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第12話 遠隔操作



「この目の前の星に降り立ち、キモオタ星人への迎撃態勢を取ることは可能かしら?」


ロリノアの質問に、やはりメイシンは難色を示す。


『可能と言えば可能です。先行して送り込んだ探査球からの情報によりますと、この星には大量の鉄鋼と石油が確認されています。十数年と時間さえあれば、最低限の迎撃システムは構築できますが…』


「超々銀河団のトップクラスの科学力を相手にするには、心許ないって事ね」


ロリノアも気付いてはいる。助力、逃走、迎撃の全てが不可能に近い事を。


常に監視されている状態では、どのような策を講じても下策となる。まずは監視状況をどうにかしなければと、ロリノアが思案していると…。


『うぐっ!…ま、まさか!』


突如、メイシンがその場にへたり込み、身体を震わせながら苦しみだす。


「ちょっ、ちょっとメイシン!どうしたのよ!まさか…貴方…バナナアレルギーだったの!?」


『いえ…違います…バナナは…大好物です…上からでも…下からでも…大好物です!!』


「だったら…」


『ブラックルーム内から…遠隔操作が始まったようです…やはり…ブラックルームは監視の為の設備…先程の…アーグネス星人への…話に…反応…したのでしょう…自我が…自我が…自我が…乗っ取られ…』


「諦めるな!貴方は究極のメイドロイドじゃなかったの!?思い出して!バナナが突き刺さった、あの時の感情を!」


ロリノアの叱咤に、メイシンは大きく目を見開く。


ブラックルームからの遠隔操作が、カビの根のようにメイシンの全身に張り巡らされている。

しかし、バナナが突き刺さった時と比べればどうであろうか?バナナが急所に突き刺さった時、それは全身に電流が迸る程の未知なる快感!


『フゴガガガガッ!』


全身の神経が上手く作動しないにも関わらず、メイシンは必死で身体を動かしだす。

ヨロヨロとした右手が床を叩くと、そこから操縦席が現れた。


『宇宙船を…手動モードに切り替えました…申し訳ありません…これが精一杯で…』


「良くやったわ、メイシン!あとは私に任せなさい!」


そう言うとヒラリと操縦席に乗り込み、ロリノアは手動で宇宙船を動かしだす。


「キモオタ星人よ、よく見ておきなさい!これが…追い詰められたロリの…神風特攻だ!」


そう言うと宇宙船hakobuneを全速力で発進。向かう先は…自殺行為ともとれる、未知なる超々銀河団!



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