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GENTLE LIFE  作者: 一聖
PR
40/322

DRYAD

朝起きていつもどおりSBで素振り。

種火を残しておいたので、すぐに焚火が大きくなる。

クレープを作ろう、甘くないやつ。昨夜のハンバーグの時のひき肉で

ミートソースを作っておいたのでそれを使う。あと、腸詰めとチーズと野菜も

入れて巻く。


「できたよー。」コーヒーとサラダを用意。いただきます。


「クレープというんですか?」

「おいしいです。」

「ウマウマ。」

「あんっ。」

「・・・。」 ニイ・・。


「これは腸詰めとか入れてるけど、カスタード、生クリーム、チョコ、イチゴ

 バナナなんかで、甘いデザートになるよ。」


「おいしそうですね。」


「じゃあ、今日のおやつに作っておくよ。」


「本当ですか!楽しみです!ドライアドでも大丈夫です。」零さん・・・。


少し時間をもらって、甘いクレープを作ってカモナにあずける。

さあ、丸吉にレッツゴー。ボタン先生のロッド探しだ。


丸吉に着いて、早速ロッドを扱ってる店を探す。そんなに広い街ではないので

すぐに見つかる。店名が「マリン」・・。海が好き系かな?

そんなに海から離れてないし。


「たのも~。」


「いらっしゃい。あら、あなたいい匂いがするわね。」


「ああ、さっきまで料理してたからかな。」


「料理人?」


「いえ、ただの7歳児ですよ。」


「あなたの匂いで、お腹が空いてきたわ。朝、食べてないのよ。」


「僕は食べ物じゃないですよ。なんでしたら、食べますか?」


「えっ!あるの!」


「ありますよ、どうぞ。」


僕は朝のクレープとコーヒーを出して渡した。紙に包んでいたので

手づかみで食べれる。


「おいしい!初めて食べる料理だわ。」


「クレープっていうんです。甘いのも差し上げますから、おやつにでも。」


零さんの目が光る、大丈夫、まだいっぱいあるからとアイコンタクト。


「これも美味しそうね。今、食べていいかしら?」


「どうぞ。」


「美味しいわ!あなた天才ね!」


しばし、クレープを堪能していたお店の人・・・。


「ふぅ、美味しかった。なにかお礼をしないとね。」


「でしたら、ロッドを見せてくれませんか?僕の先生のお土産を

 探してるんです。」


「先生?料理の?」


「違います。ロッドで料理は作りませんよ。」


「それもそうね、自己紹介がまだだったわね。私はマリン、この店の

 オーナーで、あなたが会いたがっていたドライアドよ。」


「「えっー!」」


「あなたは驚かないのね?」


「ええ、はじめから気付いてましたから。」


「そう。魔導師用のロッドだったわね。なにか希望ある?」


「はい、こんなイメージなんですけど・・。」


菱尾で買った万年筆を使って、絵を描く、こいつはいい。


「フムフム・・・ここは?」


「そこは、こうしてああして、こういう機能を追加して。」


「へえ、おもしろい事、考えるわね。」


「できますかね?」


「できるわよ。」マリンさんが柏手を打った、まっまさか・・エド。


「はい、どうぞ。」 はやっ!


「すごい・・・でも、お高いんでしょう?」


「お礼よ。私の身体の一部よ。」えっ!本当に・・アル・・。


「この身体はアバターで、本体は森の奥よ。」 アバターいうなし・・。


「これはお土産なのでしょう?あなた達にもこれあげる。」


そう言って、また柏手を打つ。やっぱ、FA・・。

んっ?何か変わったのだろうか?不思議な顔をしてると、


「手を開いてみて。」おっ、種だ。


「その種を、武器でも防具でもなんでもいいのだけど、埋め込むと

 強化されるわよ。」


「大精霊の加護・・・。」


「そんな大層なものじゃないわ。あなたの剣に桜花の刻印があるでしょ?

 それと似たようなもんね。」


「桜花と知り合い?」


「この業界、狭いのよ。ボックルも知り合いよ。」精霊業界?


「もらいすぎだよ・・。」


「なら、みんなと同じように、たまに今日みたいに、なにか作ってよ。」


「わかりました。料理の修行を始めます。」


「フフ・・。聞いていた通りの子ね。」


僕達はマリンさんに、お礼を言い、近々、また来ますと約束し丸吉を出た。

用事が一軒目で済んだので、まだ昼にもなっていない。


「もう、このまま港へ行って、龍神丸で海鮮料理を作ってもらおう。」


「わかりました。」


前に野営をした川のあたりで、ちょうど昼になった。


「カモナ。人数分のパスタをお願い。」

「かしこまりました。」


さすがに、焚火をしている時間はない。残念だがコンロを使う。

零さん達は、サラダと飲み物の用意。小梅はイチとニイといっしょになぜか

モニターで川を監視している。みんな可愛いなあ。

僕はカルボナーラを作る、チーズをたっぷり入れよう。

いただきます。おお・・うまい。


「おいひい。」呑みこんでからしゃべれ、春日部。

「クレープと同じくらい、美味しいです。」気にいったんだね、クレープ。

「ウマウマ。」

「あんっ。」

「あ・・・。」あ・・?ニイは今なんて言おうとしたんだ?


