21, Is Angel Number.
夕陽は僕を照りつける。
何処かに消えそうな僕を、逃すまいと。
僕にとって、夕陽はただの色が濃く着いた太陽に過ぎない。
しかし、人々は「綺麗」「儚い」などと、夕陽を過剰に美化する。
ただの太陽でしかないのに。
『次は……──
電車が走る。
決められたレールを、決められた時間に、決められた場所へ。
微睡みさえ運ぶこの電車は、夕暮れ進む海岸通りを無機質な表情で進む。
……。
──「暁、夏からここの高校に通いなさい。編入試験も無いからな。分かったね。」
目が覚めて、言われた言葉。
別に嫌でもなんでもない。
僕もどうせ、決められたレールを進んでいるだけなんだから。
「ここを出て、あっちでは父さんと2人で暮らすんだ。問題ないか?」
「いやだ」と言っても、どうせそうなる。
余計に困らせるだけ。
この問いに、答えなんて必要ないんだ。
「こっちで自由にできなかった分、あっちで自由に暮らそう。今まで、すまなかった。」
なぜ、いつも寡黙な父さんが謝ってるんだ?
あれ、なんで東京を出たんだっけ。
なんで、文藝、辞めちゃったんだっけ。
どうして僕は、管に繋がれているんだっけ。
父さん、なんで泣くの?
僕は大丈夫って言ってるじゃん。
嗚呼、体が動かない。
殺風景な部屋に大きなベッドが1つ。
周りには訳の分からない精密機器が並んでは、無情に音を発する。
そっか。
僕は、助かったんだ。
いや、助かってしまったんだ。
母さんは?
母さん、誰だっけ。
……。
──「お前さ、文章書くだけなのに、なんでマジになれんの」
楽しいからだよ。
──「なにこの文、意味わかんねー」
そっか、もうちょっと伝わるように。
──「結局、何を伝えたいの?(笑)。分からなかったら、読む価値もないわ(笑)」
そうなのか......な......。
これも僕が続けた、レールの先?
──「またなんか書いてる〜(笑)」
──「マジこいつ(笑)」
煩い。
──「なにこれ(笑)。イッタ(笑)」
──「なぁ、書くの辞めたら?」
煩い、煩い。
──「これ書いてて楽しいのね。母さんには分からないわ」
ああ。
誰も見ようとしない、見てくれない。
ぼくは、みようと想えるのに。
……それも、僕のエゴか。
結局、自分が一番可愛いのか。
文藝、楽しいっけ。
楽しかったっけ。
知らない。
もういいや。
疲れた。
沈む。
広大な海、僕は深く深く沈んでいくよう。
陽の光は届かない。




