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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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ちょっとしたお金稼ぎをする ③




「何の用?」


 向こうがこれだけ威圧的なのだから、こちらが下に出る必要はないと判断する。

 それにしても酷い態度だし、それなりに大きな声を出されたのに周りがこちらを見ていないことに驚く。



 さっき気づいている云々という話をしていたから、もしかしたら周りに気づかれないように何かしているのか?

 母さんが常識改変をして、周りに悟られないようにしているのと同じように……。めんどくさっ!! それに何で俺に対して此処まで敵意丸出しなのか謎すぎる。


 相手がどういう立場なのかも知りもしないで、いきなり突っかかってくる人って最悪だと思う。エルフってことは見た目以上に年を取っているかもしれない。それなのにまた十数年しか生きていない俺相手にこの態度ってなんなんだろう? って思ってしまった。




「あなたのような劣等種である人間が、私に気づくなんてありえないのよ!! 美しくもない男がお母様譲りの美貌を持ち合わせているこの私を視界に留めるなんておぞましい!! 神の血を引く私はいずれお母様のお顔を拝見出来る立場だというのに……!!」



 あ、これ、やばい人だ。

 なんだろうなぁ。劣等種とか、人間のことを見下しているのもなんなんだろうなって呆れる。美醜で色んなことを判断しているっぽいのもなんなんだ? ってそんな気分。

 それにしてもさ、その台詞、母さんに言ったらブチ切れられるぞ? とそれしか思えない。母さんって父さんのことを愛してやまない。父さんが馬鹿にされでもしたら、それこそ世界の全てを敵に回してでも報復するだろう。母さんってそう言う人。

 まぁ、そうなるまでに父さんが止めるだろうけれども。

 


 そもそも母親の顔を拝見出来ないって会ったことないの? 自分の子供に興味のない神様とか、それだけでも大分引く。あ、それか勝手に勘違いしているだけとかもあり得る? この世界、神様が身近だからこそ、実際は神の子供でなかったとしても神と関わりのある存在であると言いふらしたりする人も当然居るし。



 俺は母さんと父さんの息子ではあるけれど、それをすぐに信じる人って少なさそう。俺は父さんに似て、地味な見た目はしているからなぁ。



 俺は母さんや姉さん達っていう、見た目が整った存在が身近にいたから正直言ってエルフを見ても少し綺麗な人だなと思う程度である。




「消えなさい!!」



 そしてあろうことかそう言い放つと魔法を向けてこられた。怖すぎるだろう。しかも周りに悟られないようにしているとはいえ、此処は街中だぞ? 周りへの被害などを全く考えていない様子にかなりの嫌悪感を感じとる。

 俺はこういうこういう存在のこと、あんまり好きじゃないかも。



 そもそも神様が人族よりも力を持ち合わせているのは確かであるが、だからといってこうして見下し続ける必要ってあるのか? そもそも例えば偉大な神の血を継いでいたとしても、その神本人ではないのだからこんな風に上から目線で色んなことを口にする必要って全くないし。



 光の矢のようなものが次々と向けられる。本気でやめてほしい。俺はそんなことを考えながら、なんとか人気のないところまで逃げることにする。この場で戦いたくはない。無関係な人のことを巻き込みたいとも思っていない。

 しかしこのエルフは、周りを幾らでも巻き込んで問題ないと思っているようだ。本当に……そういうところが気に食わない。





「なぜ、避けるの!? 劣等種ごときが、私の攻撃を避けるなんて許せない!!」



 理不尽すぎね? なんなの、こいつ。

 俺は少しイラッとしていた。だってあまりにも理不尽に俺に向かってくるのだ。


 俺はこういう話が通じないタイプが正直言って好きじゃない。




「避けるに決まってるだろうが」



 俺は半神ではあるけれど、こういう攻撃を受けたらただでは済まない。死んでも最悪母さんがなんとかしてくれるとはいえ、死にたいわけでは全くない。



 さて、どうしようか? このエルフって本当に神の血を継いでいるのかな。それとも勘違いの虚言? 本当に神様と関わりがあるならばこれから長い付き合いになったりするのか? 俺は嫌だぞ。こんなに話を聞かないタイプでいきなり襲ってくるエルフと関わりたくない。



 どうにか人気のない場所まで移動した。


 魔法を行使して、エルフに向けるけれど弾かれた。うわぁ、このエルフ、そういった道具でも持っているっぽい。無理に道具は壊してしまった方がいいか。それにしても仮にも母さんの血を継ぐ俺の魔法を弾く道具って、やっぱり神様関連? となると本当に神様の血を継いでいる存在なのか? 



 伯母さんか母さんにでも助けを求めた方がいいのだろうか……と思わなくもないけれど、まだ何とかできそうなので自分で解決を目指すことにする。







「ちょっと!! 咲人に何をしているの、そこのエルフ!!」



 膠着状態でどうしたものかと思っていたら、俺とエルフの間にクラが飛び込んできた。あ、クラも怒ってそう。





 

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