友達
休みの日。
ぼんの家を新調するため、
ぼんとクラフトショップへ来た。
生地にちょっとこだわろうと思って、100円ショップはやめた。
可愛い柄を見つけて、満足しながら店を出る。
マナ:ぼん、今度は夏仕様だよ〜。
ぼん:んっきゅ!
カバンの内ポケットにいるぼんに話しかけた。
––ドンッ。
マナ:ッあ!すみません!
下を向いていたので、肩がぶつかってしまったようだ。
男性:あ、いえいえ!こちらこそ、よそ見してしまってて、すみませんでした。…あっ。
彼の視線を追うと、スマホが地面に転がっている。
彼がスマホを拾い上げると…画面がバキバキにひび割れている。
マナ:…!す、すすすすみません!弁償します!
男性:いやいやいや!俺のよそ見が原因だから!じゃ!
彼はそそくさと立ち去ろうとする。
私はガシッと彼の腕を掴んだ。
マナ:…この後、お時間ありますか。
男性:え…
私は強引に、近くの携帯ショップへ彼を連れ込んだ。
店員に修理の見積もりを頼むと、加入していた修理サポートのおかげで、1万円で済みそうとのこと。
マナ:これで修理してください。
彼に1万円を渡す。
男性:いや、ほんとにいいって!
彼は受け取ってくれない。
マナ:借りを作りたくないので。
男性:いや、借りでもなんでもないし…
マナ:でも…
男性:うーん…じゃあ、ランチ奢ってくれない?
マナ:ランチ、ですか?
男性:うん!
私たちは近くのファミレスに入った。
料理を食べながら、他愛もない話をした。
彼は私の1つ年上で、南 春吉さん。
ITエンジニアとして、この近くの会社で働いているらしい。
春吉:すごいな、ジュエリーの職人だなんて!
マナ:いや、まだ職人とは程遠くて…南さんの方がすごいですよ。ITエンジニアだなんて!
春吉:俺もまだまだ勉強中だよ。でも、仕事は楽しいかな。
マナ:…私も、今の仕事すごく楽しいです。やりがいもあって、新しい発見がたくさんで!
春吉:うん、柊さん、すごく生き生きしてるもん。こっちまで楽しくなる。
マナ:…そんなモロに出てるのは恥ずかしいかも…
春吉:あははっ!そうかな?
時間はあっという間に過ぎていった。
春吉:今日はありがとう。
マナ:いえ、こちらこそ!すみませんでした。
春吉:それはもう気にしないで!…あの、良かったら、連絡先交換しない?
マナ:へ?
春吉:良かったら…友達になりませんか?
マナ:!…はい、ぜひ!
連絡先を交換し、家に帰った。
家に着くと、すぐにシャワーを浴び、買い物袋から布を取り出す。
そして、チクチクと裁縫でぼんの家作りを始めた。
––♪
メッセージだ。
–南です。今日はありがとう。
また、お誘いしてもいいかな?−
私は、すぐに返信した。
–こちらこそ、ありがとうございました!
はい、ぜひ!お誘い待ってます!–
マナ:ぼん〜!ぼんのおかげで友達ができたよ!
ぼん:んきゅ?
マナ:よし、今日中に新しいお家、作っちゃうぞ!
ぼん:きゅー!
夏仕様の涼しげな家が完成した。




