18 男だって見られるのは恥ずかしい
前回のあらすじ:ホテルの夕食は味が濃ゆくて食傷してしまったよ!
ビュッフェで少し食べすぎた僕とは対照的に、そこまで食べてないレミは先にお風呂に入った。僕は少し休憩してからでないと苦しいので後にしてほしいとお願いしたのだ。
これが少年ラブコメの世界であれば、なにかこう、お風呂に突撃するハプニングイベントがあるのだろうけれども、あいにくとそんなイベントは起こりえないだろう。
レミが着替えを忘れたとかそんなミスをするわけないだろうし、僕もお風呂に突撃する用事なんてないからね。……本音を言えば、一緒にお風呂に入りたい気持ちはあるけれども……ここで無理に押し入ったら僕の好感度はダダ下がり、最悪この世界での居場所を失ってしまう。というか普通に嫌われたくないので我慢する。
さて、レミがお風呂に入った後。僕もお風呂に入ろうと思ったのだが……バスローブ姿のレミが脱衣所でじーっとこちらを見ている。なぜ?
「……それで。僕もお風呂に入りたいと思うんだけど」
「ええ、そうね。入ればいいと思うわよ?」
「いや、入るよ? 入るけどさ。……ええっと、僕、脱ぐんだけど……」
「ええ、そうね。脱げばいいと思うわよ?」
「いや、恥ずかしいんだけど!?」
脱げばいいと思うわよ? ではない。僕は男ではあるが、さすがに全裸を女の子に見られるともなれば羞恥心は発生する。つまり普通に恥ずかしい。
というか、男性が女体を見たがるのは普通だと思うけれど、女性が男性の裸体を見たがるというのはあるんだろうか? 普通は立場が逆になるのではなかろうか。しかも僕は筋肉質でもない、平凡……というよりどちらかというと頼りなさそうな部類だと思うんだけど。どうしてそんな僕の体を見たがるのか、これがわからない。
「見てたら、だめかしら?」
「う……」
そんな上目遣いをされると弱い。けど恥ずかしい。こういう時、陽キャであれば喜んで脱いで見せつけたりするものなのだろうか? まあ、見せても良いといえば良いけれども。恥ずかしいものは恥ずかしいし、実はさっきから麗美のバスローブ姿を見て(どこがとは言わないが)元気になってしまっているので……うん、見せたくない。
あ、そうだ。
「じゃ、じゃあそっちも見せてよ」
「……っ!?」
目を見開いて、顔を真っ赤にするレミ。うん、これで出て行ってくれるはず――
「み、……見たい? の?」
そう言って、震える手で本当に脱ぎだそうとバスローブに手をかけるレミ。……え?
「いや、待って待って本当に待って」
慌てて制する。いや本当に、愛し合う男女が両方全裸になってしまえば、そのまま子作りになりかねない。特に今はバスローブ姿を見て僕の理性が怪しくなっているところなので、本当に勘弁願いたい。このまま押し倒して僕の女だと教え込みたい衝動に駆られているので、レミが脱いだら割と真面目に今この場で抱き寄せて襲いかねない。
「襲っていいなら脱いでいいけど……」
「お、襲うって……そ、そうね……そうね」
顔を真っ赤にしながら、それでもバスローブをはだけさせるレミ。おい。これはあれか、OKってことなの? いやマジで襲うよ?
「いやマジで襲うよ?」
「……」
バスローブをはだけさせたまま、真っ赤な顔をしてコクリと頷くレミ。……うん、そうか。
僕の理性は、ここでプツリと切れた。
「すー……すー……」
僕の理性が切れてから、2時間ほど経過しただろうか。さすがに子作りこそしなかったものの、いろいろ……まあその、レミをおいしく頂いてしまったわけで。彼女は今、疲れ切って寝てしまっている。
もちろん2時間ずっと襲っていたわけではない。できるだけ優しくしてあげようと慎重になったのもあるし、お風呂に入りなおす羽目になったし、途中から完全にレミの体力が尽きて僕が介抱してあげていたからね。
というか、ロングヘアーを乾かすのに結構時間を取られた気がする。セミロング、っていうのかな? 割と長めなので、その分時間がかかってしまったのだ。女の子は大変だなと、改めて思う。
さて、まさかの恋人はおろか、キスすらしていないのに身体を貪ってしまったわけだけれども……責任は、取らなければいけない。
さすがにこのままレミの厚意に甘えておんぶにだっこのままでは男として情けない……僕も、レミのために何かしたい。まあ立場があるので、そこまでできることはないと思うけど……それでも。
艦隊指揮AIに、聞いてみないと。このままでは僕はただの情けないヒモ男みたいになってしまう、僕は……僕からも、ちゃんとレミのために動きたい。
まあ、ひとまずのところは……明日のデート、ちゃんとエスコートしないと、かな。




