マモノ
遅くなってすいません!
作り置きがたくさんできたら、少しは安定するかと…。
今回はかなり短めです。
がサリという音が鳴る。勢いよく出たせいで、盛大に物音を立ててしまった。実際そこまで大きな音ではないが、この場ではとても大きく感じた。
女性はこちらを振り返る。手には小さな子供がおり、苦しそうにうめいていた。女性の頭にはツノが生えており、それ以外は人間の女性と変わらない。亜種か、エルフや妖精だろう。髪は緑色で、目は淡いピンク色だ。腕の中の子供の髪も緑色なので、多分家族なんだろう。
一方、女性は少女を見て唖然としていた。人間だ、人間がこちらを見ているのだ。黒いローブを羽織った少女。顔はよく見えないが、そこからは瞳が妖しげに光っている。細く、背は低い。ただ一つ言えることは、この人が何を考えているのか全く読めないということだろう。その分妖しく、恐ろしく見える。もしかしたら人間でもない何か?そんな考えが頭の中をよぎった。
「あの…」
小さな声が、沈黙を切り裂いた。
私はハッとして魔物の女性を見る。不安そうに瞳を揺らしていた。警戒して右足が後ろに下がっている。
赤ちゃんを守るようにぎゅっと抱きしめていた。
必死に子供を守る親。
彼らにとって幸せな今を、こんなところで終わらさせたくない。
それなら、私にできることなんてただ一つだけ。
「…ついてきて、くだ、さい。」
震える声でそう呟いた。
女性は何が起きたかわからないという顔で、眉間に皺を寄せる。
怪しい。何をされるかわからない。そう思うだろう。けれど。子供を守りたいという思いはきっと何よりも強いはずだ。
「は、はい…」
女性は、子供の遠い未来を案ずるように、悲しそうに頷いた。
次回 3話予告
女性を助けたいセリス。子供を助けたい親。苦しそうな子供…。セリスは一体どう助けるのか?
「助けたいと…思って」




