DIVERGENCE
朝、目が覚めると小梅が、枕の横で腹をだして寝ていた。
さあ、朝食を食べダンジョンへゴー。食堂でシュリ叔父さんにダンジョンに
行くことを伝える。
「今はちょうどいいかもしれんな・・。わかったDMが見ているとはいえ
けっして無理はするな。それと昨夜の襲撃者だが、シャドウウルフが3匹に
闇サソリが5匹となかなかの大所帯だった。ほとんど小梅ちゃんが片づけた。
ニブルヘルムを使うとは恐れいった、さすが神獣だ。」
あっ!尻尾が揺れてる!褒められて嬉しんだ。えらいぞ、小梅!
あとで、ブラッシングしてあげよう。
レイさんは邪神教関連で動けないので、今回は僕と小梅だけだ。
「カエデ様、いろいろ試しすぎないようにして下さい。あんまり、派手にやると
出禁になりますよ。それと、フルーツサンドありがとうございます。一生、
頑張れます。」 重い!重いよ!レイさん!一生は無理だよ!もって半日だよ!
レイさんに見送られ、部屋に戻りダンジョンスタイルに着替えて
小梅を頭に乗せ転位。速攻で光学迷彩を発動。いきなりバトルは嫌だしね。
ちなみに、光学迷彩は「朧」と同時に発動すると匂いも音もなくなるいう
新しい発見をした。小梅ですら僕を見つける事ができなかった。もちろん秘密。
ボタン先生には教えるけど。
ゴツゴツした岩がたくさん転がっている所に出た。左腰に夕霧、右腰にラムさん
後ろ腰にデル君、シノさんはお休み。デル君に銅貨を3枚入れる。1枚いれる度に
キュピーンと鳴って、銃身のLEDがオレンジ色に光って行く。カックイイ!
魔改造したかいがあったよ。さて、このフロアーは何がでるかな?
ルートは道なりに進もう。しばらく進んでもなにも出てこない。おかしい?
もしかして・・・光学迷彩を解除。とたんに岩だと思ってたものが動きだした。
ロックゴーレム!迷彩がすごすぎて、モンスターに感知されなかったんだ。
成功なのに、ちょっと・・・って感じ。それにしてもすごい数だ。長官の言う
レイド用とはこの事か・・。まだ、肩慣らしだし、やるだけやってみよう。
「行くよ、夕霧!」
「はい、主。」
転生して初めての刀術全開、たしかコアを斬れば良かったはず。僕の使う
「斑鳩流」はスピードが全てだ。身体強化でスピードアップ。
一体のゴーレムを斬ってみた。スっとバターを切るように刀が通る。
「すごいね、夕霧。」
「いえ、これは主の力です。すごいです。」
じゃあ、5体連続でいってみよう。ゴーレム達の間を駆けながら刀をふるう。
別に戦闘狂ではないけれど、久しぶりに存分に刀を使えるのは嬉しいな。
「ラムさん。」
「はい、主。」
ラムさんを2枚飛ばしてゴーレムを斬ろうとしたが、少し傷がつく程度。
「・・・主、私も光ったほうがいいと思うのですが・・。」
「しかしだね、ラムさんまで妖刀化すると、表で封印だし、そもそもあれ
岩だからね。」
「こうなんて言うか、別にライバル心とかではないんですが、少しくやしい?」
なんで疑問形?まあ、気持ちはわかる。けど、今は我慢してもうらうしかない。
「まあまあ、ゴーレム以外はきっと斬れるから。それにラムさんは威力より
手数だから。僕がx10を使えるまで耐えて。」
「わかりました。」
「デル君。」
「イエス、マスター。」
「ファイヤーボール。」 槍のようなファイヤーボールが当たり炎上。
「ウォーターボール。」 同じく槍型のウォーターボール突き刺さる。
姿が見えなくなる位の蒸気が噴き出す。蒸気が晴れるとゴーレムはばらばらに
なっていた。
「・・・水蒸気爆発か。使えるな。」
ラスト、レールガン。
ドンッ!という音を残してゴーレムに炸裂。「エクスプロージョン!」とか
デル君が言ってる。一発でゴーレムはバラバラ。ようわからんが銅貨1枚の
威力じゃなかと!試し撃ち終了。ドロップしたものは、後でダンジョンスタッフ
に戻す。あとはこのフロアーの改善点をメモして、次のフロアーに行こう。
光学迷彩(改)を発動。モンスターのポップなしで次のフロアーの階段に
たどり着く。一休みしよう。今まで頭の上で寝ていた小梅が起き出す。
ほぼ、徹夜だったもんね。
「お腹減った。」
「食パンの耳のお菓子でいい?フルーツサンドは、ランチにしよう。」
「うん。」 カリカリ食べる小梅は、今日も可愛い。
次のフロアーへと進む、あれフロアーボスが出なかったな。まっいいか。
階段をのぼり外に出ると、そこは砂漠。パターン的にはオアシスを目指して
進むって感じかな。しばらく進むと、あたりが暗くなる。
「砂嵐が来る。」 えっ!まじ!
