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ふわふわポッケ  作者: いと
11/11

幸せ


2年後。



春吉:マナ、めっちゃ綺麗。



マナ:…へへ、ありがと。



今日は、私達の結婚式。

私は、柊真実から、南真実になった。

ちょっと名字と名前のバランスが悪い気がするけど、それがくすぐったくて、心地いい。



ぼんは、今日はポケットがないので、ふわふわ浮いている。



春吉:じゃあ、また後でね。



マナ:うん。



春吉さんは部屋を出ていった。



ぼん:んっきゅ。



マナ:ふふ、ぼん、私綺麗?



ぼん:んー。



マナ:おい。



私はぼんを睨んだ後、ぼんを手のひらに迎え入れた。



マナ:…ぼん、ありがとね。ぼんがいたから、変われたんだよ。ぼんと出会えて、本当に良かった。私、すごく幸せだよ。



ぼん:…んっきゅ!



ぼんは私に頬擦りした。



ぼん:どっぼ!



マナ:ん?



ぼん:…きゅ!



マナ:ふふ、何よ。



ぼんは、手のひらからふわふわと飛び立つ。



そして窓の外へ出た。



マナ:あっ、ぼん!そっちは外だよ!危ないから戻っておいで!



ぼん:…どっぼ!



マナ:…ぼん?



ぼんは、ニコッと笑い、ふわふわと飛んで行ってしまった。



マナ:ぼん!?ぼん!…ぼん…。




––コンコンッ。



スタッフ:失礼致します…真実様!?



式場スタッフが、泣き崩れている私に駆け寄る。



マナ:す、すみません…すごく、今日が嬉しくて…



久しぶりに、取り繕った。



スタッフ:そ、そうでしたか…。お化粧、直しましょうね。



マナ:…はいっ。



ぼんは、もう戻ってこないと悟った。

すごく悲しくて寂しい。

でも、きっと私が幸せになったから

ぼんは役目を果たして去っていったんだ。

だから、私はこの幸せを大切にして生きるよ。














それからしばらく経った冬。



マナ:美味しかったねー!あのお店!



春吉:そうだね!また行こっか!



今日はクリスマスイブ。

私は、夫の春吉さんと食事の帰り。

とても幸せに暮らしている。



マナ:…?



向こう側に、背中を丸めて俯きながら歩く若い女性。



不幸丸出し。昔の私を見てるようだ。



ふと、彼女のコートのポケットに目がいく。



白いふわふわが、モゾモゾとポケットの中へ入っていった。




マナ:…ぼん!



思わず声が出た。



春吉:ん?



春吉さんが、反応する。



マナ:あ…いや、なんでもない!



…そっか。次はあの子を幸せにしてあげるんだね。



マナ:…えいっ。



私は春吉さんのポケットに手を突っ込む。



春吉:ふふ、どしたの。



彼はポケットに手を入れ、私の手を握った。



マナ:へへ、今日はこーやって帰るっ。



私はぼんに想いを馳せながら、笑顔で家に帰った。











今度は、どんな名前をつけてもらうのかな。





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