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追放された“無能支援役”、実はパーティ全体を最適化する最強の頭脳でした 〜気づかれなかった俺が抜けた途端、全部崩壊する〜  作者: 鷹宮ロイド


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第20話 パーティの亀裂

 「次で、決める」


 その言葉は、妙に残った。


 ユリウスが去ったあとも、誰もすぐに動かなかった。


 戦いは終わったはずなのに、終わっていない感覚だけが残る。


「……なあ」


 ザックがぼそっと言う。


「これ、どこまで行くんだ」


 誰も答えない。


 答えがないからだ。


「……レイン」


 リゼが静かに口を開く。


「一つ、いいですか」


「いいよ」


「私たちは――このままでいいんですか」


 足が止まる。


 全員の視線が集まる。


「危険指定されています。管理局と対立しています」


 淡々とした言葉。


 でも、その奥にあるのは迷いだ。


「それでも、続けるんですか」


 核心。


 逃げていたわけじゃない。


 ただ、まだ言葉にしていなかっただけだ。


「続けるよ」


 僕は答える。


「理由は?」


「必要だから」


 短い。


 でも、それ以上はない。


「……それは、あなたにとってですよね」


「そうだね」


「……私たちは?」


 空気が張り詰める。


 ザックが目を逸らす。


 ルナが黙る。


 ジンが腕を組む。


 ガルドだけが、まっすぐ見ている。


「巻き込まれているだけじゃないですか」


 正しい。


 完全に。


「……」


 僕は少しだけ考えて。


「そうだね」


 否定しない。


「じゃあ――」


「だから、選べばいい」


 言葉を重ねる。


「続けるか、やめるか」


 沈黙。


 短くはない。


 でも、長すぎもしない。


 それぞれが、自分の中で答えを出す時間。


「……私は続けます」


 最初に言ったのはリゼだった。


「理由は?」


「納得していないからです」


 まっすぐな目。


「分からないまま離れるのは、嫌です」


「いいね」


 頷く。


「……俺もだな」


 ザックが言う。


「途中で降りるのは気に食わねえ」


「それでいい」


 ジンが笑う。


「面白くなってきたしな」


「あなたはそればっかりね」


 ルナがため息をつく。


 でも。


「……まあ、付き合うわ」


 口元が少しだけ緩んでいる。


「ここで抜けるのも悔しいし」


「……」


 イーリスは少しだけ考えて。


「興味があります」


 短く言う。


「あなたのやり方が、どこまで通用するのか」


「いいね」


 最後に。


 ガルドが言う。


「俺は最初から変わらない」


「知ってる」


「ならいい」


 それで十分だった。


 全員、違う理由。


 でも。


 同じ場所に立っている。


「……」


 リゼが小さく息を吐く。


「少し、楽になりました」


「そう?」


「はい。選んだので」


 いい言葉だ。


 納得じゃない。


 選択。


 それが、このパーティの形。


「……じゃあ」


 僕は軽く言う。


「やることは一つ」


 全員の視線が集まる。


「証明する」


「何をだ」


 ガルドが問う。


「“必要な理由”」


 短く答える。


 それだけ。


 それが全部。


 その時だった。


 遠くで、鐘の音が鳴る。


 重い音。


 何度も。


「……またかよ」


 ザックが呟く。


「来るね」


 僕は小さく笑った。


「次が」


 誰も、逃げようとはしなかった。


 迷いはある。


 不安もある。


 でも。


 それでも進むと決めた。


 それが、このパーティだ。


 そして。


 それが――


 “必要とされる理由”になる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この物語は「強さ」ではなく、

「なぜ勝てるのか」「なぜ必要とされるのか」を描いてきました。


まだ小さな区切りではありますが、

一つの答えとしてここで一区切りになります。


もしこの先も気になると思っていただけたら、

ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。


またどこかで、この続きを描けたらと思います。

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