第12回 ショウコ
ショウコが1人で遊んでいる時に、両親から聞かされた。
隣の家のキヨミが亡くなったと。
まだ幼いショウコには「死」というものを理解できていなかった。
キヨミが遠くへ行ったということしかショウコの親も説明できなかった。
仲良しだったキヨミちゃんが突然いなくなった。
なんで?
どうして?
わからないよ。
パパ、ママ、どうして泣いているの?
キヨミちゃんのパパとママも優しかったよ。
よく家に遊びにいったよ。
キヨミちゃんの家には色んな玩具があったよ。
いつもいつも遊んだよ。
キヨミちゃんと遊ぶのが楽しかったよ。
ショウコはキヨミの家に行くのがいつも楽しみだった。
もう行けないの?
何があったの?
ねえ、誰か教えてよ。
どうしてみんな黒いお洋服を着ているの?
どうして目の前にキヨミちゃんの写真があるの?
どうして?
キヨミちゃんは?
どこにいるの?
誰か教えてよ。
ねえ。
だれか。
だれか教えてよ。
「誰か」
ショウコは誰かを渇望する。
キヨミの遺影の前でショウコはお願いした。
すると。
ショウコの目の前に「誰か」が現われた。
あれ?
あなたはだあれ?
それはキヨミちゃんの玩具だよ。
いいの?
キヨミちゃんいないけど遊んでいいの?
あれ?
目の前が真っ暗だ。
見えないよ。
どうしたの?
どうしたの?
パパ?
ママ?
どこにいるの?
あたし・・お迎えを待ってていいの?
じゃあ待っているよ。
早く来てね。
パパ。
ママ。
そのままショウコは永遠に遊びはじめた。
つづく。