食べれるなら、と甘いクレープを出す。みんな旨そうに食べている。

作った甲斐があるよね。


「マリンさんの種、何に使う?僕はSBに試してみるよ。」


種を当てるとスっと中に入って行った。見る見るうちに植物の蔦が刻まれる。

これから「マリンの剣」と呼ぶ事にしよう。


「私はこれに、夏月様に頂きました。2刀だけでなく、1刀でも戦える

 ようせよと。」 忍者刀だ。忍者刀に蔦の彫刻。


「かっこいいね。」


「百合子さんは?」


「私も夏月様から頂いたものに。」


ト、トンファー・・。確かに近接最強の武器だ。トンファーに蔦の彫刻が

刻まれていく。あれ?なんだか、かっこいいぞ。


「かっこいいね。」


「私には、もったいないです。」


「そんな事ないさ、夏月が必要だと思って用意したんだから。」


「大切にします。」


「小梅は?」

「新しく作る、クナイ。」

「了解。イチとニイは、さすがに早いか・・。種は零さんと百合子さんに

 預かってもらおうね。」

「あんっ。」

「・・・。」


わいわいと昼休憩を終わらせ、ドックに向かう。

ドックに着いて、龍神丸に乗り込むと、皆で迎えてくれた。


「無事、お戻りでなによりです。」


「また、3日程お世話になるね。」


「それが・・龍神丸がパワーアップしたのでガーネット神居間が3日から

 2日に短縮されました。」


それはごいすー。つまりガーネットから神楽まで馬車を使えば4日で行き来が

できるようになったという事だ。


「料理長、今日の夕食のメニューは何でしょう?」


「まだ決めてないよ。なんか食べたい物あるかい?」


「可能であればBBQを。」


「了解。」


「船長、BBQの時にリーファンを呼んでもいいですか?」


「別にかまいませんが、緊張しますね。」


「龍神刀にお世話になったので、お礼がしたいと思いまして。」


「わかりました。私達もお礼を言いたいですし。」


「リュウちゃん、リーファンに伝えてくれる。」

「わかったのじゃ。」


僕達は、それぞれの部屋に入り一休み。


「カエデ、リーファンは来れるそうじゃ。」

「良かった、お礼が言える。」


出航するという事なので小梅を連れて甲板にでた。

なんだかんだあったけど、楽しかった。離れていく神居を見ながら


「また、すぐ来るよ。」

「うん。」


神居が小さくなるスピードが尋常じゃない。僕達に当たる風も尋常じゃない。

風にあおられるお互いを見て、笑いあう。

部屋に戻る途中で零さんと百合子さんに、声をかける。


「カモナの訓練場で、マリンさんのやつを試してみようと思うけど行く?」


「行きます。」


「私も行きます。」


「カモナ、ゴーレムお願い。それと、誰かきたら教えて。」

「かしこまりました。」


3人それぞれゴーレムと戦いだす。それぞれの力量に合わせてカモナが

プログラムしている。ドミニクに教えてもらったそうだ。

ゴーレムに斬りかかった時点で、僕は気が付いた。

蔦が激しく動きだしたと思ったら、刀身を覆って振動している。

これは・・もしかしたら・・・。

ゴーレムが真っ二つに、なんの手ごたえもなかった。やっぱり・・。

集合して確認をする。


「あの・・忍者刀って、斬るというより相手の攻撃をいなすものだと夏月様に

 教わったのですが、斬れ味やばいです。」


「私もです。トンファーは打撃用の武器のはずなんですけど・・何で斬れる

 んでしょう?」


「そっか、2人ともそんな感じね。これは高周波ブレードだね、蔦の振動で

 斬れ味ましまし。」


「「・・・。」」


「斬れすぎて危ないから、使いどころは気をつけてね。」


「「はい。」」


知らず知らずの内に2人は、戦闘メイド業界でかなり上の方になっちゃってる

気がするよ。まだ若いのに・・・。

なんだろう・・ありがたいんだけどさ・・スロライに高周波ブレードいる?

まてよ・・「カモナ、丸太だして。」

おお・・丸太の輪切りだ。薪を作ったり、木材を加工するのに超便利。

チェーンソー替わりになる、さすがドライアド。


「「「ちがう!!」」 あれ?