急いでアースコントロールで穴を掘り、テントを設置。
「カモナ、結界は風上で尖らせて。」
「かしこまりました。」
テントの中は、砂漠にいるとは思えない快適さ。
「少し早いけど昼食にしようか。」
「うん。」
「小梅、アイスコーヒーにするけど、砂糖とミルクは?」
「入れる。にがいから。」
「了解。」
魔導コンロがあるから料理もできるけど、なんか違う気がして持ってきた
フルーツサンドを食べる。小梅用に半分に切って盛り付ける。
いただこう。ハグハグ、フルーツサンドを食べる小梅は可愛い。
外を映しているモニターを見ながら食べる。我ながら美味しい。
「お食事中、失礼します。砂嵐の中になにかいるようです。」
「フォーカスして。」
あぁ・・サンドゴーレムだ、まんまじゃん。大きいな。
フルーツサンドを食べながらサンドゴーレム・・プププ・・・。
「踏まれない?」
「進路的には大丈夫です。」
「了解。」
しばし観察。う~ん・・シノさんで狙ってみるか。それにしてもこのフロアーは
苛酷だな、気温が高いし起伏もけっこうある、砂嵐用の装備やゴーグルもいる。
この環境の中で巨大なサンドゴーレム。レイドだと人数分の装備がいるぞ。いや、
長官の狙いはそこにあるか・・装備の重要性、集団戦闘、指揮能力、
いろいろな要素がてんこ盛りだ。がんばれ!主人公っぽい人。
さて、それじゃあ外に出てサンドゴーレムを狙撃してみよう。
「シノさん。」
「イエス、マイロード。」
「マイロード?」
「イエス。マスターだとデル君とかぶるので。」
「たしかに、少し恥ずかしいけど了解。フルメタルジャケット弾いける?」
「イエス、マイロード。」
「よし、じゃあそれで。距離は?」
「約60M、現状スペックの射程ぎりぎりです。」
うつ伏せになってスコープを覗く、おっ!デジタルじゃん!コアは心臓で
いいのかな?まあ、撃ってみよう。
「イエス、マイロード。FJアクティベイト。」
ガオンという音と、多少の反動、レールガンよりは少ない。胸に風穴があいた。
さすがに岩よりも脆い、しかしあっという間に再生。砂がいっぱいあるしな。
これは困った、コアに位置がわからないときりがないぞ。
「右足の付け根。」
「わかるの?」
「気配察知が進化した。」 おお、それはごいすー。
僕もボタン先生に聞いて進化させよう。右足の付け根を狙って、2発目。
ガオン、ヒット!サンドゴーレムは崩れ落ちた。
「ふぅ、いけたよシノさん。」
「イエス、マイロード。」 少しうれしそう。
さすがヘカート。しかもⅡ。この射程は、いいアドバンテージだ。
「なんかある。」
「銀塊・・FJ弾を使ったからかな?もしかして鉱物ドロップフロアー?」
ここは金やミスりルが・・グヘヘヘ・・。「イタッ!」小梅から蹴りが入る。
「きめえ!」 もう、梅ツンったら。
本部に寄るし、初日はここまでにしよう。
小梅に成獣化してもらって、乗っけてもらう。光彩(改)発動。
「行こうか。」
小梅が走りだす。うひょ~モフはや~。あっという間にオアシス到着。
次回はここからだ。
本部の入り口に転位、受付嬢にドロップしたものを、どこに提出すか聞く。
「この通路を真っ直ぐいった突き当りに、開発部がありますので、そちらに。」
「わかりました。」
ドアをノックして中に入る。
「失礼します。ドロップ品の提出に来ました。」
「はいはい、こちらに出してください。んっ!」
「ドミニク・・・。」
僕は思わず彼女に抱き着いた。
