第14回 エリ
タキガワナツヒコ先生が死んだ。
ざまあみろだ。
この私の告白を断ったからだ。
家の中、学校からまわってきた連絡網を聞いた。
エリは一人で笑みを浮かべる。
煙草に火を点け、ふうっと煙を出した。
何が教師と生徒だ。
何がもっと自分を大事にしろだ。
最初に遊び半分で手を出してきたのは向こうの方だ。
言い寄ってきて、半ば無理矢理私を抱いた。
何度も、何度も、その内私もまんざらでもなくなってきた。
タキガワに対しての気持ちもはっきりわかってきた。
だがそれをこっちが本気になったらすぐに手の平を返すのか。
断るどころか、別れ話。
もう会うのはよそう・・だと?
勝手すぎるじゃないか。
ならば初めから手を出さなければいい。
私以外にも同じような生徒を抱えていたくせに。
もしかするとその内の「誰か」がタキガワを殺したのかもしれない。
礼を言いたい。
よくぞ殺してくれた。
だが私には関係のないことだ。
勝手に捕まればいい。
先日死んだハルキとリュウジも関係ないことだ。
オカダ先生も関係ないことだ。
周りは何か不思議なことが起こってるようなことを言ってる。
確かにおかしいようなことが起こっているのはわかる。
同じ学校内で同時期に4人も死人が出るなんて。
だが、偶然だ。
そうに決まってる。
そんな映画みたいな話あってたまるか。
エリは煙草の火を消し、何事もなかったように学校へ向かった。
つづく