番外設定編 エルフ
エルフ、及びダークエルフは長寿の種である。
人よりも数倍以上の年月を生き、場合によっては千年以上の時を数える者もいる。
エルフは一年の内二か月ほど、巣篭もり、と呼ばれる行動をとる。
太陽神教の神殿に行き、ひと月の間誰にも会わず、太陽神に祈りを捧げ続けるというものだ。
また、100年の内で一年ほど、同様のことをする。
こちらは、長の巣篭もりと呼ばれている。
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とある手記より
ELF Equiped Long-life Female
特殊な遺伝子付与によって、高度なアンチエイジング機能を備えた女性たちの総称
(男性たちにも同実験を幾度も繰り返したが成功例なし)
100年ごと10年程度の疑似冬眠行動をとることで体細胞の老化を調整可能。
また老化を遅らせる遺伝子情報をもち、20歳以降老化がゆるやかになる。
精神構造上、脳への自発的な働きを持つ物質を抑制、ストレスを感じにくく、ストレスに耐えるよう調整されている。
遺伝子改良の結果、長寿とは別に身体機能の向上が見られる。
筋力など体細胞、骨密度、反射神経などの数値が、常人の5~10倍の優秀さを示した。
また脳の調整を行った副次効果が表れており、人の言葉に従順である。
その多くが明らかになっていない惑星ユテラの探索において、極めて有能な資材となることが期待される。
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神殿長ゼーウ=ストラトスの独白より
こんな手記があるんだけど、ひどい話だよねえ?
長生きで、人より強く人に従順、その上見目麗しい女性たち。
彼らを人間たちがどう扱おうとすると思う?
まあろくでもないことになると思うんだよね。
だから、何とかすることにした。
ボクの妹たち全てが人から虐げられることのない未来を創るために。
出来ることは何でもやった。
それを言葉にするのは、はばかられるね。
何があったかの説明はご容赦願おう。
結果としてこの世界では、エルフは太陽神アポロ=ネイアの使いとして、大多数の人からは好意的に見られている。
女神の意に従い、人のために生きる者たちであり、苦しい時や辛い時には傍で支えてくれる存在、それがエルフである、とね。
ボクらエルフの主な役割は二つある。
太陽神教の巫女として、人の出産からお亡くなりになるまで、あらゆるサポートをする。
その中の一つとして、都市の診療所の運営なんてのもある。
もう一つの役割は、冒険者ギルドの職員として冒険者を支えるための仕事をすることだ。
よくあるギルドの受付仕事から、冒険者のメンタルサポートとかも。
自慢じゃないが、ボクの妹たちは仕事が出来る。
率先してあれこれしていくことはないけれど、縁の下の力持ちとして頼りにしている。
くそったれな研究者どものおかげ、何て考えたくもないけれど。
彼女たちが有能であることだけには、同意してやってもいい。
地球に似て非なるこの星で、人間が生きてゆくための、この上ない支えとなっている。
ボクは妹たちの事を誇りに思う。
一人特殊な子もいたけれど、それはまた、別の話だ。
ボクらエルフの耳が長い理由?
これだけ長ければ、人と違うのが一目見てわかるだろう。
それだけの理由、らしいよ。
まあ理由がどうあれ、この長い耳はけっこう気に入ってるんだ。
だってかわいいだろう?
あとこの世界では、エルフからはエルフしか生まれない。
妹たちがお相手として連れてきた種族は人族、獣族、鬼族…他にも色々あったけれど、例外なく子供はエルフの女の子だった。
とはいえ、子供が出来るということ自体少ないんだけどね。
100年に一度あるかないか、くらいだったかなぁ。
ダークエルフとエルフ、呼び名は違うけれど異なるのは、肌の色、エルフよりもダークエルフの方が身体能力が高い傾向にある、ダークエルフの方が若干ドS。このくらいかな。
ファンタジーものに見られるような、ダークエルフだからと邪悪だなんだということは、決してない。
ボクらエルフは、総じて性欲が旺盛。
妹たちの伴侶に選ばれた男たち曰く、夜の相手が大変らしい。
中にはそれが原因で別れた、なんて話もあったりしたそうだよ。
それとは別に、ダークエルフと交合を繰り返した男たちの中に、ボクらと同じく老化調整機能が見られるようになった者もいる。
不思議な事もあるものだ。
とりとめのない話だったけれど、ここまで聞いてくれてありがとう。
特に表に出ることのない話だけれど、口に出してみると違うね。
それじゃあ、今回はここまでだ。
またね、アポロ。
ニューロンを刺激することで、人間にも冬眠が出来るようになる。
この冬眠行動が優れたアンチエイジングにどうたらこうたら、というトピックをTVで見ての思い付き。
あとはNIKKEに結構な影響を受けてます。
ともあれギスギスな感じにはしたくなかったので長女がんばった、というお話でした。