「おや、おや、どうしたの?迷子?」
「ドミニク・・僕だ・・楓だ。」
「う、うそ・・小っちゃいけど・・特尉なの・・。」
僕達はしばし抱き合った。あいかわらず巨乳だ。ドミニクは特隊の科学者で
なにをかくそう「白華」を作ってくれたのも彼女だ、巨乳の天才だ、ちがう
天才の巨乳だ。
「君も転生したのか?」
「そうよ、ただダンジョンからは出れないみたい。」
「えっ!長官はフラフラしてるぞ!」
「今、研究はしてるけど、おそらく私はこの世界の一部ではなくて、ダンジョンの
一部として存在してるみたいなの。」
「そんな・・・。」
「でも、毎日楽しいわ!魔法、モンスター、IA。知りたい事が多すぎるの、
それに。」
彼女は指を鳴らした。するとたくさんあるモニターに、外の世界が映しだされた。
「これは・・・。」
「超小型ドローンを作ったの、この世界のほとんどは覗けるわ。」
さすがドミニク、さすドミ。
「そっか・・・。」
「そういう楓はどうなの?」
「僕は前世がハードすぎたから、今世は絶対スローライフを送るんだ。
その為に奮闘中。」
「奮闘してる時点でだめだと思うけど・・まあ、らしいといえばらしいわ。
それで、どうしてここへ?」
僕は、ダンジョンアタックをしてる経緯を説明した。
「成る程、スローライフの欠片もないわね。」
「それで、ダンジョンの意見なんだけど、長官に言えば?それとも君?」
「私でいいわよ、プログラムしてるの私だから。」
さすが、巨乳。ちがう、天才。
「了解。ロックゴーレムのフロアーなんだけど、ゴーレムのサイズが岩のサイズに
合わせていろいろあってもいいと思った。小型のゴーレムがとりついて爆発する
とか。あと、ゴーレムも連携すると手強いかな。」
「恐ろしい事考えるわね、でも、おもしろい。早速、プログラムするわ。」
「サンドゴーレムフロアーだけど、ゴーレム自体はあれでいいと思うけど、
せっかくの砂漠フロアーだから、ワームとかサソリとか飛び出してくると
びびるね。」
「・・・Sね。採用しましょう、その鬼畜仕様。」
「今日は初日だったし、2フロアーしか行けなかったけど、また来たら報告に
来るよ。これ、良かったら食べて。」 フルーツサンドを渡した。
「ありがとう、頂くわ。それと今回のギャラね。」
金貨の入った袋をもらった。ギャラもらえるんだ、ありがたい。
剣と短槍を作る費用にあてよう。
「そのうち、銃をつくってほしいのだけど・・。」
「いいわよ、ブラスター?」
「ブラスターは現役だよ、今は事情があってスリープ中だけど、グレイスの
銃って知ってる?」
「知ってるわよ、ロングスライドのリボルバーでしょ?でもそれジャパニーズ
アニメに出てくる架空銃じゃない。実在だとマグナムが近いかしら。」
と言いながら、サラサラとデザインを描いていく。それを見ながら調整をして
ほぼ完璧にグレイスの銃のデザインができた。
「カラーはブラック?」
「う~ん、シルバーがいいかな。」
「了解、ダンジョン産の謎金属があるからちょうどいいわ。」
「どのみち、この身体ではロングスライドは使えないから、暇な時にでも。」
「わかったわ、趣味として作るわ。」
「ありがとう。じゃ、また来るよ。ドミニク、会えて嬉しかった。」
「わたしもよ。」
僕達はもう一度、抱き合った。うほ!天才。ちがう、巨乳。
帰り際、受付嬢にフルーツサンドを大量に渡し、本部をでて転位。自室に戻る。
まじすげえな、これ。




