第5話:相手のチアリーダーが、彼を応援してる
試合当日。相手校のチーム、チアリーダー、それに大勢の応援団が私たちの学校にやって来た。
間もなく、相手校の女子たちが林一寿に気づいた。彼は一人で隅っこに座っているというのに、彼女たちはこそこそと彼を見つめ、囁き合っている。
私は彼を守りに行きたかった。でもそれが彼の邪魔になるのが怖かった。だから遠くから、ただ心の中で彼を応援した。
第1クォーターは10分で終了した。林一寿はベンチスタートで、出番はなかった。スコアは12対14。2点差のビハインド。正直、ちょっとだけ不安だった。でも2点くらい大したことない、と思った。
第2クォーターが終わっても、林一寿はまだベンチに座ったまま。でも私はもう座っていられなかった。スコアは20対30。なんと10点差まで広がっていた!
まさかあいつら、私と一寿を引き裂こうとしてるんじゃないだろうな?
第3クォーターの中盤。スコアはさらに広がって20対34。うちのチームのコーチがタイムアウトを取った。そして林一寿に即座にアップを指示し、交代を準備させる。
チームが作戦を話し合っている間、何人かの選手が林一寿を指さしながらコーチと口論していた。しかしキャプテンとコーチが指示に従うよう求めると、不満そうではあったものの、最後には皆うなずいた。
その後、コーチが私のほうを見て、そばに来るよう手招きした。
前列に座った私がコートに入る林一寿を応援しようとしたその瞬間——
なんと相手校のチアリーダーたちが、彼に向かって大声で歓声を上げた。
林一寿は彼女たちにまったく反応せず、人混みの中をしばらく捜すと、私を見つけて微笑んだ。
……よし、今回は許してあげる。
林一寿はほとんど動かない。ドリブルなんてできないから、ただコーナーのスリーラインの辺りをうろうろしているだけだ。
その時だった。うちの選手が相手からボールを奪った。
キャプテンが即座に指示を飛ばす。
「一寿に回せ!」
ボールは素早く林一寿に渡った。何百回と練習してきた通り、彼は跳び、シュートを放つ。
シュパン———
ネットを揺らす綺麗な音。
23対34!
大事なのはスコアじゃない。相手の女子たちが一緒にキャーッと歓声を上げて、私の声を完全に掻き消したことだ。
しかも一壽ったら、今度はこっちを見もせずに、キャプテンとさっきパスをくれたチームメイトに、ドヤ顔でOKサインを送っている。
隣のコーチが小声で言った。
「向こうは一寿の実力にまだ気づいていないみたいだ。まぐれだと思って、マークを付けていない。」
言うが早いか、またうちのチームがボールを奪い、すぐに林一寿へパスを出す。
もう一度シュート。今度はリングの縁に当たって高く跳ねたけど、最終的にはちゃんとネットを通った。
また相手の女子たちが歓声を上げた。
26対34。
向こうがタイムアウトを取る。タイムアウトが明けると、相手は何と2人の選手を林一寿のマークに付けた。
しかし第3クォーターの残り数分間、キャプテンが何度も「一寿に回せ!」と叫んだにもかかわらず、誰も彼にパスをしなかった。
私はコーチに理由を尋ねた。
「これは一寿のために考えた戦術なんだ。相手が一寿にマークを付けてきた時は『一寿に回せ』という指示は無効になる。代わりに新しい指示が出る。今の一寿の役目は、相手の選手をボールから遠ざけること。これでうちは4対3の数的有利で相手を圧倒できる。」
この戦術は間違いなく成功した。
第3クォーター終了。スコアは32対38まで詰め寄せた。