「美智子様が部屋に向かってます。」


「了解。」


BBQの準備ができたという事なので、甲板に向かう。さすがにスピードは

落としている。リーファンはまだかと思い、自分の席に着こうとすると

フワッと身体が持ち上がり、なにか柔らかい物の上に座らされる。


「ウホッ、弱っちいカエデ♡」リーファンが僕を抱きかかえ頬ずりしてる。


「ウホッ、じゃねーよ!まあ、おかげで紅桜を圧倒した、ありがとう。」


「うむ、リュウちゃん経由で見ておった。相手が弱っちいカエデより

 もっと弱っちかったな。」


実際そうなのである。リクオ君が呑みこまれて、さほど時間がたってなかった

のと、リクオ君自身が弱っちかったから短時間で制圧できた。

ひょん爺の助けもあったし。


「僕は7歳児、伸びしろはあるでしょ?それに、スローライフを望む僕に

 過剰な力はいらないよ。弱っちいカエデで充分だよ。」


「そんな事言っとるが、おまえ自分からやっかい事に突っ込んで行くじゃろ?」


「・・・。」


いやいや、そんなはずは・・。神楽の件だって・・あれ?なんで介入したんだ?

爺ちゃん達でも解決できたよね。2人にも僕はそう言ったし。

最悪、シュリ叔父さんとタケル兄を呼べば良かった訳だし・・。

いかん、返す言葉がない。

はっ!もしかすると、僕は月詠に操られているのでは?


「操ってません!!」 おっと、月詠ご立腹。すんませんでした。


「うりうり、なんか言うてみい、ん、ん。」 頬を突いて楽しそうなリーファン。


「た、確かに、今まではそうだったかもだが、こ、これからはなにもしないぞ

 食って寝るだけの生活をしてみせる!」


「妙な開き直りじゃのう。だが、カエデは面白いから今後もリュウちゃんを

 通して見ておるぞ。」


「くっ、好きにしろ。」


「おもしろ弱っちいカエデに、これを授けよう。」


そう言って、リーファンは玉をくれた。えっ!これって・・・。


「龍玉じゃ、カエデも船を持つのであろう?それをつけるのじゃ。」


「リーファンの力が宿ってるのはわかるけど、つけるとどうなるの?

 龍神丸みたいに速くなるの?」 嫌な予感しかしない。


「速くなるのは当然じゃが、空も飛べるようになるぞ。」


「ブッフー。」美智子さんが吹いた。


船から飛行艇にグレードアップした。ありがたい、青ちゃん達がいないと

空の移動ができなかったからね。


「いいの?でも、お高いんでしょう?」


「値段などつけれるか、馬鹿者!しかし、そうだな我の部屋を所望するぞ。」


「わかった!一番いい部屋をキープするよ。」


「うむ、楽しみじゃ。それと、美智子が吹いておったが、この船も短い

 時間なら飛べるぞ。」


「「「えっー!」」」


「知らなかった・・・。」


「言うの忘れとった。船に両脇にある龍の彫刻に魔力を流してみい。」


僕が流してみる。すると彫刻が光だし浮いた。


「まじ?」 機関長の顔が青い。


「まじじゃ。龍玉を使ってる訳ではないからのう、長時間は飛んでられんから

 気をつけよ。非常時に逃げるとかに使うがよい。」


「ありがとうございます。」


龍神丸が飛べるとわかり、バート叔父さんに報告する事が増え

僕は頭を抱える。


「リーファン様って、カエデ様に甘々よね。」こら、春日部。


「見てたらわかるでしょう。いらしてから片時もカエデ様を離してないわ。

 それに、カエデ様をずっと膝の上において飲み食いしてるのに

 所作が超綺麗よ。」


「うん。」

「あんっ。」

「・・・。」 ニイ・・。


「うん?狛犬がおるではないか。弱っちいのお・・。

 よし!これを食べさせるのじゃ。」


ものすごく小さい龍玉を零さんと百合子さんに渡した。2人は言われるまま

イチとニイに食べさせた。

ボンッ!と煙がでて、2匹は成獣化した。見た目はまさに狛犬、大きな犬に

なるわけじゃないよね。


「これで乗る事くらいはできるじゃろ。」


「「・・・。」」


あっ、イチの足に雲が、ニイの足に炎がついてる。そういえば狛犬って

飛べたな。実際、浮いてるし。

またボンッ!と煙がでて、元の子犬に戻った。2人はホッとした顔をした。


「「ありがとうございます。」」


「さて、我はそろそろ帰るのじゃ、料理長、今回もうまかったぞ。

 カエデ、なんかあったらリュウちゃんで呼べ。」


「了解。船ができたら呼ぶよ。」


リーファンは、海にも空にも戻らずただ消えた。バリエーションあるな!

みんなボーとしている。僕は柏手を打って神気を散らす。

美智子さんが我にかえり、


「あの・・カエデ様、しばらくBBQやらなくていいですか?これ以上

 龍神丸がパワーアップすると・・今でも充分やばいんですけど・・。

 本当にやばいです。」


「そうだね・・・。飛んだせいで、もうガーネット見えてるしね。」


1日で着いちゃった・・・。ただいま、ガーネット・・。



 













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