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きちんと姿は見ていない。
顔だってよくわからない。
声と話す雰囲気などから想像すると、およそ殺し屋らしくない。
そこらへんを歩いている大学生のようでもある。
もしかしたら、本当に大学生なのかもしれない。
と、ちょっと考えてしまった。
ふだんはきちんと大学に行って、講義にも出て、
レポートもきちんと提出する優良な大学生。
サークルでは仲間に囲まれ、そのなかには彼女もいて。
そんな大学生活の合間に人殺し。
バイト感覚でスナイパー。
それでいて仕事はきっちりこなす。
なくはないのかな、そういうの。
そんな大学生、この国にひとりくらいはいるのかもしれない。
それが、いま私の後ろにいるこの男、なのかもしれない。




