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大自然最強

「殷の遺跡だと思われていた二里頭遺跡が実は夏の遺跡だったと知れたのは今からそう昔ではないが、しかし戦争が成立したんだから普通殷墟の近くにあると思うのが普通だろう」

「何でですか?」

「古代人はせいぜい馬ぐらいしか移動手段がなかったんだぞ、だったらその半径上にあると考えるのが普通だろう。実際あったし」

「まあそうですね」

「そこで中国政府は欲を出した。古代エジプト文明に張り合って、もっと古い遺跡を探させようとしたんだ。その結果夏以前の先史文明を発見してしまった」

「その先史文明の中でなぜか生き残ったのが夏だったらしい」

「そうですか」

「なぜ、夏だけが生き残ったかというと、一番多種多様な栽培植物を持っていたかららしい、この辺りは夏の伝説の王禹の伝説をほうふつとさせる話だ」

「なんでそうなるんですか?」

「ほかの文明は気候変動に耐えられず食糧難で滅びたからさ、明らかにリンチの形跡のある支配階級らしい遺体も発見されている」

「植物の種類が多いとそれが免れるんですか?」

「種類が多ければ、どれかがそれなりに収穫できるからな、それでぎりぎり生き延びたんだろう」

「なるほど、寒ければあれが、暑ければそれがって感じですか」

「そんなもんだ、とにかく気候というのは同じ土地でも刻々と変化するものだ。殷周革命に関してもそれが言える」

「当時、殷墟のあったあたりはアフリカより少し涼しい程度の平均気温だったそれが急激に寒冷に傾いた」

「寒冷に傾くとどうなるんですか?」

「普通、国が滅ぶ」

「滅んでますねえ」

「ヒッタイト王国が、殷の百年後に滅んでいるのもその影響かもしれない。民族移動で移動してきた難民に滅ぼされた説が有力だから」

「風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話ですね」

「氷河期は小規模なものは数百年周囲で起きているんだ。その周期と国の攻防は結構一致している」

「ほかに例はありますか?」

「中国で最悪の被害を出した小氷河期は三国志の時代だ。実際三国志には黄河が凍ったという話が記されている。ほかにそういえば邪馬台国騒乱もこの時期だが、やはり冷害からくる食糧不足が遠因かもしれない」

「つまり漢王朝が腐敗していたわけではなく」

「腐敗していたかもしれないが、してなくても結果は変わらなかったかもしれない」

「変わりませんか」

「食料自給率が減ればどうしてもそうなる。黄巾の乱も結局は例外が新興宗教を生みそのまま突き進んだだけのことだったかもしれない」

「そんなに寒冷化するんですか?」

「もっとも最近の小氷河期は江戸時代だ。その頃の風景画では関東近辺の絵でもこんもりと雪が積もっている。さらに、昔話の雪女の話も関東の話だと言われている。江戸時代では関東が東北くらい冷え込んだはずだ」

「北海道がどれほど冷え込んだか考えたくありません」

「永久凍土ができていただろうな」

「確かに関東が東北となると、東北の飢饉は結構有名ですねえ」

「寒冷に強い小麦などへシフトできていたらそうはならなかったろうが、米で年貢を払う方式だったからな」

「そういうものですかあ」

「つまりそういう事態が殷王朝を襲ったわけだ。その結果被害をこうむったのは姜だ」

「何でですか?」

「今日を生贄にする儀式はそうした社会不安の元激増した可能性が高い、というか激増しただろう」

「寒冷で苦しいところをさらに追い打ちを食らったということですか」

「そういうことだ」

小氷河期が江戸時代というのは事実です。居間問題視されている地球温暖化は本当に人間が原因なのでしょうか、それとも氷河期が終わっただけなのでしょうか。

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