭園を散策していたところで突然、極彩色の光の渦が現れ、私は吸い込まれるように巻き込まれてしまったのだ。


◇


時は戻り女を乗せてから一時間後、深夜の高速道路。


(おいおい……あの時は焦って乗せちゃったけど、これ誘拐されたって言われたら言い逃れできねぇぞ……?)


よくよく確認してみれば、隣に座る女は思っていた以上に幼く見える。


車内には重苦しい空気が漂い、ただ無線機から交通情報のレポートや雑談の声の音だけが虚しく響いていた。


何故か女の方は先程まで俺を捲し立てていた怒気は何処へやら、うって変わってまるで葬式会場にでもいるかのような落ち込みようだ。


見ず知らずの女の子を乗せている手前、タバコを吸うわけにもいかず、無線で仲間とくだけた話をするわけにもいかない。


(とりあえず、帰り荷を積んで地元に戻ったら警察かどこかに送り届けるか……)


「……おい。名前、なんて言うんだ?」


『…………エマよ』


ポツリと、蚊の泣くような声が返ってきた。


「俺は、浮竹達吉《うきたけたつきち》」


「エマ、お前、家はどこなんだ?」


『……サングランド帝国の、テレノーツ城よ』


「……外国か?」


『わからないわ……』


「じゃあ、さっきの場所になんでいたんだ?」


『わからないわよ……』


困ったことになった。名前を言ってからと言うもの何も言わず窓に映る景色をじっと真剣な眼差しで見つめたまま動かない。


数刻がまた過ぎる、そろそろ荷降ろし先である築地市場に着くがエマの顔には明らかな精神的疲労の色が滲んでいる。少し寝かせれば落ち着いて何か思い出すだろうか。


ずっと助手席に座らせておいて、市場で荷降ろし中に知り合いに声掛けられて突っ込まれても説明のしようがない。


高速を降り華の大江戸は、築地市場へと大きい車体を滑りこませる何処もかも人とトラックでごった返している。

市場を3周し何とか荷降ろし場所を確保した。


「エマ俺はとりあえず、荷物を降ろししてくるから、ここの寝台で狭いだろうが横になって待ってろ。いいか、迷子になるから絶対車の外には出るんじゃねぇぞ」


『……わかったわ』



【エマ視点】


私は今、一体どこにいるの……?

見たこともない景色。見た事ない筈なのに何故か読める文字。


嫌いなアイツから逃げたくて遊び回ってたらお父様に叱られて、城の夜会から抜け出したところまでは覚えている。

でも、あの極彩色の渦に巻き込まれた後が思い出せない。

私の護衛や使用人たちはどこへ行ってしまったの?


それに、このやけにうるさくて揺れる鉄の乗り物はなに? 時々箱から聞こえる変な声は誰なの?


景色が開けたと思ったら、突然見知らぬ場所に放り出されて、鉄の巨大な塊に押し潰されそうになるなんて……もう散々だわ。


あいつだって私の名前と住処しか聞いてこない。私は貴族なのよ?初対面で あんなぶっきらぼうな態度を取られるなんて……。


景色が流れるのが馬車の何倍も速いわ目が回るわね…ここの門に入って行くのね鉄の塊がこんなにもいっぱい…この国の産業はどうなってるのかしら!?


(…… 止まったわね)


窓から周りを覗くと、あたり一面、無数の箱と見たこともない鉄の馬車、そして大勢の人々で埋め尽くされていた。


見たことも聞いた事もない場所興味深いわね……少し外に出て調べてみようかしら。


【とりあえず俺は荷降ろししてきちゃうから寝台で横にでもなって待っててくれよ。あと絶対迷子になるから外には出るんじゃねぇぞ】


……なんなのあの男。人の考えでも読めるわけ?

でも、確かにもし迷子にでもなったら……それこそ本当にどこへ行けばいいか分からなくなってしまうわ。


『……わかったわ』


アイツの指図に素直に従うのはシャクだけれど、今は少し休むことにしましょう。あの男も降りて行ったことだし、寝台という場所に潜り込んだ。


カーテンを開けるとひんやりとした毛布が敷いてあり体を潜らせ横になると、予想以上の疲労が一気に押し寄せてきた。


私は、夢であって欲しいと願いながら静かに瞳を閉じたのだった。


読んでくれてありがと!

久しぶりに書いたけど趣味、丸出しやん、www

出来れば評価と感想をおしえてくれ!そしたら次の話をかく励みになるからよろしくぅ!

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